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日本の定理・上巻  作者: 泉川復跡
【『樹海の近道』編】第九章。三つのパズル
26/33

9.2. 挑戦のもの、返事のもの、交差のもの

「僕とキョサッチちゃんが今日の割り当てを終えたんだ。どうせ『あおゆみ』店が来週の水曜日まで閉業されるので、雅實ちゃんが一層の包帯を脱げるまでここで一緒に住もうとする」とお父様が言った、私達渡邊家の家が復旧中の事情に対応する為。『あおゆみ』飲食店は元の構造をほぼ守り切った。この小田原の一番有名な飲食店を失ったら事変後の小田原の精神を上げづらくなった。閉業とお父様のお店が確認しても、実際に『戦時状態』にしか戻らなかった。火花が爆撃しなかった家庭と一緒に、被害の家庭、病院と町の行政機関に食品を提供することだったよ。

「俺もこの病院に泊まる。いや、『花火團』の全員も」、純彦君もこの病院に住みたいと表現した。

「僕達なら決まってるだろ、実習中のお医者さんだから。最低でもここで二ヶ月ぐらい宿直するんだ」と言った澁薙君。

「あたしは自家のケミカルを全部学校へ運んで貰うたけど、火曜日に理事長に治療の薬の出来る数杯のケミカルをここに連れて行かして頂いたさかい、薬の作りにあたしもここにおかんと泊まる」

「助かるよ、鎮痛薬と殺菌薬と解熱剤が少ないので。チサトちゃんが僕達と治療をすれば皆を早く退院させる」と言った降恆ちゃん。

「皆はお前が担った花火大会に凄い印象を焼き付けたんだ。今回も任せるぞ、智埼君」と託した純彦君。

「俺もそう思うんだ。渡邊師匠と戦時の労働の雰囲気で働いてみたいからさ」と言った笠人君、右の肩関節が固定されたまま。

「片手で?その姿で料理を?」と驚いて返した降恆ちゃん。

「問題がないしな。自ら新たな課題をやっていきたい訳」

「君野菜とか肉とか魚を切ったらちゃんと肘で掴んでよ。特に葱のもの、顎で掴んで号泣しちまいたくないでしょう」と私が手書きで冗談を言った。

「じゃあ俺涙を食べ物に溢して塩っぱさを濃くしてやる」

「怖ーいな、リュー君。この病院に腎症を患わせちゃったら?」

「それともここを難民園にしたら?」と純彦君が追加し『花火團』を爆笑させた。正しいじゃないか、ここが難民園も同然で。難民園というと地主を取るのは食品提供者でしょう。酷いと言われながらも難民が本人の志ではなく他人の志通り食べさせられるという現実はある。それで、美味しいか不味いか食べる人の食欲のせいじゃなく、料理人の腕次第だね。ということで、笠人君は病院の給食を作り、たった一つの番重で数百人の別々な食欲を満たす為どうするかを挑みに初めて参加した。

「さてと、もう直ぐ黄昏になるので、病院の食堂へ行こう、笠人君。『あおゆみ』の作業員なんて遅くなったら許さんぜ」

「了解しました、ボナパルトカイザー」と笠人君が返事をし、姿勢を構えて病室を出ようとした。

「ほら、ボナパルトカイザーと呼ぶな」とお父様が笠人君の呼ぶ別称に反駁したが、内心であの帝王らしい別称を凄く気に入ったよ。

「リュー君、君の手気を付けな」と注意した澁薙君。そして彼が二人の女子に仕事を割り当てた。「チサトちゃん、君も準備しといて下さいね。ツネちゃん、まっちゃんの看護はまた宜しくね」

「うん。あんたも医者おじさん達と付き添って他のお患者さんの面倒お願いね。今夜もマサちゃんの口を動かしてあげないとだから」

「あたくしも雅實ちゃんのお世話お願いします。『あおゆみ』の成員なので仕事を逃しては駄目なのです」

「はい、宜しく任せます。昼ご飯に挽肉のお粥をマサちゃんに飼ってあげました。痛くが減って食べられるには、マサちゃんがモルヒネを注射して貰ったしかないし、お粥をすっきりと吸いきれたのです。夜ご飯も頼みますね、清三茅おばさん」と降恆ちゃんが言って、扉を開けている笠人君に向かった智埼ちゃんにもう一つを求めた。「チサトちゃん、出来るだけ早い時に漢方薬を作ったら素敵だよ。モルヒネも中毒性だから」

「分かった。モルヒネを毎日毎日使ったらようないし」

 こうして、この病室をお父様とお母様が笠人君、澁薙君と智埼ちゃんと付き添って貰って出ていった。治療中の私、看護中の降恆ちゃんと相棒の純彦君だけが、この病床の周りにいた。やれやれ、これから苦労な治療の期間がまだ始まっているのよ。明日の昼間からは小田原の記者も遠くからの記者も『花火團』と日向町長達と緒方さん達を面倒臭く問い込んでこの病院を魚市場にしちまい、特に私と純彦君を全ての新聞の第一頁に乗せるのみ争い合うかもしれないと思っていた。そうしなければ駄目でしょう。あの事変の元々凄い影響をどれ以上も拡大しないと、日比谷事変を起こした人間達に罪をもっと酷くする理由を挙げる為に。

「降恆ちゃん、私の懐中時計を返して」と私が書いた。

「あっそうだね。忘れちゃった」、降恆ちゃんが白衣の左のポケットから既に端で燃えた私の懐中時計を返した。「たった今は午後4時38分。グリニッジで買ったそうだね、三年前の旅行で。さすがイギリスの物、いくら外の破壊力を受けても時間を正しく差す」

「しかもグリニッジは本初子午線が渡るから、あの町で生まれた時計は一番正確なもんだ」と言った純彦君。

「まだだよ。それは世界のたった一つのそのような懐中時計だかもしれないの。懐中時計を開けたとは直ぐにダイヤルが見えたけど、もう一層の金属が勝手に追加されたの。何の為かも分かるでしょ」

「『何の大会に入っても緊張感を超えますように』といつも祈ってるだろ、雅實君」、純彦君が私の大会前の祈願を私の声の真似で言った。「まっ、そのお守りには不思議なパズルピースがあったなんてお前さえも思わなかったろ」

 私が頷きそう書くしかなかった。「私も松澤先生みたいなあの種族が存在したことあると想像出来なかったよ、この地球で」

「パズルピースを作ったのは何かの目的を持つようだね」

「でもね、四日間経ったけど、何故そのパズルピースが声を出してないのか。もしかしてエネルギーみたいな物が尽きた?」

「エネルギーを自動的に再造するかなと思ってんの、彼らの超越な技術の程度の割だから」

 パズルピースにおける話を続ける途中で、誰かがこの病室の扉を開けてこっちに向かって入ってきた。他にならぬ松澤先生だった、外の羽織と内の普通な洋服の姿で。

「あらっ、どなたが来たと思ってんか?」と弄りっぽく問い掛けた純彦君。「雅實君の不思議な数学教師」

「森坂先生を連れて来ずに一人っきりで来たなんて理由があるでしょ」と松澤先生が返したら、シャツのポケットから何かを出した。「ほら、渡邊君、電話を修理し立てだ」

「やっと修理しましたね、先生。マサちゃんの袴から水溜りに落ちたその電話を笠人君が拾って先生に渡したそうでしょう」

「うん。血を混ぜた水に濡れたから、より長い時間掛かって修理出来たんだ」と言った松澤先生。修理したばかりの私の電話を確かめに純彦君に掛けてみた。やはり彼の電話が鳴ったのさ。

「先生、何かの思い出を伝えさせて貰います。あの剣闘で倒れちまったのちに、敵の将軍に結了の一切りをされようとした途中で、このパズルピースが緑の灯りを照らして何処から亡霊の将軍が突撃して命を救って下さいました。爆弾の警報をする時は青の灯りで私達と初めて話し掛けたけど、あの瞬間は色が取り替えられたのです」

「縦書きでそんなに長く書いたのね。私が受け継いだ人間前の種族というとは、そのパズルピースは多機能の設備だと考えたら変なんてないしね。別々の機能を持ち手に無言で知らせるには色を用いる、軍事の信号発生と同じ。人間に対しては赤・青・緑という三色に一番敏感になるという訳で、一番基本的な機能をその三色で知らせることを決める。あの科学者の団体の規約によると、青は限定の範囲以内の危険の警報、緑は実地への幻想的現象の投影、赤は本パズルピースの作り手の実写的再生を担当するんだ」

「だから緑の灯りが出来てから将軍の現象見られた、雅實君が」

「但し、そもそも制約に仕組むんだよ。私達の種族と君達人間には危険に怖がる本能はあることをもとに、人間の注目を浴びる一番簡単なのは彼らに近付く中の危険を警報するしかない訳だ」

 私が書き続けた。「てことは、あの爆弾の事件はなければパズルピースが青く光ってなかったということですか?」

「その通り。青は全てのパズルピースに一番優先的な色と仕組まれた。青が光ってからでないと次々の色が光れないという規約だ」

「でもどうして青を選んだのですか?危険の警報なら最も目立つ赤なんじゃないでしょうか」と質問した降恆ちゃん。

「貴方達人間に対しては赤に決まってるけれども、人間と何処かで違う種族である私達に対しては青は目が一番敏感になるものだ。君達はメタンという物を知ってるところではメタンのあるガスが焼けたら青の炎が見られるとも知ってるのでしょうね。メタンを使って料理を作る松兼君ならあの青い炎を常に見てるそうだよ。青の炎は赤の炎より暑くて強いものだ」

 降恆ちゃんが少しびっくりした。「えっ、どうしてですか?」

「私これから解説してあげたら、この時代の知識を持ってる君達はさっぱり分からないんだ、私の解説は今の時人間に証明出来てないはずだから」と松澤先生が返したら、パズルピースが赤く光った。多分パズルピースの中の博士、というより遥かの過去で生きたパズルピースの作り手も出てきたがったね。赤の灯りが一分後消えちまい、私達の話し合いを中断することになった。そして、外から入ってきたのは一人の男が黒い浴衣と下げ髪の姿でいた。間違いなく、彼の方はあの謎の博士で、松澤先生と同じく現代人の姿にした。

 純彦君が言った。「怪しそうな格好を付けてるんですね、博士」

 博士が私の病床に触ってから言い出した。「パズルピースが遂に赤く光り次第、なるべく最も普通に登場しないといけません・・・しかもここは一人の病室ではありませんので、もうちょっと私事を守るべき雰囲気に変更してみましょう」

 博士がそう言った直後、羽織から専用の保護眼鏡を掛け、掌ぐらいの四角くて平らな設備を出した。別々の病床が私事を守るカーテンに設置されていないし、周りの患者が好奇で気付かないように、純彦君の横に座ってから他の患者に背を向けその設備を用いられたよ。それを起動したら、松澤先生の計算機と同じ仕組みを実現した。博士が半球体の盾のような表徴を選んだら、設備の画面がその表徴の応じるプログラムを実行して変わった。もしかして博士が自分の現在いる場所の情報をそのプログラムに入力し、始動を確認した時、何かが変化を晒しちまった。半球体のような灰色の物が博士の少し後ろの床から上がり、降恆ちゃんの後ろの床に届く前に、ゆっくりと病床を掛け込み、壁をさえ壊さずに通り抜けていた。30秒後、その半球体の盾が雲のように消えていった。

「えっ、何ですか、さっきの半球体は?」と感嘆した降恆ちゃん。

「先ほど貴方達の集まってる病床を私事の帯域に入れたばかりなのです。消えたと見えてるけれど、この盾がまだ触れますよ」と博士が言ったら、透明になった盾に触って見せた。

「でも外の人がなんと気付けてしまうかもしれません、特にその盾の形成のことを。しかも盾が出来たとこの所も消えるのでしょう」

「それは心配してはありませんよ、絲島さん。このプログラムには外のお患者さんに私達が普通にお見舞いをしてるという幻影を作って貰ったんです。始動のボタンを押し次第これがそう実行してました」と博士が説明した。この透明な半球体から外を見たら、あちこちの患者と彼らの身内が呆然の表情を一斉晒さなかったのが証拠。

「わー、凄えじゃん。まるで別の空間で離れたんですという」

「でも博士、もし私の友達とかご両親がここに戻ってきたら?それとも誰かがここに話し掛けたら?」

「だとしたらこの半球体を一旦消したり、ないしは別の空間にいる私達の『実の空間にいる自分達』を部外者と社交させたりすれば問題が解けるんじゃないのですね」

 降恆ちゃんが曖昧に感じた。「どういう意味ですか、博士?」

「私達には忍者みたいに分身の術をやらせて分身済みの身体が代理で外の人と話し始めるということですよね」と私が書いた。

「その通りです。このプログラムの上級の機能として、本人が係る背景を読んで次の背景を推定して、本人が直接に出てこない場合、本人の『分身体』が88%ぐらいの成功率を達して任せられるという仕組みです。私達の当時の文明ではこのような機能が厳禁とされるものでした、人権侵害故に」

「なるほどね。他人にことを世話になって貰えば自分が利用されてしまう可能だろう。ただこの場合の他人は本人の複製版だし」

「だからこれを使うのは私達との極秘な話し合いでしかない」

「私達の正体について貴方達を信用してますから。それじゃあ、正体を見せる前に、小さな課題をさせて貰いたいと思います。渡邊さん、貴方が夏祭りの最後の夜にとても貴重なご意見を出してくれました。まだ覚えるんですね?」

「はい、『返事のパズルピース』と提案するご意見です。博士と別れる前に、博士が松澤先生に私とそれを作りに協力すると求めたのですから」

「そういうことです。但し、貴方達は私達の後任者の種族に値するかを評価する為、少し難易度を高めてみたら良いと思ってます、この課題を。貴方達は自分で『返事のパズルピース』を作ろうとします。一方、松澤先生はもう一枚のパズルピースをも作ることに」

「てことは、もう二枚のパズルピースを作らなければならないんですかね、博士。だがどうして?」と聞いた純彦君。

「最初から、私達の団体も『挑戦のパズルピース』と『返事のパズルピース』で人類を評価しようと賛成しました、渡邊さんのご意見通り。夏祭りの経過を目撃するまでのこと。夏休みを無にしない決意、夏祭りの思い付きを叶えようとする勇気、資金を集めて夏祭りの建設に仲間との素晴らしい団結を持って、貴方達の夏祭りが成功になったと目撃した時、貴方達が後任者の種族の候補者だと思ってます。9月10日の事変に、貴方達がどう取り組んだのかを観察した時、もう一つの会議を開くしかありませんでした」

「四日間博士話してなかった理由ですね」と言った降恆ちゃん。

「うん。四日間欠席してしまってすみませんでした。特には山口さん、昏睡中の渡邊さんの代理でパズルピースの持ち主」

「博士、どうして夏祭り後じゃなくあの事変後、私達の評価の仕方を変更したのですか?」と私が質問した。

「あの事変はとにかく貴方達の夏祭りの最大の結果なんじゃありませんか。自分達の大事な催しから多い利益を得たのは期待出来ることですけど、過激派があの夜攻撃したのは全然想像以上だし、彼らにおける貴方達の観点を全く変えたし、しかも当地の住民に不思議な勢力の恐怖を濃くさせたことでしょう」

「確かに、あの夜は二類の人間の勝負。こっちの天才も、あっちの天才も、どうか誰の部外者でも殺さずに作戦を交代して披露してたんです。16歳なのに君達があんなに対応出来て素晴らしかった。三時間未満手慣れた全然見たことない設備をあんなに使った人は珍しいよ」と言った松澤先生。

「では始めましょうか?もう二つのパズルを作って三つのパズルで完成させることにしましょう」

「博士、『ピース』を略にしましたよ」、降恆ちゃんが気付いた。

「パズルピースを作るにはパズルと付き添わないと面白くないんです。『ピース』を消したら『パズル』、人の思考を試すゲームを指す『リドル』と同じ英語の言葉になるでしょう。では、三つのパズルを送りたいと思います。一番目のパズルは、私のパズルピースで写ってくるのはどんな写真なのか予断お願いします。二番目のパズルは松澤先生に、普通の人と協力する頃を一番思い出させる事物或いは人物を描いてパズルピースに合わせてお願いします。三番目のパズルは、貴方達に、最近の企画の間に一番焼き付けてる事物或いは人物を描いて『返事のパズルピース』に合わせてお願いします。見やすくない絵でも私の特殊プログラムが調整出来ますので大丈夫です。但し、一番目を最後に答えた方が良い。何故なら三枚のパズルピースを組み立てたら絵の遷移が必ずあるという条件を満たさないとです」

「そうすると、博士が三つのパズルの『車輪の仕組み』を設定してますよね。但し、爆弾の位置に糸口を送る時、博士が算額の問題を提出しました。博士のパズルピースが算額を作ったとしたら、私達の物も同じ知識の主題にするんじゃないですか」と言った純彦君。

「絲島さん、あの二つの詣ではまだ満足してないんですか?貴方と渡邊さんが四つの算額の問題を作ってたし、週末でもう一つの苦戦で自分達の町を守ったし、何か脳を緩やかにすべきパズルが必要なんじゃないでしょう。この最初の三つのパズルはそういうもんです」

「もう、『花火團』の首領のスミちゃんだってマサちゃんを休ませないのか?」と『非難』した降恆ちゃん。

「私も承認出来ないよ、スミヒコ君」と純彦君に書いて見せたら、もう一行書き博士に見せた。「二回目の会議の後は、松澤先生に対して三番目のパズルピースの名を付けたのですか?」

「勿論付けました。私達には『挑戦のパズルピース』、貴方達には『返事のパズルピース』、松澤先生には『交差のパズルピース』です。松澤先生の世代は前任者の文明と後任者の文明を繋ぎ合う役にしますから、彼らのパズルピースがそういう名を持って来て、私達のと貴方達の物の間に置かれるんです」

 松澤先生が言った。「二回目の会議のお陰で、私達の立場も、渡邊君達の立場もよく高めて頂いたんです。最早博士の『科学者團』と同じ位を取ったようですね」

「それに、たった一つの会議で賛成してはまだ早くないかと考えてたんです。この二回目の会議では貴方達の自立はパズルピースの探索と組み立ての鍵を持つものだと判断しました。それじゃあやっていきましょう。7時始まりの夕食まで終わらないとです」

 私達が二時間以下以内に三つのパズルを解かなければいけなかった。この三つは答えが回答者次第だから圧力を掛けなかったものだが、それにしても合理的な理由を出さないと駄目かもね。夏祭りといえば、私達が焼き付けたのは六つもだ。花火大会、爆弾、鳥居、よさこい、新ゲーム、そして倉崎沙也香。どちらがいずれよりも一番焼き付けたのか?

 誇張かもしれないが、大学からの楽団と一緒の智埼ちゃんの組の花火大会は、何の祭の花火大会よりも時間が長くて素晴らしくて派手なものだ。打ち上げる度に大砲のような音が聞こえたが、戦争の臭さが出来ず、夜空を仰いだまま楽しんで貰えたし、数十尺高く満開する花々のような演出となってきた。爆弾は生存の警告を鳴らしちまったし、私達と客の命も祭も守り抜きに対面が必要なものだ。鳥居は私達の夏祭りだけでなく将来の道に成功があると信仰を与えたものだ。前代未聞な踊りであるよさこいは、祭を盛り上げに新しい風を吹いてくれたものだ。新ゲームは完全に新しくないが、やったことない人々にとって自分の詰まらなそうな生活を新しくすることがあったし、勉強が授業を受けたり本を読んだり宿題をやったり繰り返すことなんかじゃないと証明したものだ。

 更に、一番特別な客である倉崎沙也香さんは、曖昧さも馴染みも同時にくれた者だ。お母様と降恆ちゃんの何処かに見える美しさ、都市の普通の女に見える雅やかさはあったが、ゲームをやった時の悲しさが合わした嬉しい表情、別れた時の最後の抱き締めは、まだ疑惑と不安を沢山残されているよ。厚喜さんは倉崎さんの知り合いだと明かしたが、誘拐された時、倉崎さんは知っていたのか、それとも誘拐事件に関係があったのか、厚喜さんの撮った極秘の写真に関わったのか、よく考えるべきなのさ。

 六つの選択肢に六つの事物をまず描いてみた。パズルピースの掌の半分ぐらいのサイズに合うように、人物とか風景なんて描けず、代表の事物をしか描かなかった。花火大会には夜空中の一つの花火、爆弾には爆発寸前の円柱のダイナマイト、鳥居には昼間での鳥居、よさこいには法被、新ゲームにはルーレットの輪、倉崎沙也香には私達と初めて出会った時の彼女の履いた下駄を描いていた。

 次に、六つの選択肢を推論してみた。花火大会?芸術の作品だから、打ち上げる人のいた私達も観客も印象を分け合って持つことに。その印象は私達では誇り、観客では感銘に変わった。だから担当者の個人からして、花火大会は二位しか取らないものになる。それなら一位はどれか?爆弾?命が危険になってこそ焼き付けられる。鳥居?信仰を持って進めば何でも大丈夫。よさこい?私達の夏祭りの先駆的な芸術だが、恣意的だが、私達の割に楽団と舞踊部の皆がより焼き付けたわ。倉崎沙也香?華々しいが謎な外見でそういう特別な客になったことで、夏祭りへの私達の感情を全く及ぼした訳じゃない。そう、一位を取ったのは新ゲーム。そうじゃないでしょう?夏祭りの魂だし、外の皆を夏祭りに惹きつけたり命の一週間で思いっきり楽しませたりするものでしょう。てことは『新ゲーム』を選択した。ルーレットの輪が『返事のパズルピース』に写される。多分、私の中の『賭博好き』がそれを『新ゲーム』の代表の事物と描かせた。

 三番目のパズルを答え終わった上で、一番目のパズルに戻ってきた。二番目のパズルでは、松澤先生は『引き札』と答え『交差のパズルピース』に描いていた。電話、引き札、お守り、そして森坂鶴海先生といった四つの選択肢で猶予したこともあったよ。先生の作った電話は9月10日の事変の情勢をほぼ制御させてくれた物だ。お守りは人間前の科学者のパズルピースを紹介してくれた物だ。森坂先生は松澤先生に私と智埼ちゃんを紹介したし、それから私達が松澤先生とよく付き添って先生の正体を知ったということだ。引き札は逆に夏祭りの51人の担当者の美術品だし、松澤先生が他の先生と一緒に出来るだけ遠くへ配るのを任せて頂いたが、どうして先生が答えだと決めたのか?松澤先生は人間前の種族の末裔で、博士と同じ科学者の一人だし、団体も出来たし、それで電話を作るのが簡単だったし、お守りを贈って祈るのが普通過ぎだったし、森坂先生である普通な一人と毎日待ち合わせるのが問わなかったものだ。引き札は先生が貰って夏祭りを広告する任務を全うした物だから、私達と会って以来先生が何よりも焼き付けたという訳だ。

 ルーレットの輪を描いた『返事のパズルピース』と、空になった引き札を描いた『交差のパズルピース』が出来た。最後は一番目のパズル。そろそろ組み立てたら、博士のパズルピースに写り込むのは何か?絶対に一つの写真が出てくる。もし博士がこの小さな物に撮影の機能を追加したら、私達の顔を撮れるには博士と話し掛ける時しかなかったよ。それとも私達の顔じゃなく夏祭りの景観を撮った?博士が誰があの大きな催しを開いたのかも分かり過ぎたから、あの人の顔の代わりに、あの人が出来た結果に『パズルピースの目線』を集中した方が良かったのさ。という訳で、私達が『夏祭りの途中』だと答えた。そう答えたら、料理の屋台も舞台も科学の屋台も撮っても間違うことがない。

 博士が驚いて言った。「わー、皆が出来てますね。渡邊さん、貴方達がわざと一般的に答えてちょっと狡いでしょう」

「仕方ありませんよ。夏祭りではどこでも印象的に写真に出来たのですから」と応えた降恆ちゃん。

「トイレの中を撮るなんて出来たもんですか?あの喧嘩でぶっ倒された越川君どころかですよ」と博士が返した。 

「博士、一つの質問がありますけど、この三枚のパズルピースを組み立てたら統一の絵に出来ないかもしれません」

「そういうことです、渡邊さん。だから残りのピースを探さないといけない将来が待ってるんです。しかもこの三枚のピースを組み立ててもさっぱり離れる感じがしましたので、私達のもう一つのプログラムに任せて下さいね」

「それじゃあまず三枚のピースを組み立てとこうね、皆さん。パズルピースには凹の所、凸の所、直の辺という三つの特徴があると知ってるんだね。凹の所を0、凸の所を1、直の辺を東西南北を指す(E・W・S・N)という文字にする。博士のピースは直の辺がないし、上から時計回り通りになら0110と暗号を付ける。君達のピースは直の辺が左にあるから、101Wと暗号を付ける。これから私のピースは1101」、組み立てる前に、松澤先生がパズルピースの読み方を教えた。私達が三番目のパズルを終わらせてから先生が二番目のパズルを解決した。

「これっ、パズルピースの表象のあるこのプログラムは、貴方達のピースの紙製を私のピースの独特な原料に変えるんです。私達の昔々のピースを製作した原料は地球上の一番の耐久性のある合金なんです。このプログラムは私の計算機の写真機を使って貴方達のピースを走査して、放射線を使ってあの合金の元素の原子をピースに覆ってピースの紙の構造を合金の構造に変更してあげるんです。それではやっていきます」、博士が次のプログラムを解説してから、始動して実行していた。計算機がパズルピースの上に当たる間、計算機の後ろ側のレンズがパズルピースに灯りをしていた。その灯りの中で数千数万の小さな埃のような物体が花弁のようにゆっくり落ち、パズルピースにまるで溶けたようだ。数分後、パズルピースがゆっくり紙の白色を暗くしていたし、厚みをも増していたし、全体をより固くしていたよ。果たして、二枚のパズルピースが博士のと同じく、固くて、明るい灰色を持って、平らで、金属の感じが出来たものとなった。また、その二つにある私達と松澤先生の描いた物も既に写真で写った物に変わった。もう、このミラクルは沢山だよ。

「それでは、せーの」、博士の号令通り、私が三枚のパズルピースを組み立てた。

「カチッ」の二つの音が満足的に聞こえたわ。

 三枚のパズルピースがやっと何かを写しちまった、謎の統一の絵の中で。それは浴衣姿の普通の少年が屋台の中にいて左手が引き札を持ち右手が白い球をルーレットに落とそうとしたし、彼の後ろの入口から人が通りすがる夏祭りの狭い空間も見えたよ。

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