8.3. 「天人の軍を仮装する亡霊だ。皆近接で戦え」
八田蜜と白濱の男も女も太刀或いは少なくとも脇差を佩いてやった。智埼ちゃんが手袋を嵌めたり防守用のケミカルを持って来たりした一方で、降恆ちゃんが手術用と殺菌用の鞄を装備し、怪我人を分類して治す為に澁薙君と付き添って両校の医療部を指導した。笠人君、この町の柔術の茶帯の持ち手、智埼ちゃんを保護したり武術を習っている仲間と、先駆する武道家と協力したり担当した。私と純彦君が小田原の地図を持って来て、緒方祥太郎警察署長の力を貸して頂き、『陣立て』という一番重い担当を担った。7時半頃、星が空を段々暗くして覆い掛けるところに、小田原は電灯によって明かされた。小田原は箱根山脈と大磯丘陵に挟まれる故に、伊豆半島を越して相模湾から突入の可能、或いは両側の山の森から足柄平野に突入の可能だったが、こっち二番目の可能の方に偏るべき。
それから、私達がそう『配陣』した。私と純彦君は一番襲われやすい場所である夏祭りの敷地に戻り、智埼ちゃんと笠人君は八田蜜にいて、澁薙君と降恆ちゃんは高橋委員長達と一緒に白濱に来て守り、日向家の父娘は町役場で全ての事情を把握し警察署と消防署と救急署に発令することになった。幸いは東京、横濱、横須賀や平塚の執行隊も小田原に参戦して下さり、日向町長にどうか重荷を減らしてあげたよ。多分厚喜さんの工学部の仲間は彼の行方不明を最初に把握し、管理職に報告し東京の警視庁に連絡して頂き、彼の富豪なご両親の圧力で捜査の規模をここまで拡大し上がったようだ。厚喜さんは私の先輩だから、彼の親は私が程度でこの誘拐事件に係ると考え、厚喜家の会社が支店を建てたそれぞれの町の警察を調達し、お息子さんが拉致されるここに集まり私を『取り調べ』しようとしたようだ。だがそれのお陰で、協力者が非常に増加して、敵自身が無意識にこの遊戯の情勢に両派にバランスを取らせちまったの。
遂に厚喜さんのご両親も小田原の町役場に到着した。焦る表情によってお二人は日向町長に私の行方は何処なのかを問い掛けた。松澤先生が日向町長に渡した七台の電話は私の所に接続してお二人の苦悩を大分解決した。厚喜さんが誘拐された理由、厚喜さんを救う方法、厚喜さんを監禁する敵に対応する方法を私は詳しく解説した、謎の犯人との通話や、地図での配陣に基づき。厚喜家のご夫妻の『未完全な委託』の下で、援助の部隊の隊長は緒方さんと一緒に私達の提案通りに陣容を整えてきた。その提案では、四つの地方の警察は『花火團』のメンバーが本営にした三つの場所から3km離れる縦の通りに整列する銃士と騎馬を先駆にする言い方で、秦野、南足柄や大磯などの警察は日向町長の要求の下で後ろから敵の逃走を塞ぐのを頼まれること。こうして、八田蜜の方から小田原城、白濱の方から国府津駅、夏祭りの敷地からだんま峠の旅館は警察の重要な地点となって、地図で繋ぎ合った時、『白鳥座』のように見えたよ。
「はっはは、さすが相応しい敵だな。白鳥座を仕組んだとは私達を迎えると同時に酒匂川で誘惑するつもりだろう」、あの男が再び送信した。「自分の足を押し返った白鳥」
「貴方は箱根或いは大磯の山岳で私達を目撃してますでしょう。貴方達の予測不可能に対応するなら、貴方達は始動したら、私達の大白鳥は相模湾に足を差して着陸して翼を羽ばたきます」
「貴方達の白鳥は翼で私達をぶっ飛ばすつもりだけど、機動的に反撃しないと私達の挟撃に潰されるんだ。貴方達も分かったから、取り敢えず貴方達の陣容を確かめるには早速始めよう」、あの男がそう伝えた直後、また送信を切った。緒方さんは早速全ての部隊が身を構えると発令した。澁薙君の『鳥の軍』はこの困難な夜の伝令になったもので、恐ろしい速度で5分未満全ての部隊に命令を貰わせた。小田原の住民も部隊の後ろ側の町の区分に集まって避難したよ。
そして、この静粛だが恐怖な夜の中で、夏祭りの敷地では馬蹄の音が後ろ側の森からじたばた聞こえた。そう、敵の騎兵は南足柄の荒野を駆け貫いてこの草原に突撃した。勿論、白鳥の頭であるこの敷地を襲うのは気軽じゃなく、だんま峠の旅館の部隊が秦野の部隊と一緒に横に返事をし、縦に突撃した敵の騎士団を半分で分けた。緒方さんが指揮した部隊は残りの騎士団を猟銃と機関銃でぶっ倒した。弓矢で抗拒しようと頑張る奴らには二人の幅ぐらいの木の盾の隊列が対応したよ。警察は軍隊じゃないので、なるべく主に馬を撃ち倒し敵を生きたまま逮捕することにした。開戦の銃の音が連続鳴ったところで、純彦君が二つの学校にいた四人のメンバーに『白鳥の両翼』の両部隊を出陣させると求めていった。こうして、それぞれの電話はこの交戦の経過を少しずつ通報する役を担った。
小田原の左翼と右翼では、敵軍はよりも大胆で凶暴になった。両側の山脈の森から出といて歩兵は死を構わず警察の予防線へ駆け込み、彼奴らの援助は後ろ側の弓兵が矢の雨を注いでいた。あの時、爆薬が役に立った。戊辰戦争の時代の大砲、少年祭の開会式の為の大砲、花火大会の為の砲台は再使用され、ほぼ垂直に向上され、智埼ちゃんの持って来た実験用や、花火大会後の余り物の爆薬を仕込まれた。「放て」の号令の下で、軍用の割に半分ぐらい四連発の最大限まで強く放ち続けたの。そう、矢の雨は花火の雨に組み合わせられ、星空の中で溶かされちまった。地面上は、警察が白鳥の翼を羽ばたき始め、拳銃と日本刀で躊躇せず近接を制御した。
戦いはこう始まったよ、敵に花火大会を観覧させる為。多分敵の方もこれを見たくなって私の弱点を見つけ出し私達を『自業自得』させるつもりだった。降恆ちゃんの近視の眼は澁薙君の確認と共に私達を唖然とさせる情報を送った。敵の兵士達は皆の目の前で消えた、煙のように。夏祭りの敷地の後ろの草原でも同じ起こった。あの男の言う通り自然の力を利用し作戦を行うなんてこうなったか。くそ、彼奴らの罠に仕掛けられた。よりも焦って、私は緒方さんに全軍を撤退し『白鳥の内部』を固守すると促した。全軍が緊急の命令を受ける途中で、敵は空中で残る爆薬の煙を利用し、星が地面に堕落して亡霊の兵士に変わる錯覚を作り出した。『地へ墜つ星座』の作戦だ。
私がそう叫んだ。「天人の軍を仮装する亡霊だ。皆近接で戦え」
この度は私達が自分がこの間大変練習していた武技を披露する時間だった。当時8時15分に、箱根山脈からより強い風が吹かれ爆薬の煙を東南方へ引き付けたことで両中学校を敵の次の目的にした。数十個の偽の星が空中で光って煙と共に地面に落ちた。星の明かりから甲冑を付けた透明な一人の武士が出てきたということで、亡霊の武士団が二つの学校に攻撃しようとした。二つの中学校のみならず、たこが触手を伸ばすように煙も『花火團』の四人のメンバーの家、町役場、清平小学校、『あおゆみ』飲食店、居合道と柔術の格技場の近くで敵軍を分布した。勿論、夏休みの敷地はまだ許していない。
清平小学校向きの亡霊の武士団は7割で分離し、ここに再び攻撃しに来た。彼奴らは南口の橋や酒匂川の向こう側という二つの方向からここを狙い戦国時代の火縄銃を撃ち始めた。この軍団の本質を理解したから、警察はもう相手を逮捕せず相手を出来るだけ撃ち倒していた。酒匂川の両沿いでは弾丸の雹が起こり続け、敵の数十人を倒したが、警察の数人も弾丸に当たっちまい、緒方さんがだんま峠の部隊をここに援助させないといけなかった。その間に、私と純彦君は緒方さんを支えると同時に厚喜さんが監禁された場所を必死に見付けていた。数学のルーレットの為だったこの空な屋台は私達の盾となって、隣の屋台を自分の盾にして敵の弾丸を止まらせた。一方、敵軍は南の橋を渡り鳥居を越え私達の後ろ側を危険にするから、だんま峠からの騎兵は彼奴らをこの入口に近付かせなかった。
電話を通して、私達の友達の事情を把握出来た。白濱は敵軍に囲い込まれ、降恆ちゃん・綾瀬ちゃん・高橋委員長の案内で怪我をした人が学校の内装で避難され、居合道の門弟達が警察と一緒に校庭で必死に掩護しようとした。敵の数十個の首が校庭に落ちたと見た時、澁薙君と松澤先生は警察の一部分を一緒に屋上に上らせ、学校の両方の入口に駆け込もうとする敵に弾丸の雨を注いでやった。より多い警察が集合する白濱の割に、勝敗が少年の力次第な八田蜜は筋肉だらけの門弟の舞台となっちまった。八田蜜の居合部と柔術部は若い頃の宮本武蔵殿と源義経殿にまるで変身したように素晴らしく戦場の時勢を取り扱った、刃に擦り傷をされるのが避けられないものの。笠人君はしかも皆を5年2組の凱歌を歌わせ気分を随分上げたのさ。
やがて、私達は厚喜さんの所の糸口を見付けた。『地へ墜つ星座』という作戦で、敵はもう二つの星座を作り出し白鳥座を重ね合わせた。ここを町役場と白濱と繋げば、白鳥座の真中の折線が生まれる。それは白鳥の首を噛む『こぎつね座』。なお、多分『大熊座』も登場するかどうかを認めないと。敵軍が上陸した全ての地点を首謀者が本営とした両側の山脈の地点と繋げば、やっと答えを提案出来た。地点を『星』と明記するなら、小田原城近くや国府津駅近くのは熊の尻尾、前肢と爪、夏祭りの敷地は熊の頭、私達の家は熊の身、八田蜜と白濱は直線で熊の後肢を形にした。そして酒匂川はこの熊の脊椎となった。『大熊座』が出来た。この三つの星座は酒匂川を軸にして重ね合わせた故に、一番大きな星座である『大熊座』が『白鳥座』と重ね合わせない区域は厚喜さんが監禁される可能性が高い。あれは私の家と智埼ちゃんの家の後ろ側や、純彦君の家と白濱の後ろ側の住宅地。敵軍が小田原を火で輝いても、火がそれらの『星』の漸近で燃え『大熊座』の火の輪を完成させるしかない。
私と純彦君は小田原の中央に戻り、酒匂川の両沿いの二つの疑わしい区域に厚喜さんを探しに互いに別れた。ただまずこの敷地を緒方さんに任せ、火薬の匂いが臭いこの草原を逃げようとした。逃げるにはここの火薬の匂いを倍も臭くさせたよ。銃の音が結構減ったが、安全の為に緒方さんがくれた二つの兜を被った。そして私達は智埼ちゃんが共有した爆薬の袋を持って来て、緒方さんと部下の一人の護衛の下で、屋台の後ろ側に上手く退いた。近くにいた黒岩幸浩騎兵の馬に乗り、鳥居へ駆け込んでいた。純彦君が爆薬を数個の球体に丸め、私が火種を入れマッチを付け、出来た小さい爆弾を黒岩さんが思いっきり前の敵に投げたり左右の敵に騎兵の仲間に投げて貰ったりした。騎兵達が互いに爆発にぎりぎりな爆弾を手渡ししていて『一瞬のラグビーの試合』をした一方で、私達が心臓を爆発させるほど怖かった。面白そうな爆弾の弄びをしながら馬を支配したなんて亡霊の兵団をそれぞれの爆発に上手く削除して下さったよ。
こうし続けて、清平小学校も安全に戻った。数十個の爆弾の爆発によって戦いの音が共鳴され、亡霊の軍団に恐ろしい顔をさせたほど心理戦を起こしちまった。これから私達を乗せた騎兵団が気軽に小田原の中央に突入し、酒匂川沿いの混戦のせいで消耗な住民達を大変助けてあげた。私の家に帰ってきたうちに、宮原家のお菓子屋の皆がお母様と警察と一緒に上手く家を守り抜き、恐怖で号泣し捲る子供達を甘い物であやしていると見えた。まだ終わっていないよ。敵はもう最後の一歩を進めていく。
思った通り、ある火縄銃の撃ちが空に向けて煙を貫いた。空気に前から溶けたべきだったのにまだ浮く煙は恐ろしく光って一瞬に爆発した。爆発は小田原を震わし、火花を散り散り落とし火を起こした。火花が落ちた家の屋根並びが直ぐに火に当たった。亡霊の兵団も一瞬に消えた、というより撤退し、火災を残した。小田原人が恐怖の呆然に溢れ出され、消防士が酒匂川の水を流し、燃えている家に水を吹き掛けていた。午後9時28分、炎の『大熊座』が小田原を囲い込んだ。悪魔の熊にこの田舎を決して貪らせない。その為、怪我をしない全ての警察官や住民が消防士を助けて川水だけでなく海水を流していた。桶で海水を掬い手渡しし水槽に入れたの。幸いは包帯の布の消防ホースや、交流発電機を使う水力パンプが夏祭りの時から作られたので、皆の力を半分で減らしてあげたよ。
皆が必死に悪魔の熊と戦う間に、私も遂に奇跡的に厚喜さんの場所を見付けた。あそこは私の家に1kmの直線で西南へ離れた廃墟物、私と降恆ちゃんが二年前最後の喧嘩を解決する場所。あの廃墟物は昔の幼稚園で、鉄道の原料の倉庫として降恆ちゃんのお父さんに使われていたが、反抗期の降恆ちゃんの『心慰めの場所』となった。この区域にあそこは誰も住まないたったの場所だよ。純彦君に「見つかったよ。降恆ちゃんが昔いた建物。恐らく首謀者もあそこにいるから、日向町長と『花火團』の全員を呼んで」と伝えたと同時に、足の全力であそこへ駆け込んでいた。
あの廃園は私の目線にあった途端に、突然炎が内装の上階から上がった。あの炎が不死鳥の喉から吐かれたように上がって20mしか離れない私さえも暑さを感じたほど強かった。もう考えず、私はあの場所に走ってきた、「厚喜せんぱーい」と叫びながら。階段に上る前に、火を顔になるべく当てないように水筒の水を湿す手拭いを顔に付け、右手がずっと鞘と鍔を握り締めていた。上階に届き廊下を歩いたところに、天井からの火花が頭に落ちたり周りの炎の煙が目に当たったりとんでもなく疎ましかった。昔音楽室だった大部屋に入った途端に、水が溜まった床に横たわって意識が失った厚喜さんを発見した。厚喜さんがもう束縛されなかった、恐らく自ら縄を解き犯人と争ったが犯人に勝たない故に。
厚喜さんの様子をもっと見に体を低くした時、いきなり銃の音がした。弾丸が左に私の頭を掠り木の壁に穴をした。もう数ミリでずれたら私を殺したよ。振り返ったと、待たせた謎の犯人が暗闇から出てきた、武田信玄殿の甲冑と狐の仮面の姿で。一言も言わず、彼奴が入り込み、銃を袴の帯に戻し、姿勢を構えて日本刀を抜いた。血が耳を濡らした私も「彼を火傷させないように水を溢して優しかったね」と返し、相撲の土俵に沿うように歩きながら自分の『村正』を抜いた。侍とくノ一の剣闘が始まった、火炙りにされる中の部屋で。
二匹の狼のように、私と彼奴は土俵の周りに牽制し合っていた、両手で柄を握りながら。私が先に剣を真っ直ぐ振ったと、彼奴が早速左に振り、下の方から私の刃を押し上げていった。二枚の刃が空中で先を上げるところを、私と彼奴が刃を交差させた、『カキン』の音を暴いて。互いに対面しながらもう数十発で刃を擦り合って時々鍛治と同じ火花を散らしちまった。能動的に彼奴の刃を抑えようとしたが、男の強い体により抑えを解かれた。彼奴が面打ちをやろうとしたが、私が間に合ってしゃがみ剣をおでこの上に持ち防いだ。再び立ち上がり、彼奴の腹に一閃を斬ったが、彼奴の鎧に三日月の跡を残しただけ。彼奴が返しに同じ三日月の跡で私の袖を破り、私が退いたが自分の右の上腕が出血しちまった。彼奴が私の胴を狙ったが、私が右に振り彼奴の胴打ちを解け、彼奴の背中から反撃しようとしたが、彼奴の腰を当てた途端、私の髪の束が床に落ちたのをおろおろと見た。彼奴が私の髪をぶっ斬っちまったよ。これから私はもう長髪じゃない。
「私の髪を斬った貴方は顔を見せろ」と叫び、彼奴の腰から刃を離し、頭に向く彼奴の刃を妨げ、また刃を顔の前で交差させた。彼奴の仮面を二枚にぶっ斬りたかった、仕返しとして。位置を交換しながら両刃を両方の左肩に当てたままにした、厚喜さんが完全に私の後ろにいるまで。その時、彼奴の刃を押し上げ、彼奴の腹に一蹴した。彼奴が躓いたところで、下から彼奴の仮面を対角に割ったと同時に、彼奴の刃がいつの間に私の右目に近付き目の下を破っちまった。血が目の下に出続けたまま私が倒れたが、負けたくない。右手が血を止めようとした一方で、横になりながらも剣を振り続けた、腹を蹴られ失血により意識を失うまで。彼奴が私を終了しようとした時、パズルピースが緑に光って、虚ろから亡霊の武士が出てきて私の代わりに彼奴を反撃してくれた。彼奴が逃げた。気絶する直前、もう一言を言った。「また救って下さったよ、博士。さて、全部任せたね、降恆ちゃん」