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アルフレド・デリウス
アルフレド王子はわたくしにこれまでの経緯を訥々と話してくれましたの。
君が階段を踏み外して死ぬ間際に叫んだ。
『わたくしも中身おっさんだなんて知らなかったんでございますわ~!!』
の叫びでボクは気が付いた。
『タチアナは前世の記憶を持った生まれ変わりなのかもしれない』と。
だけど答えてくれるはずの君はもうこの世にはいなかった。
その疑問に取りつかれたボクは、国中の文献を漁り。国中の賢者の話を聞き。
他国を侵略してその図書庫を漁った。
それでも貴方を知る事は叶わなかった。
人間の世界をすべて平らげ、すべての知識を集めても。
ボクは呪われているように諦める事が出来なかった。
世界を統べると言う邪竜にして魔王に戦いを挑み勝利した。
その時この世界が乙女ゲームの世界で。
君が神の手によって外の世界から来た転生者の可能性が高い事を知った。
タチアナに感じていた違和感の正体がその時ハッキリと分かった。
ボクは神を恨んだ。
勇者にして覇王であるボクの号令で全世界の力を結集し。
神の居場所へと続く門を開いた。
ボクは神を殺した。