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雨のち自殺

まともに文章を書けない未熟者ですが頑張りたいです

遠賀浜岡町と呼ばれるこの街のとある寂れた商店街の一角に、オンボロアパートがある。

6畳の部屋に加えて、キッチンとトイレとバスルーム付きで月に3万円という価格。

このオンボロアパートの203号室に住む一人の独身男性は、今まさに人生最大の行事と思われる準備に取り掛かろうとしていた。

準備の手始めとして彼は、部屋の隅の方から小汚い自室の全体を見渡すと、うーんと唸りながら腕を組み、首を傾げた。

「椅子を置くとしたらやっぱりこのあたりかなぁ・・・」

と彼は呟きながら、椅子を部屋の中央のあたりに置く。

この発言だけ聞けば、模様替えでもするのだろうか。と考えるのが普通だろう。しかし、人生最大の行事が模様替えのはずがない。

次に彼は、床に落ちている頑丈そうなロープを拾い上げると、先程置いた椅子の上に乗り、そのロープを天井にくくりつけ始めた。

ここまでくれば、明らかに模様替えではないことに気づくだろう。さらに、勘のいい人はすでに彼がしようとしていることがわかるかもしれない。

彼はロープを天井にしっかりと結ぶと、ロープのもう片方の端の方に輪っかを作り上げる。

これで決定的だろう。そう、彼は自殺をしようとしているのだ。正確に言えば首吊り自殺。

自分で作った輪っかに手をかけた彼は、ゴクリと息を呑む。そして輪っかと数分間のにらめっこが始まった。しーんと静まり返る部屋。音といえばキッチンの方から聞こえる蛇口の水がシンクに落ちる音と、外で降り続けている雨音くらいである。

トン、トンと蛇口から滴る水が一定のリズムを刻む。部屋の真ん中で行われているにらめっこ対決さえなければ本を読むのに最適な空間と言えるだろう。

その膠着状態からさらに数分が経つと、この第一回にらめっこ対決の決着が付いた。最初に目をそらしたのは独身男性。彼はふっーと息を吐き出すと、にらめっこの間ずっと緊張していたようで顔にどっと疲れがでていた。

「このにらめっこはお前に勝ちを譲ってやろう。」

と彼はロープに言い放って椅子から降りようとした時、彼のズボンのポケットにしまわれていた携帯がブルっと振動する。

すると、先ほどの緊張感がまだ抜けきってなかったのか、そんな些細な振動に彼は敏感に反応してしまった。驚いてすくんでいた足がぐらつく。不幸なことに彼の乗っていた椅子は年季がはいっていて、はっきり言ってしまえばボロかったのだ。すくんだ足でどうにかバランスを取ろうとして、彼の体重が椅子の端の方に掛かったその瞬間。

バキッと何かが折れる音と同時に、足を亡くした椅子は転倒した。

そして彼も転倒した椅子のように床に転げ落ちる、はずだった。

しかし、彼の足は床についていない。彼は宙に浮いていた。いや、正しくは浮かされていた。

彼は椅子から転げ落ちる際に、ロープの輪っかの中に首が入ってしまったのだ。

彼は首をきつく絞め上げるロープを、苦しみながらも両手で解こうとするが、体重によって絞められたロープは彼を放そうとはしない。少しでも息ができるようにと、首とロープの間に指を入れようとするが、恐怖のあまりか指に力がはいらない。そんなことはお構いなしに彼の首を締め上げていくロープ。

苦しみながらだんだんと意識が遠ざかっていく。

いやだ。死にたくない。彼は心の中でそう叫ぶと、目をつぶってがむしゃらに体を振った。

きっと無意味だと分かっていても彼は振ってふって振りまくった。

バキッ。

数分前と同じような音がすると、彼は体にドシンと衝撃を受ける。

「はぁ、はぁ、息が.....できる」

彼は必死に呼吸をした後に、一体何が起きたのかと思い、瞑っていた目を恐る恐る開ける。すると、そこには見慣れた天井が広がっていた。しかし、見慣れた天井に一部見慣れない場所があった。天井の一部が壊れている。

息をしたことによって脳に十分な酸素が送られたおかげか、だんだんと平常心を取り戻し、なにが起きたのかを理解した。

ロープをくくりつけていた天井の一部が、彼の体重を支えきれなくなって壊れたのだ。

不幸なことにボロい椅子の足が折れて死にかけて、幸運なことにボロい天井が壊れて助かった。

そう考えると、このあとすぐに彼が発した「ボロくて助かったぁ・・・」というつぶやきに対して、それはどうなんだろうと思ってしまう。

「いや・・・ほんとに死ぬかと思った・・・」

ゆっくりと息を整えた彼は首に締まっているロープを解くと、放心状態に陥っていた。

それもそのはずだ。彼は今さっき死にかけたのだ。確かに彼は自殺をしようとはしていたが、死というものを直前にすれば恐れない人などいるはずがない。この放心状態はきっと自分がしようとしていた過ちに気づいて深く考えているのだろう。

すると、放心状態から目覚めた彼は、なにかを決心したようで勢いよく立ち上がってこう言った。

「やっぱ首吊りはだめだな!苦しいし!今度は楽に死ねる方法を考えとかないとな!」

..........。彼は超ポジティブシンキングだった。

「あ、そうだ。そういやさっきのメールのせいで死にかけたんだったな。まったくこんなときにメールなんてしてきやがって。しょーもないメールだったら容赦しないぜ。」

彼はそう言ってポケットから携帯電話を取り出してメールを確認し始める。差出人はどうやら友達らしい。ちなみに内容はこのようになっている。

『お前がこの間電話で自殺してやるって言ってたから心配でメールしてみたわ。お前が死ぬのは別に構わないんだけどさ、首吊りはやめたほうがいいよ?なんか死んだあと尿とかがだだ漏れで超汚ねーらしい。てか、そんなことより最近雨やばくない?』

「それをもっと早く言えよ!汚い死体を晒すとこだったじゃねーか!」

そう言って携帯を床に叩きつける。今の文面のどこに彼の身を心配するような部分があったのか疑問に残るが、それよりも友人関係が不安である。

ちなみにメールはそれだけではなく、文面はその後も続いていた。彼はメールの続きを読んでいくと、ある文面に眼が止まり、

「これだ!」

と大きな声をあげた。

彼の目にとまったその文面にはこう書かれている。

「自殺するなら、安楽死剤とかどう?」

友人もまた、ポジティブであった。






話はまとまっているのですが、それを文章にするのが難しい・・w

一話を書いてるときやけに首のあたりがくるしかったのは気のせいかな?

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