悲報②
どれくらいの月日がたっただろうか。
僕の腰は限界に近かった。
「あのー今日で何日経ちました?」
メリーダはため息をついた。
「またですか・・・まだ7日しか経っていませんよ?
それに昨日も聞いてきましたよね」
確かに昨日も聞いたけど、もしかしたら、いや何かの間違いで今日着くとか奇跡があるかもしれない・・・。
まぁ定期便が馬車の時点でそんなことは起きないと思ってはいたけど。
もっと魔法の絨毯とか、空飛ぶ車みたいなの期待していたのに・・・。
暇だ・・・スマホも無く、音楽も聴けず、ただ代わり映えしない風景だけしかない。
現代っ子には非常に辛い時間だ。
僕はぼんやりとしていたが、そんな時ふと疑問に思った。
「そういえばメリーダさんはなんで一緒についてきてくれたんですか?」
「それは話すと長くなります」
ならいいですと喉まで出かかるがその言葉を飲み込む。
「私の家系は代々鑑定士の能力を持っているのですが、100年程前まではいらない能力と不遇な扱いをされていました」
「でも、ほかの人の能力が見られるから便利だと思いますけど」
「この世界では誰もが自分の能力は見られるのですよ。
ですから、わざわざ鑑定士が見る必要がなかったのです。
しかし100年前、先代の桃太郎様がこの世界に来た時、別の世界から来たせいでご自身の能力がわからなかった。
だから、その時鑑定士である私のご先祖様が桃太郎様を鑑定しました。
そして、鑑定士という能力がいろいろな事に役立てると桃太郎様が気づいて下さいまして、今の地位にいることが出来るのです。
ですから、いつかまたこの世界に桃太郎様が来た暁には、その旅に同行しお役に立つよう我が家には言い伝えられています。
ですので、私がこの光栄な役目につけることを誇りに思います」
メリーダは誇らしげな顔で話している。
・・・それ先代の桃太郎の時の話だよね?僕何もしてないから困るんだけど。
プレッシャーばかりかけてくるよ、この人。
僕はあともう一つ大事なことを聞くのを忘れていたことを思い出す。
「あのーあと城で僕のステータスが低いと言っていましたがほんとに低いんですか?」
「えぇ低いです」
メリーダは断言する。
桃太郎を尊敬しているなら、もっとオブラートに包むとか何かしてほしい。
「どの程度?」
「近衛兵よりすこし弱いくらいでしょうか」
それなら近衛兵が鬼倒してよと思った。
「先代の桃太郎様も鑑定時には低かったと記録があります」
「そうなんですか!」
「えぇ、それでも鬼と戦ったのですから旅の間で能力が上がったのだと思います。
ですので、桃太郎様も強くなれると思います。
それに桃太郎様は魔力量が信じられないくらい多いです」
「魔力量?それはどれくらい?」
「通常、人より獣人の方が魔力量は多いです。その上で確かなことは言えませんが、普通の獣人の100倍くらいでしょうか」
100倍!?それはチートと呼べるでしょ。ついに始まるかチート異世界生活が。
「ただ・・・」
メリーダは言いづらそうにした。
知っている。この感じ知っているぞ。
僕の嫌な予感は当たった。
「桃太郎様は魔法が使えません」
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