話が違いますけど?
「魔法が使えない?」
僕は信じられなかった。
魔力量が多いなら魔法使い放題なんじゃないのか。
メリーダは落ち着いた口調で話す。
「魔法は適性がないと使えません。
例えば火の適性がないと火の魔法は使えないのです。
そして桃太郎様は基本属性の全てに適性がないのです」
ただ魔力量が多いだけでそれを何にも使えず、現時点では近衛兵より弱いだけってことがわかり僕は絶望した。
この状態から鬼族と戦う?世界を救う?ちゃんちゃらおかしい。
まるで悪夢でも見ているみたいだ。今すぐ女神に文句を言いたい。
なぜ、僕を選んだのかと・・・。
「ただ唯一光の適性はあります」
「!」
僕の心にも光が差した。
「光だとどんな魔法が使えるんですか?」
「それは・・・正直わかりません。
歴史上、光魔法が使える人間は記録上いたことがないのです。
また獣人でも使っているのは聞いたことがありません」
つまり何ができるかわからないってことは、何もできないと同じでは?
「でも先代の桃太郎様も魔法を使えないと記録にはありましたので心配しないでください」
メリーダは気を使ってくれているようだった。
ありがたいことだが、今の僕には余計に辛かった。
もう何も考えたくなくて寝ることにした。
早く村に到着してくれないかな・・・。
出発してから14日後、ついに犬族の村に着いた。
運転手にお礼を言って村に近づく。
「やっと着きましたね。
これから犬族の族長に会います。
その方が前回の桃太郎様の仲間になられたので今回もお願いしてみようと思います」
「でもほんとに仲間になってくれますかね」
僕はまた不安になり尋ねる。
「また鬼を倒しに行くのです。
それに桃太郎様とまた一緒に戦えるなんて断る理由がありませんよ」
メリーダは自信満々に答え、村に近づいていく。
なんの迷いもない姿に僕は安心してついていく。
なんて頼りになる人なんだ。
一人ではここまでたどり着けない可能性すらあったし、ましてや仲間になってもらう交渉なんてできなかった。
ありがとう、メリーダ。
きみはとても頼りになる人だ、メリーダ。
心の中で最大限の感謝をする。
―「断る」
犬族の族長ははっきりと言った
メリーダさん、話が違いますけど?
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