王都へⅣ
オークとの戦闘後、しばらく移動し野営の準備に取り掛かった。
脇の森で草木をかき分け寝床を確保する。
テントが持ち込めるほど大きな馬車ではなかった。
寝床の確保が終わると、町長が用意してくれていたパンと干し肉、オレインの水がふるまわれる。
そして、今日のメインディッシュ?が登場する。
「さっきのオークから、肉を取ってきたぜ!こいつを焼くと結構うまいんだ」
「へ、へぇ・・・」
あまり知りたくない情報であったが、野営の際には覚えていても損はないだろう。
料理が得意であったハルトは、オーク肉の調理をすることとなった。
調理と言っても、調味料をまぶして焼くだけなのであるが。
さきほどのオレインの魔法は、オークを燃やしたが炎が出ていたわけではない。
当の本人、いや、この世界の生き物ほぼ全てが理解していないが、電子レンジと似たような原理であった。
粒子を高速で振動させ、温度を上昇させて発火させる。
余程器用に、それこそ電子レンジ並みに出力の調整が出来るなどでない限り、丁度良く焼くことは不可能に近かった。
このため、オレインが薪を発火させハルトが焼くということになった。
(まずは塩と胡椒で下味をつけて・・・おっと、胡椒は高級品か・・・。)
「何かか辛味のある調味料とか知らないか?」
胡椒の代替え品を探す算段である。
「うーん・・・あたし料理は苦手だから・・・」
オレインは横目でスレインを見た。
「いや、俺も不得手なのだが・・・」
そういうと、アルギの方を見る。
「ん?俺か?ハハッ、知るわけないだろう」
アルギはオレインを見た。
なんと微笑ましいパーティーだろう。
いや、今はそんなことを思っている場合じゃない。
(その辺で採取してくるか・・・)
ハルトは味付けに使えそうな植物を探しに出た。
数分が経ち、ハルトは戻って来るや否や怪しげな植物をオーク肉に巻き付け、蒸し焼きを始めた。
さらに数十分後、オーク肉のピリ辛蒸し焼き(ハルト命名)が完成した。
鼻を刺す臭いは、決して良いものではない。だが、野営では贅沢を言っていられない。
折角だからと、まずは好奇心旺盛なオレインが試食することとなった。
「いっただっきまーす!」
元気よく食べるオレインであったが、次第に顔色が悪くなっていく。
「お、お花摘みに行ってきます・・・。そしておやすみなさい・・・。」
「お、おやすみ・・・。」
一同は顔を見合わせた。
女の子がお花を摘みに行き、それを後ろをついていくような者はいなかった。
しかし、これはオレインから感想を聞けないということでもあった。
「ど、どうする・・・」
円を描くように座った6人の目の前には、オレインをノックアウトしたオーク肉。
しかし、次に干し肉以外の肉を食べられるのはいつだかわからない。
沈黙が続いたが、責任を感じたハルトが食べることにした。
「んん!!豚肉のような食感に、葉っぱの辛味が合わさって旨い!」
美味しそうにハルトを見て、安心してしまった5人は同時にそれを口にした。
その夜、野営地に大量の胃酸が撒かれた。