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Remember M  作者: soto


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10/21

犬 ローヤル・マリクタイ

村に到着して族長の家に向かう。

門番にメリーダが話しかける。

顔見知りなのかすんなり中に通された。


部屋の中は質素だが、それなりに広く過ごしやすそうだ。

少し待つと族長が入ってきた。


「メリーダ久しぶりだな、元気だったか?」

あまりに大きな声でびっくりしたが、誰も気にしていないので普段からこうなのだろう。

そして族長が女性であることにもびっくりした。

「お久しぶりです。私は元気ですよ。

あなたも元気そうで何よりです」

「俺はいつでも元気だ。毎日鍛錬しているからな。

 毎日強くなっているぞ。きっと明日はさらに100倍は強くなっているだろうな」

この人は絶対脳筋タイプだと確信した。

なにを言っているかよくわからなかったがとりあえず強いのだろう。

戦いにおいては安心だ。

「で、わざわざメリーダが来てなんの用だ?

 隣にいる人間が関係しているのだろう?」

族長は僕を見る。

その眼光の鋭さに思わず目を背ける。

「はい。こちらにいらっしゃるのが桃太郎様です。

 鬼族を倒すためにこの世界に来てくださいました。

 今回も桃太郎様とご一緒に戦ってはくれませんか?」

族長はメリーダを見て一言。

「断る」

予想外の返事にメリーダが焦る。

「どうしてですか?鬼族を倒さなくてはいけないのに」

「まぁ落ち着け。別に鬼族と戦わないとは言ってない。

 しかし、そこの小僧と一緒には無理な話だ。弱くて話にならない。

 戦うにしてもほかの部族を集めてそいつらと戦うさ」

ごもっともです。突然現れたこんな奴と仲間になって命をかけて戦うなんてありえないでしょ。それに弱いのも当たっているし。


メリーダはすこし怒っている。

「どうしてですか?この方は桃太郎様ですよ」

メリーダ、僕の為に怒ってくれるのはとても嬉しい。

けど僕が弱いのがいけないんだ・・・。

「私の鑑定でも桃太郎様と出ています。

 私の鑑定能力が信じられないのですか?」

あれ?メリーダさん?僕の為に怒ってくれたんじゃないの?

自分の鑑定能力疑われたから怒ってない?

「お前の鑑定能力を疑っているわけではない。

 さっき言ったろ?弱すぎると」

「ですが、以前の桃太郎様も最初はあまり強くなかったと記録にあります」

「あぁそうだな。だから俺が鍛えたんだ。

 鬼族とも戦えるくらいにな」

「なら今回も鍛えてくださればいいのでは?」

「・・・」

族長は返事をしなかった。

その間、僕の方を見ていた。いや睨んでいたの間違いか?

「お前こっちに来てくれないか」

突然そう言われ驚いたが、断ることもできないので恐る恐る近づく。

「後ろを向いてくれ」

注文が多いなと思うが素直に従う。しかし、突然襲われたりしないか不安だった。

族長は背中に顔を近づけ深呼吸をした。

その時僕はこの世界に来てからお風呂に入ってないことに気づいた。

おそらくこの人は犬族だから嗅覚が鋭いはず。そんな人に僕の体臭を嗅がれるなんて・・・。

恥ずかしさと申し訳なさで一杯になった。

「はー。なるほど」

「す、すみません。とても臭いですよね?

 実はこの世界に来てからお風呂に入ってなくて・・・」

族長は一瞬キョトンとしたが、すぐに何のことか理解したようだ。

「まぁ確かに臭いな。

だがそんなこと気にしなくていい。

 それより・・・」

真剣な表情の族長はメリーダの方を向く。

「俺がこのまま断ったらどうするつもりだ?」

「その場合は他の方々に会いに行きます」

「他のやつも断ったら?」

「誰か仲間になってくれる人を必ず探します」

「つまりこの人間が鬼を倒すために旅に出るのは決まっているんだな?」

「はい、決まっています」

いや、決まってないです。メリーダさん勢いで勝手に決めないで・・・。

以前の仲間に断られたらもうやめよう。全部任せよう。と言いたいがそんなこと言える雰囲気ではない。

「わかった。一緒に行こう」

「えっほんとですか?ありがとうございます!

 桃太郎さんよかったですね」

なんで?急にどうして?さっきまで断っていたのに。

僕は茫然とした。もし仲間になってもらえなかったら鬼と戦わずにすんだかもしれないのに・・・。

「でも急にどうしてですか?」

「まぁ事情が変わったんだ」

族長は目を細めた。

その言葉の意味がわからずメリーダは不思議そうな顔をしていた。

「とりあえず今後のことを話そうか。

 と、その前に俺の名前がまだだったな。

 ローヤルだ。よろしく」

「はい、よろしくお願いします」

握手をした族長は心なしか笑っているように見えた。

最後までお読みいただきありがとうございます。


コメントやブックマークをしていただけると嬉しいです。


何卒、宜しくお願いします!

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