偵察開始!!だけどなんかやな予感が……
魔法師を、魔術師に変換しました。
「あ〜よく寝た。」
昨日は本当に運が良かった。野宿と覚悟していたのに、まさか屋根のある家でねられるとは…しかもご飯までもらってしまうなんて。本人たちは「これくらい当然です。」って言ってるんだが…ここまでされるとなんか罪悪感がある。今度なんかお礼しようかな?
そんなことを考えてると……
「アルタさーん、起きてますか〜?」
「はい。」
どうやら起こしに来てくれたようだ。
「ちょうど良かった。朝ごはん作っておいたのでここに置いておきますね。」
「ありがとうございます。何から何まですいません。」
まさか朝ごはんを作ってくれるとは…。
「いえいえ、ではわたしは仕事がありますので。」
と言ってエルサさんは出かけていってしまった。
肝心のアルーラちゃんはというと……
「パパー抱っこ!!」
「ホーレ、高い高い!!」
「わーい」
どうやら父親と遊んでるらしい。親子水入らずだ。マスターもにやけていて完全に親バカである。娘に彼氏なんてできたらどんな反応するか面白そうだ。
「さて、俺も出かけるかな。」
朝からいいものが見れた俺は家を出た。
ガヤガヤガヤ
相変わらず街は騒がしい。昨日より増えてないか?特賞金稼ぎが。
これを見てため息が出たのは言うまでもない。
「さてと、カルマス城にいくか。」
カルマス城、1,000年ほど前にアークティス・カルマス一世が50000人もの兵を率いて狂王ペッティク・カルサスを打ち滅ぼし、誕生した国である。この世界では珍しい議会政治となっていてる。ちなみに王都は絶対王政である。
ついでに言うとこの世界には社会主義と資本主義もある。人間の国はほとんど資本主義だが、魔国は社会主義ぎ多い。対立の原因にもなったとも言われる。
人間の国は能力があるものを上へと、魔国は平等主義であるからだ。
「ほわぁーでっかいな。」
カルマスは海洋国でもあるとともに、大陸一の貿易国であり輸出大国でもある。だから金があるのだろう。
しかも城は一般公開されており、入場料を払えばすぐに入れる。ちなみに余った空き家をホテルとして改装し、泊まることが出来るそうだ。星5つと最高クラスなため貴族や大商人などしか利用することができない。平民にはとても払えない値段なのも理由がある。
とりあえず入るか。
「すみませーん。城へ入りたいのですが?」
すると可愛らしいお姉さんがって……
「あら、アスタさんしゃないですか。」
まさかのアルーラちゃんの母親だった。
「エルサさん !?どうしてここに?」
「どうしてって、私はここで仕事をしているんです。」
「そうだったんですか…。」
確かに朝、「仕事に行ってきます。」なんて言っていたがここだとは。てっきりマスターの店へ行ったかと思った。
「アルーラの面倒は朝が旦那、夜が私になってるのよ。」
「そうですか……大変ですね。」
両親共働きとは……。
「いえいえ、残業なんてないですし、夜はゆっくりできるのでアルーラの成長を見ると疲れが飛ぶんですよ。」
アルーラちゃんは愛されてるなー。
「えっと、入場料でしたね。大人一人で1500ルソーです。アルタさんは学生ではないので大人という扱いにさせていただきます。」
どうやら学割があるらしい。
この世界には学校がある。魔法学校という名がほとんどだ。と言ってもいろんな学部があり、剣士科、魔術師科、魔法具科などがある。卒業すれば永遠に安泰できる。
昔は貴族や王族、大商人の子供しか入れなかったのだが今では平民でも優秀なら特待生として入ることができる。もちろん厳格な審査をクリアーしたらだ。
「ではこのチケットを首から下げてお入りください。番兵が確認します。」
「わかりました。」
「では、いってらっしゃい。」
そして俺は入口へと入って行った。番兵による審査もなんかく行けた。
白の中は権力を表したものでいっぱいだった。クリスタルのシャンデリアが1メートル感覚で吊るしてある。廊下は大理石、壁な金箔が貼ってある。
あたりを見回していると、何やら騒がしいところがある。ケンカか?と思ったがどうやら違うようだ。
「行ってみるか。」
そこにあったのは……
「はーい、皆さん!! これが怪盗ルーシュが狙う月の涙です!! ご鑑賞は一人五分までとさせていただきます。」
え!?月の涙だって !?
俺はすぐに飛んで行った。
「これが……月の涙……」
月の涙はブルーダイヤモンドと聞いていたが、想像以上だった。
伝説では、とある夜に若者が月を見ていたら何か降ってきたので急いで駆けつけるとものすごい光沢を放つものがあり、近づくと涙の形をしたダイヤモンドの原石があったそうだ。それが名前の由来である。隕石であるという噂があったがこれはどう見てもダイヤモンドだ。
だが俺にはもう一つ確認したいことがある。
それはここの警備システムとこの月の涙が本物であるかだ。本物は綺麗な
音に反応し赤く光るそうだ。確認したいところだが……
「おい!!ねぇーちゃん!!これは本物か?」
いかつい男が質問した。
「はい、本物ですよ?試しにこの鈴を鳴らしましょうか?」
ガイドのお姉さんが鈴をならす。
チリーンチリーン。
すると……
ピカーーーー
突然と周りが赤色になる。ここだけ夕方の様だ。
「うぉーーー!!すげーー!!」
興奮している男たち。ラッキーなことに本物のようだ。手間が省けた。
次はセキュリティーチェックだ。確認したところ少なくとも4台の熱反能監視カメラ、結界レーダーがあるようだ。
あの箱にも何か仕掛けがあることは間違いない。だがあの箱を中心になんらかの結果が貼ってある。近づこうものなら吹っ飛ばされるだろう。これは仕掛けた本人しか解けない。運が悪いことに今は数百人の魔術師がいる。一人一人当たるのは大変だ。だとすると狙い目は……
それからは、逃走ルートや侵入口を調べたりし、俺は城を出た。
作戦は今日決行する。果たしてうまくいくやら。
said 王家
「お父様、今日がその予定日でございますがどうなさいますか?」
「うむ、城に500人、場外に700人、関所に300人配置しておる。」
国王であるアークティス・サールズ・カルマス2世は厳しいながらも寛大な王であることで有名だ。民から絶大な支持を得ており、大臣たちかは「仕事してください!! 」と怒られているが王を悪く言うものはいない。
「なら、私目に月の涙の護衛をさせてください。」
この血気盛んなのはアルネス第一王女である。若い頃から剣の修行をしており、腕は超一流だ。来年は王都への留学が決まっている。
「アルネスよ……もう少しお主は王女らしき気品を持たぬか……。」
「私に淑やかさなどいりません。私はいつかこの国を治めるのです。そのためには強くならなくてはなりません。」
少しやんちゃであるが民のことを思っての行動だ。しかし……
「これでは婿を取れないのぅ〜、あー王家の危機が……」
娘の将来を心配していた。
「では、お父様。必ず怪盗ルーシュを捕まえてみせます。」
と言って出て行ってしまった。
「はぁ〜。」
王はため息をついていた。
「一層の事、ルーシュに心を盗まれてはくれないかのぅ〜。」
冗談交じりでそんなことを言っていた。
その頃、アスタは……
「ぶえくしょん!! 」
くしゃみをしていた。
「なんか噂されているようなきがするな?」
さて、城への偵察は終わりました。アスタは月の涙を盗めるのか?ついでに王女のこころを盗んじゃう?さぁーわかりません。