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うまく転生できません  作者: 紫野 月
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プロローグ

新連載を始めます。宜しくお願いします。

このお話しは、思いついた勢いで書いております。

設定はゆるいし登場人物も深く掘り下げておりません。

舞台は絶対王政時代のヨーロッパのイメージですが、言語は現代風です。

突っ込みどころ満載の小説になると思いますが、何が来ても大丈夫。何でもOKという広いお心でお願いします。

 実は私、少しだけ前世の事を覚えているんです。

 前世の私は下級貴族や裕福層の娘にとって憧れの職場、王宮に勤めていたみたいなの。

 なぜ憧れの職場なのかって? それはね、王宮で働いていたということは『最高の花嫁修業をしてきました』と同義なの。

 その時代は… まっ、今もそうだけど結婚適齢期といわれている二十歳までに嫁ぎ、旦那様に仕えて子供を産み育てなきゃいけなかったの。

 それのどれか一つでもクリア出来なかったら…

 そう、たとえば二十歳過ぎても嫁に行ってないとか、お嫁に行っても子宝に恵まれなかったりしたら、そりゃあもう肩身の狭い思いをしなきゃならないの。一生結婚しない(出来なかったが正しい)なんて言語道断! 人生の落ちこぼれの烙印を押されちゃって、それはそれは惨めな思いをしなくちゃならないわけ。

 だからみんな死に物狂いで婚活に励むのよ。


 上位貴族のお嬢様は実家の有り余る資産で自分磨きをしていればいくらでも良縁が舞い込んでくるのでしょうが、中流以下の者達はそうはいきません。好条件の男性をゲットするために、自分のレベルをアップさせる努力を自力でしなきゃならないの。

 一番手っ取り早いのが身分の高い貴族の屋敷に奉公に出ること。そこで働いているだけで自然と礼儀作法が身に付くし、オシャレのセンスや流行にも敏感になれる。

 つまり、この国で至上の存在であられる国王陛下が住まう王宮は、まさに最高の奉公先。たとえ下働きだったとしても、王宮で働いてたってだけで箔が付くわけですよ。


 そんな素晴らしい職場に居たにもかかわらず私は落ちこぼれ人生を歩んでしまった。

 田舎の下級貴族の出だった私は、十分な持参金が用意できずお見合いの話が来なかった。それなら職場で結婚相手を探せばよかったんだけど、地味で無口で無愛想だった私は、男の人と良い雰囲気になることすら出来ず… おまけに負けん気だけは強くて変な方向に頑張ってしまい、王宮女官エリートコースに乗っかってしまったのだ。

 適齢期を過ぎても結婚もせず女官として王宮勤めをしていた私。

 王族や宮廷貴族の方々の煌びやかな恋愛模様が目の前で繰り広げられていたというのに、自分はなんとも無味乾燥な人生を送ってしまった。



 死の床に伏せた私は深く後悔し反省した。

 こうして一人淋しく死んでいく前に、一度でいいから恋をしたかった。

 出会いはそれなりにあった。心のときめきだって…

 それなのに、ほんの少しの勇気が出せなかったばかりに全てが通り過ぎて行ってしまった。

 地味な容姿と不器用な性格がたたって、次のステップに進むことなく終わってしまったアレコレ。

 あの時ああしていれば… この時こうしていれば… 今、違う人生を歩んでいただろうに。


 もし、次の人生があるのなら。

 女神様の教えのように、来世というものが本当にあるのなら、今度は恋に生きてみたい。

 それこそ全身全霊をかけた大恋愛をしてみたい。

 自分の全てをかけて一人の男性を愛するなんて、まるで以前読んだあの物語のようだ。

 あのお話しの女主人公ヒロインのようになりたいな。波打つように輝く金髪。晴れ渡る空を映す青い瞳。東洋の陶磁器のような白く艶やかな肌。

 そんな風に生まれたら自分にも自信が持てて、なにもかもうまくいくような気がする。

 ……そう、美しく うま れ れば



 そこで前世の私、リーゼの記憶は途切れている。

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