王都へⅡ
出発準備になります。
護衛の依頼を半強制的に受けてから翌日、ハルトはギルドに来た。
「おはよう。」
「あ、ハルトさんおはようございます!
他の3人はもう町の北側の入口にいると思いますよ。」
「お、どうも。」
軽く会釈をして出ようとすると、プロリンが呼び止めてきた。
「王都に向かわれた後、こちらには戻ってきますか?町長の護衛、往路だけなので少し気になっておりまして・・・。」
「ん、そうなのか?まあ、居心地がよさそうならそっちにいるかもなあ。」
少しばかりの静寂のあと、寂しそうな顔をしたプロリンが口を開いた。
「では、護衛の依頼、頑張ってくださいね!よろしければ、また戻ってきてください!
ハルトさんは、この町のヒーローみたいなものですから!」
ギルドを後にし、北門へ向かう。
(プロリンのやつ、俺に惚れたか?そういやイケメンになってるから・・・って、鏡をまだ見てないな。)
ロクでもないことを考えるハルトであった。
北門へ着くと、そこにはすでに冒険者の3人がいた。
「おう、遅かったな!」
「おはようございます。」
「おっはよ~!」
町長と馬車はまだのようで、北門に集合しているのは4人だけである。
せっかくなので、ハルトは気になっていたことを聞いてみた。
「3人は、いつごろからパーティーを組んでいるんだ?王都では結構名が通ってるんだろ?」
ため口が戻ってきたようである。
「俺たちはガキの頃からの馴染みでな。同じ村の出身で冒険に出かけたわけよ!」
「ま、そんなところだ。5年くらい前だな、村を出たのは。
・・・すまんな、こいつの答えは答えになっていない。」
「5年で有名になれるんだなぁ。みつ・・・。」
をと出そうになって必死で止めた。この世界で通じるネタではない。
「みつ?三つ子ではないよ?」
オレインが見当違いなことを言ってくるが、気にしない。
「俺が有名なのは、この大楯に『絶対防御』ってスキルをかけられるからだ!
何かあったら俺を頼れよ、絶対にケガもさせねえよ!」
「正直なところ、あたしはその大楯の守りの中で攻撃するだけよ。」
「なるほど、『絶対防御』と攻撃魔法が得意なオレインがいれば、大体の敵は狩れるってわけか。」
「そういうことだ。俺は奇襲と偵察を担当する。」
想像以上に隙がない。
(俺やることないんじゃないか?まぁ、何もないに越したことはないか・・・)
そうこうしているうちに、町長をのせた馬車がやってきた。
「みなさんお揃いですな!今日から4日間、護衛を頼んだぞ。」
恐らく笑っているのだろう、実に楽しそうな声であった。
「護衛の方は前の馬車に乗ってください。我々は後ろから参ります。」
町長を載せた馬車の御者が言った。
通常の護衛であれば、前後に護衛の馬車を付ける。しかし、3人と1人を前後に乗せるのは余りにも効率が悪い。2人ずつにパーティーを分割するのは、パーティーでのバランスの崩壊を招くため論外である。
その結果、このようになった。
こうして、町長と4人の護衛、2人の御者合わせて7人による、4日間の旅が始まった。
「護衛がおるとはいえ、何事もなければよいのう。」
ロイス町長がフラグを立てた。
いよいよ、町長とハルトが立てたフラグを回収しに行きます。