到着!!これで休める…よね?
ルーシュは怪盗名なので本名をのせてなかったので載せることにしました。
「着いた〜。」
あれから一週間。ついに目的地であるカルマスに到着した。ここの所は野宿ばかりだったので、ふわふわのベットで寝たい。あとは風呂に浸かりたい。飯も食いたい。
だが一番の難関がある。それは….…
「待て、止まるんだ。」
関所である。槍を持った警備兵が入り口で止めた。
「悪いんだが身分を証明するものがないと入れない。」
仕方ないので俺は身分証明書を見せた。
ちなみにおれの名前アスタ。なんで見せたかというと怪盗ルーシュは顔がばれていないからだ。こそこそして偽装するより堂々とした方がばれないし、怪しまれない。
「よし、悪かったな。通っていいぞ。」
「ありがとうございます。しかし、すごい警備ですね?」
関所などは警備兵が少なくても2人くらいだ。
だが今回は10人とかなり多い。
「はは、それもそうだ。なんせあの怪盗ルーシュが来るんだぜ?これくらいはしないとな。」
「そうなんですか……大変ですね。」
「はは、実はというと少し嬉しいんだよ。」
「なぜですか?」
「怪盗ルーシュが来るとなると街が崩壊してもおかしくないからな。だから警備兵を配置するんだが……この街は警備兵が少ないから臨時の募集をらすることがあるんだ。時給もかなりいいから。仕事がもらえて嬉しいんだよ。」
「そうですか……良かったといえばいいですかね?」
「だが今は警備兵だ 仕事をくれたにしても仕事はやるよ。おっと! 次の人が待ってるから早く行きな坊主。」
「はい。」
こうして最初の難関は突破した。
肝心の街はというと……
「はいよ!! チョルサービール4つお待ち!! 」
「ヤッホー!! 」
「カンパーイ!! 」
「マスター、こっちはアスタワインを」
「はいよ!! 」
「串焼き〜串焼きはいかがですか〜?」
祭り状態だった。恐らく観光もあるだろうが中には大剣を構えた冒険者、剣士、魔法師、賞金稼ぎなどもいる。恐らく俺を狙ってるんだろう。
しかし気になることがある。それは……
「なんで魔術師がこんなに?」
賞金稼ぎはともかく今まででこんなに魔法師がいるのは初めてだ。多くても2〜3人程度だ。
ここまで来ると何か怪しい。魔法にも警備に使える結界魔法があるが、そんなんは魔術師1人で充分出来る。
何か儀式があるのか……それともここは魔法師にとって神聖な場所なのか?
魔術師は修行の一環として各地の神聖な場所へ行き、儀式をすることがある。
と言ってもその場所のほとんどが樹林の中にある岩や泉と言ったところが多い。何にも高位の精霊が眠ってるとか、腰掛けたなど。
だがこの場所に神聖な場所なんてのは聞いたことがない。
「まぁーいいか。魔術師ごときどうにでもなるし。」
魔術師と関わるのはちょっと面倒なのでとりあえず宿を探すことにした。こんなに祭り騒ぎだから宿見つけられるからな?
なんだか嫌な予感がする。
数時間後
「なんてこった……安い宿とかほとんど満員じゃんないか。」
どこもかしこも満員だった。自分は手持ちが少ないからなるべく安いところが良かったんたが……
「いっそ贅沢するか……それとも野宿か。」
と考えていると……
「やめてください!! 」
「いいじゃないかよ?少しぐらい。」
「いや!!やめて!! 」
はぁー、まただよ。
俺が犯行予告を出すと良いこともある反面悪いこともある。俺が目当てでたくさんの賞金稼ぎや冒険者が来る。だがその反面、犯罪が多く起こる。賞金稼ぎや冒険者にも色んな人格がいる。正義感の強いものや金の亡者もいる。だから困る。
「ち、面倒だ!! 」
男がナイフを取り出し、少女を刺そうとしている。
しょうがない、助けてあげるか。
俺は転がってた石を男のナイフに投げつけた。
カン!!
みごと命中。
男は何が起こったかわからず、あたりをキョロキョロしている。
今だ!!
「ふん!! 」
バコ!!
俺は男の顔面を殴って気絶させた。
「さぁー今の内に!! 」
俺は少女の腕もつかんで逃げた。
数分後……
「ふぅー、ここまで来れば大丈夫だ。」
ここまで逃げれば流石に追ってこないだろう。
で、肝心の少女はというと。
「あの、えっと、あの……」
まだ混乱しているようだ。
「えっと……9痛いところとか無い?」
とりあえず落ち着かせよう。話しはそれからだ。
「ココアがあるけど……飲む?」
少女は厚着をしていたがさっきから寒そうにゆびをブルブル震えていたのでとりあえず飲ませようかなと思ったら。
コクコク
少女は少しだけ頷いてココアを飲んだ。
ゴクゴクゴク
美味そうに飲んでいる。恐らく喉が乾いてたのか。とりあえず落ち着いたようなので話してみることにした。
「俺の名前はアスタ。君の名前は?」
「あ、アルーラ……その……助けてくれて……ありがとう……。」
「アルーラちゃんか、良い名前だね。」
「……月の乙女って意味らしいの……。」
月の乙女か……月の涙と関係がありそうな名前だな。しかもかわいい。
「アルーラちゃんはなんであんなところにいたの?」
「お買い物してた……途中おじさんが声をかけてきて……そしたら……」
そういうことか。たっく!!なんて奴だ!!こんなかわいい子を!!
「よしよし、怖かったね。怖いおじさんは退治したから大丈夫だよ。」
「……ありがとう……。」
よしよし良い子だな。
「しかし、こんな時間にお買い物は危ないよ?親御さんが心配しちゃうよ?」
「……ごめんなさい……どうしても……。」
「どうしても?」
「……お母さんが……誕生日なの……だから……喜ばせたかったの……。」
「そうか……でも今日は遅いからおうちに帰りな。送っててあげるよ。」
「……うん!! 」
お、泣き止んだ。やっぱりかわいい子には涙は似合わない。笑顔が一番だ。
そして俺はアルーラちゃんを家まで送ってった。
「こんな時間にどこ行ってたのよ!! 」
「……ごめんなさい。」
「本当に心配したんだから!! 」
「ごめんなさい……。」
「いい?これからは夜遅くに出歩いちゃダメよ。約束出来る?」
「うん!! 」
なんとも美しい親子愛だ。すると母親は俺の方へ来て……
「本当に有難うございました。大事な1人娘なんです……本当にありがとう有難うございます…。…」
泣きながらお礼を言ってきた。
「人として当たり前の事をしただけですよ。あと、あんまりアルーラちゃんを責めないでください。良い子なのは私よりあなたの方が知ってるでしょ?」
「はい。」
「んじゃー元気で。」
その場で立ち去ろうとすると……
「あ、お待ちください。」
声をかけられた。
「何ですか?」
「あのーせめてお礼をさせてください。出来る範囲でですが……」
「それならどこか安い宿を知りませんか?ほとんど空いてなくて困ってるんです。」
地元の人なら隠れた宿なんかを知ってると思ったから聞いてみた。
「それなら家へお泊りください!!空き家がありますのでそこをお使いください!!」
「本当ですか!? ありがとうございます。」
「これぐらい当然です。」
とりあえず宿が確保できたので良かった。だが問題は……
「あのーお腹が空いてるんですけど……どこか安くて美味しいお店を知りませんか?」
さっきから腹の虫がグゥーグウーなってうるさい。
「それでしたらこの先に剛腕鉄血食道という店があるのでそこに行ってみると良いですよ。今なら空いてるはずですから。」
「ありがとうございます。剛腕鉄血食道ですね。どうも。」
剛腕鉄血食道。なんともごつい名前の店だな。でもオススメというのでとりあえず宿行ってみるか。
アルーラの母親の言った通りでかい文字で剛腕鉄血食道て書いてある店があった。
店前は普通だ。とりあえず中に入ってみるか。
カランコローン
「たのもー。」
ドアを開けて入ってみた。
「おう!!」
そこにいたのは全身が傷だらけで筋肉むきむきの大将がいた。まさに剛腕鉄血の名がふさわしい。
「ご注文は?」
って顔近いよ!! 怖い怖い!!
「えっと……とりあえずスルーシージュースとマデランマンモスの包み焼きを」
「はいよ。少し待ってな。」
マスターは厨房へと向かった。
「はぁ〜、怖かった。」
やっと解放された気分だ。とりあえず新聞でも読んでるか。
数分後……。
「はいよ。」
頼んだ料理が出てきた。
「頂きます!!」
とりあえず包み焼きのをら開けると……
「!?」
開けた瞬間全身に甘美な感覚が広がる。なんて良い匂いだ。俺は我慢できずに口に頬張る。
「ハグハグ…….美味!! 」
噛んだ瞬間に肉汁が噴水の様に湧き出てくる。そしてマンモス特有の毛深い臭いがない。
気づけば完食していた。ちなみにスルーシージュースは甘酸っぱくて濃厚だった。
その様子を見たマスターは
「まだ食べるか?」
「はい是非!! 」
この後、注文を10品ほど追加した。ついでに包み焼きも頼んだ。
「ふぅー、食った食った。」
大満足だ。
「マスターお勘定!!」
かなりの値段になってるだろうが…美味しかったのでまぁー良いか。
すると
「いや、いらねーよ?」
マスターから意外な言葉が返ってきた。
「え!?なんでですか!?こんなに美味しい物に金を払わないのは冒涜です!! 」
怪盗なのに何言ってんだ?感じだった。
「おめぇさん、アルーラを助けたそうじゃないか?」
「はい……何故それを?」
「さっき女房から聞いたんだ。娘の命の恩人になにもしねぇーのは男がすたるからよ。」
「え!?もしかしてアルーラちゃんのお父さんですか?」
「あぁ、そうだ。」
まじかよ、こんなごっついおっさんの娘さんがあんなに可愛いなんて…100%母親似てよかった。しかし、あの人にもやられたもんだぜ。まさか自分の旦那の店を紹介するとは。
「可愛い一人娘なんだ。話を聞いたときは襲った奴をねじりミンチにしてやろうかと思っが…やはりあいつの血を引くだけあるか。」
「どういうことですか?」
「いや、あいつもな昔はやんちゃでなやたら夜遅くに遊ぶから変な奴に絡まれててな。そこで俺が助けたんだよ。」
「へぇー運命の出会いって奴ですね。」
「よせ恥ずかしい。」
少し照れてる様だ。
「ていうかお前……助けたついでに可愛い可愛い俺の娘に何かしてないだろうな?」
突然顔を変えて睨んできた。すげー殺気だ。多分一般人なら気絶間違いない。
「そ、そんなわけな、ないじゃないですか。」
「なんだと!! うちの娘は可愛くないってのか!! あ ぁ !?」
言ってることがさっきとちがうよ!?可愛いのは認めるけど。
「ふん、まぁーいい。」
なんとか落ち着いてくれた。
「ところでお前は何しにここへ来たんだ?」
突如と話をして変えられたので戸惑ってしまった。
「えっと……その……」
まさか怪盗です!!なんて言えるわけないし。だから……
「旅をしています。世界を渡って本を書こうと思いまして。」
「ほぅ、若い者にしてはいい夢だ。俺はてっきり怪盗ルーシュが目当てかと思ったぞ。」
「ルーシュを知ってるんですか?」
「そりゃそうだろ。SS級の大罪人だぞ?嫌にでも耳に入ってくるのさ。昼どきの奴らはほとんどがそいつ目当てで喧嘩しやがったからな。ま、俺が仲裁しってやったけどな。」
どうやら同じ目的のやつをなるべく排除しようと企むやつがいたそうだ。
「大変でしたね。」
「ああ、おかげさまでな。」
おれはむしろ仲裁された方を心配してるんだか……
「おっと、もうこんな時間か。お前も早くか帰れよ。多分女房が布団敷いただろうしな。」
「何から何までありがとうございます。」
「これくらい当然だ。」
「はい、飯は本当に美味しかったです。今度また食べに行きますね。」
「はいよ、いつでも来い。ついでに娘にも顔を出してくれよ?」
「はい。ではさようなら。」
「おう、気をつけるんだぞ。」
こうしておれは店を出た。
「はぁー、本当に美味しかったな。」
怪盗なんかやめてこっちの道もいいかなと思うときもある。だがしかし後戻りはできない。自分が決めた道なんだ……。
そしておれはアルーラちゃんの家へ着いた。マスターが言った通り布団が敷かれていた。
真っ白でフカフカだ。
「おやすみなさい。」
おれは感謝しながら瞼を閉じた。
明日は月の涙を盗む。果たしてどうやってぬすもうやら?
said ?
「ふふ、皆さん集まり頂いて何よりです。」
男は多くの魔術師を一箇所へと集めた。目的は
「明日、王宮の周りを使い魔で巡回させるんじゃ。目的はルーシュの発見。そして……」
男が黙るとそれに従って魔術師たちも黙る。
「我らの計画の鍵である。月の涙を強奪する!!」
「「「「おお!! 」」」
「賛成するものはわれに続け!!」
「「「大司教様万斉!! 」」」
「そして、神は我らに力を与えるだろう。」
怪盗ルーシュよいくらお主といえどこれほどの魔術師を相手するのは難しかろう。
男は微かに笑ってその場から消えた。
何やら今回は波乱の予感ですね。果たして月の涙は盗めるのでしょうか?そして大司教とは?計画とは?次回、城への偵察です。果たしてどうなるか楽しみですね。ヒロインは・・・まだ出てきません!!