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俺がエルフ嫁(ドレイ)を買った件について  作者: 木場貴志
第8章~俺が奴隷を嫁にした件について
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第8章~俺が奴隷を嫁にした件について その1

登場人物


マサユキ

王族にも繋がる貴族の家の末息子

妾腹で末子ということもあり、継承権はなく、その代わり特に縛りもなく自由な身分

現在は家を出て、与えられた資産を元に交易商の仕事をしている

頭は切れるが性格は大らかでのんびりなところがある

貴族の家暮らしよりも、現在の気ままな生活が気に入っている

献身的に尽くしてくれる秘書兼メイドのエミリアのことが最近気になっている


エミリア

エルフ王国の中級貴族の娘

貴族の子女の義務として、士官として軍務に就き、捕虜となった

それをマサユキが奴隷として買い取り、屋敷にやって来る

秘書役から身の回りの世話まで、なんでも喜んで献身的にこなす娘

 その日の夜のことだった。

 今夜もエミリアが作ってくれた夕食に舌鼓を打って。

「うまかったよ。ご馳走様」

「お粗末様でした。ご主人様、入浴の準備もしておきましたから、よろしければ浴びていらっしゃったらどうでしょう?」

「用意がいいな。じゃあ、遠慮なく」

「はい、いってらっしゃいませ♪」

 エミリアに勧められるまま、浴室へ。

 裸になって、ザバーッと湯を浴びて。

 浴槽にカラダを沈めてゆっくり浸かる。

 今日の疲れが湯の中に溶け出していくようだ。

 エミリアが来てくれてから、仕事も早く片付くようになったし、食事も入浴も着替えもキッチリいつも整ってるから、こうして毎日のようにゆっくり湯に浸かれちゃうくらい、生活に余裕も出てきてて。

 おかげで毎日慢性的な疲れを感じることもなくなってきたし、体調もすこぶるいい。

 さすが、健康管理までしっかりやると自分から宣言しただけの仕事ぶり。

 エミリアには感謝しないとな。

 今度、何か好きなものでもプレゼントしてやるか。

 そんなことを思っていると。

「ご主人様~? お湯加減いかがですか?」

 浴室のドアの外からエミリアがこちらに呼びかけてきた。

「ああ、丁度いいね」

「そうですか、よかったです」

 あ、そうだ、ちょうどいい。

 欲しいもの、聞いておこうか。

「あ、エミリア」

「はい、なんでしょうか?」

「エミリアって、今なんか欲しいもの、ある?」

「え? 欲しいもの……ですか?」

「ああ。ものすごくよくやってくれているしな、何か好きなものでもやろうかと思ってさ」

「そうですか……」

 ドアの向こうで、エミリアのシルエットが止まる。

 少し考えているようだ。

「あの、ご主人様……」

「ん?」

「欲しいもの、なんですけど……今すぐいただきたいものがございます……」

「え? 今すぐ? 俺、なんにも用意してないんだけど?」

「でも、今いただきたいものなんです……」

 ドアの向こうから衣擦れの音がし始める。

 ふぁさっ、ふぁさっ……。

 エミリアが、着ていたメイド服を足元に脱ぎ捨てたのだろうか?

 いったい、どうするつもりなのか。

 ……まさか……?

「ご主人様、失礼いたします……」

 ガチャ……。

 浴室のドアが開いて。

 裸のエミリアが入ってきた……。

「ちょ……! エミリア! 何やってんだ」

「ですから……ご主人様が下さるものを受け取りに参りました」

「なんで裸なの!」

「だって、お風呂場ですから。せっかくですから、今夜は私が洗って差し上げますね」

 そう言って、彼女はお湯を浴槽から桶で汲み取って、自分の身体に何度かかけていく。

「では、失礼いたします……」

 ゆっくり、静かに俺の隣にエミリアは入ってくる。

「ああ……良いお湯ですね……」

 気持ち良さそうに目を細めるエミリア。

 無防備に俺の前にその肌を至近距離で晒している。

「エミリア……俺の前で、そんな姿さらしてていいのかよ?」

「もちろんです。だって、誘惑してるんですもの」

 あっさりとそう答えるエミリア。

「私の欲しいものは、ご主人様にしか与えられないものですから……」

「どういうことだ?」

「私に、ご主人様の子種をお授け願いたいのです……」

「えっ!?」

 頭をハンマーで殴られたような衝撃を感じる台詞。

 それって……そういうことだよな……。

「あのな、エミリア。それがどういう意味か分かって言ってるよな?」

「はい……。分かっております」

「なんでそんなことを……」

「私、ご主人様のことを、好きになってしまいました……。できることならば、ご主人様の愛を受けたいとも思いますが……そこまでは望みません。せめて、ご主人様に抱いて頂いて、少しばかり、私達に対してしていただいたご配慮の恩をお返しして、赤ちゃんを授けて頂ければ……」

「バカなことはよしなさい! 俺がそういうことを好まないというのは言ったはずだろう」

「それは確かにそうです。ですが、元々、奴隷として売られてきた以上、こういうご奉仕もするものだと覚悟していました。そんな私達をこんなに暖かく処遇して下さったご主人様に、私、あっという間に恋してしまったんです。ご主人様が好きな男性となった今、躊躇う理由など、もうどこにもありません」

 まさかの告白……と、俺の立場からは言っていいのだろうか。

 いや、まさかではないな。

 ばあやの言った通りの展開だった。

 本当にエミリアの気持ちがあるならば、受け入れてもいいかもしれない。

 が……。

「本当に、俺のものになるつもりで言ってるのか?」

「はい! 私、ご主人様のものでいたいです……。できればずっと、お側でお世話させて欲しいと思っています」

「そうか……。そうなると、エミリア。この戦争が終わっても、おまえは国へは帰れなくなるぞ。俺も、自分のモノにした女を手放すつもりはないからな」

「はい! それでいいです……!」

「じゃあ、エミリア。おまえ、俺の嫁になるか?」

「えっ……!?」

「仕事も身の回りも、何から何まで世話を任せてて、その上俺の女にするんだから、嫁にしたっていいだろう? それとも、嫁になるのは希望しないか?」

「い、いえっ! そんなことありません!」

 エミリアは慌ててそう言う。

 慌てる仕草がちょっと可愛いぞ。

「まあ、正式には戦争が終わって、奴隷の身分が解けたらになるけどな。けど、うちの中では、これからは俺の嫁として、権限も付けていく。責任、重くなるぞ」

「はい! 私、がんばります!」

 嬉しそうな笑顔をたたえて、頷くエミリア。

「では……妻として、今夜からご奉仕、させてください……」

「わかった。今夜は寝かさないぞ」

「はい♪」

 エミリアは少し涙を浮かべながら、極上の笑顔でもう一度頷いた。


次回投稿は8/26(日)12:00予定。

一夜を共にした後の朝……。

幾つになっても、幾つ歳の差があっても男は嫁の尻に敷かれるものらしい……w

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