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童謡に動揺  作者: あまみ
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嫁姑問題は怖い ☆かごめかごめ☆

「かごめかごめは普通に怖いね、口減らし選びだとかイタコの儀式だとか、説がいっぱいあるけど、実際に何を思って作られた唄なんだろうねぇ……」

これは、さすがに私でも聞いたことがある。本当は怖い童謡と言えば、まっさきにあがる歌だろう。

 口減らしっていうのは、まぁ、子どもが多いから食費も大変ってことで、売る。昔は子どもが売れたのだ、いやぁ、怖い怖い、その時点でもう怖いのだが……つまるところかごめかごめと囲んでどの子を売ろうか悩んでいる状況とかいう話。

 イタコ説は、遊び自体が交霊術とかそういう儀式的な感じがするからだろう。まぁ、なんだかあの遊び自体、ちょっと怖いものがあるのは確かだ。

 ちなみに、友人の名前を全員は言えない私にとって、あのゲームは別の意味で恐怖だったが……。

「死刑囚が、いつかこの牢から出てやるーって思っていたけど、やっぱ死刑にされちゃって、切り落とされて自分の前に落ちた首が、自分の体を見て、自分のものだとは気付かない様子を歌ったとかって説もあるよね」

「もっと怖いの知ってるよ」

「なによ」

乗ってみた私に対し、どこか挑戦的なその言葉。まぁ、常に斜め上行くこいつのことだ、私ごときが勝てるわけなどない。聞けば絶対に嫌ーって気持ちになるのはわかりきっているのに、ついつい聞き返してしまう。

「鶴も亀って言えば、結婚とか出産とか関係すると思わない?」

「なんか既にやな感じね」

長寿の象徴でもある鶴と亀……たしかに、数年前に参加した、こいつの姉の出既婚パーティーでもあちこちに飾られていた。

「姑にいびり倒されてた身重の嫁さんが、階段の上から突き落とされ流産……ほぉら、後ろの正面はだぁれ? つまり、突き落としたのはだぁれ~ってね」

「……恐ろしいな、嫁姑問題」

「そもそもかごめって籠の女って書くんだって。籠って、入れ物のことで、籠女って、つまは妊娠中の女性のことって考えられない? しかも、その籠の中の鳥に、いついつ出会うって……もう、出産待ち遠しくてって感じがありありと感じられない?」

言われてみれば、お腹の子に話しかけている若夫婦の姿も想像できてしまう。そして、滑って流産して嘆く姿までセットにすると……いや、それでも恐怖はまだまだ序の口だ。

「ってか、後ろのしょうめんだぁれって振り返って、にたりと笑う姑の顔を想像すると、恐怖しかないのだけど……」

「まぁ、籠女も籠の中の鳥も、遊女っていう説もあるんだけどね」

「は? 遊女? なんで?」

幸せそうな妊婦さんと遊女、いっきに話が別の方向にずれた気がして、思わず来栖のほうをきょとんと見てしまう。

「鶴も亀もすべらせる……つまり、行為だけして妊娠させないよーっていう意味も含めて、そういう職業って感じの意味さ」

「うわぁ……」

「吉原に捕らわれた女たち、夜明けも晩も一日中男の相手をさせられて……いつかここを抜け出せるのだろうかと嘆いているうちに、もう次の相手がやってきたっていう忙しい状況をあらわしてるとかなんとか……」

ある意味、これだけ説があるということは、それだけ愛された歌だということなのだろうか。何にせよ、本当にどんな意味があったのやら……作った人に問いただしてみたいところだ。

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