やばい……
「さぁ、第2ラウンドといきましょう。」
姫様が聖王剣を構えた。この構えはん
「風神乱舞!!」
先ほどと同じ技だ、これならよけれ……
ズサ!!
「……っ !?」
避けようと思った瞬間俺の左ほほに何かがかすった。確かめてみると腕に血が付いていた。もしかして……
「どう?さっきと全然速度が違うでしょ?」
間違いない。俺はこの姫さんに斬られたんだ。今俺が無事なのは手加減したからのだろう。本当なら心臓を狙えば即死だった。
「せっかくの楽しい楽しい戦いをこんなあっさり終わらせたってつまらないでしょ?」
こいつ……やはり国王の血を引いてるだけあって戦闘狂だな。
「さぁ!!二人だけで楽しみましょう!!」
シュン!!
き、消えた!?
「ここよ!!風神乱舞!!」
ズサズサズサズサ!!
「ぐぁあ !?」
俺の手と足を風が切り裂く。そして血しぶきが上がる。
「まだまだ!!風神乱舞!!」
ズサズサズサズサズサ!!
や、やばい……このままだと出血多量で死ぬ。
「ふふ、そろそろ降参したらどう?死んじゃうよ?」
く、これはピンチだ。確かにこのままだと俺は確実に死ぬ。だけど降参すれば俺の自由は失われる。
「まだです!!」
諦めてたまるか!!
「……そう、なら、楽にしてあげる。」
姫様はトドメを刺そうと剣を構える。
そして……
「風神乱舞!!」
勢いよく迫ってくる。
肝心な俺はというとなにも動けなかった。そして過去の歴史が見えてきた。
そうか、これが走馬灯か。人が死ぬ際に見れるとか言うのだ。俺は、死ぬのか。
淡々と姫様は迫って来る。
ああ、早く俺を楽にしてくれあそこに転がってる戦士の様に……
そして、俺は1人の剣士を見た。まだ20代後半だろう。タンカーで運ばれているが意識はある様だ。
確か、あいつは国王に吹っ飛ばされて姫様の風神乱舞を受けずに済んでいたな。
運がいいなと思っていると……
そういえば……国王と姫様は共に戦っていたが……姫様は自分の目の前の相手を倒し、国王は娘を守る様に戦っていた。
ん?守るように戦って……
ある考えが俺の脳内を横切る。
もしかして……
考えてる暇は無い!!取り敢えずやってやる。
俺は……
「ふん!!」
地面を思っいきり蹴って跳んだ!!足が切られているため、飛んだ瞬間に血が吹き出た。でも今はそんなの関係ない!!
俺の思い通りなら……
ズサズサズサズサ!!
「避けた!?」
姫様は凄く驚いた様だ。
「やはりそうか!!風神乱舞の弱点!!」
風神乱舞は敵を一瞬で貫く最強の技だ。だがそれゆえ弱点がある。
それは目の前の敵を指すことに特化しているため自分の見える範囲以外の敵に当てることができない。攻撃範囲はかなり広いはずだが、神器によるパワーアップにより、範囲を狭めるほかなかった様だ。
あと、一度放つと止まらないこともこれでわかった。
「今だ!!」
俺は落下によりスピードを上げ姫様へと突っ込んでいく。
ブオン!!
勢いよく拳が振り下ろす。拳は姫様の目の前へ……
「きゃ!!」
等の姫様は目をつぶてしまった。
だけど俺は……
ピチーン!!
「い、痛い!!」
デコピンをしてやった。
「な、なんのつもりよ!?」
姫様は凄ーく怒っている。
「女を殴ることはできません。これで降参してくれますか?」
「は!?ふざけてんの!?こんな負け方…」
姫様が文句を言おうとしたその時……
「いい加減にせぬか!!」
国王が娘に向かって怒鳴りつけた。すげー声だな。
「お父様!?なぜですか!?まだ勝負は…」
「黙りなさい!!今のが実戦だったらお主はとっくしあの世行きじゃ!!それに…」
国王は何か悟った感じで……
「もう、神器を使う体力がゼロのはずじゃ。立ってるだけでも精一杯なんじゃろ?」
「……はい。」
すると姫様は倒れ込んでしまった。それを国王が優しく抱きかかえる。それと同時に神器も消えた。
「お主はまだ若い。そして、いつかこの国を背負はなければならない。そのためにも今回の経験を生かして、修行に励むが良い。」
「はい……お父様。」
国王は娘を連れて会場へ出て行ってしまった。
「わしは、棄権する!!このブロックの勝者はアスタじゃ!!」
あたりは一種静寂に包まれ…
「しょ、勝者はこの大会のダークホース!!アスタ選手だ!!」
ワーーー!!
会場が凄く騒がしい。
そうか、俺……勝ったんだな。
ドサ!!
俺は倒れてしまった。血が出すぎたようだ。
さすがにこれはやばいと思ったのか
「救護班!!急いでアスタ選手を救護室へ!!」
タンカーに運ばれてどこかへつれてかれる。
決勝戦は明日。それまでゆっくり休もう……。
なんとか勝てましたね。次回はちょっとした冒険編です。果たしてどうなるやら?お楽しみに!!