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日本の定理・上巻  作者: 泉川復跡
【『夏祭り』編】第八章。地へ墜つ星座
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8.1. 算額は神道と仏教をどう繋ぐか?

「そういうこと。明日は日本代表とロシア代表が関わる講和条約の署名当日だ。明日からロシアとの戦争が正式におしまいになる。その戦争がおしまいだけど、新たな戦争がそろそろ芽生えるじゃない」

「そうだね。あの夜過激派の群れが去る直前、私達を最後まで脅かしにそう言い残した。『もう一つの戦争は必要。二つは最低限。てめえらはその戦争に初めて粉砕されてやる』って」

 日向ちゃんが言った。「だから初めから政治界に十分な影響を与える東京の三名大学に後ろ盾をして頂くと企ててたでしょう、うちの父上の権力が足りてない際に。貴方達はその後ろ盾の使い方がちゃんと分かってるわね」

「過激派の襲撃に凄く悩まされてるから二度と味わっちまったら損害をなんと下げないといけない」

 降恆ちゃんがもっと言った。「でもさ、大学の盾があったとしても、何処かにあった隙間を彼奴らも見付けて平和な空間でも何も宣わずに致命的な攻撃をいなしてしまったの。夏祭りの案内係としてあの事故を起こらせて申し訳がないけれど、どうやってあの爆弾を僕達と警察の目線を外して仕込めたのかまだ分かんない」

「あの爆弾を一見した時、彼奴らの技術が低評価される訳がないと分かってるでしょ。山を削る為の粗い型の代わりに衣にアイロンを掛ける普通の道具みたいにされた。確実にお客様の皆が全員広場に集まって芝生の方へ動き出してから、あの爆弾を仕込み終わった。智埼ちゃんの組が花火の準備に最初に自分の屋台を去ったから彼奴らが見付けたたった一つの隙間となった」

 智埼ちゃんが言った。「てことは夏祭りの関係者が要らへんで部外者もそう出来るやで。ただあの部外者が二回以上行った条件で」

「そう、無邪気な顔をしたあのお客様は夏祭りの敷地を隅々まで把握して閉幕日に仲間に敷地の最弱点を知らせて始動して貰ったという訳さ」、私がそう判断した、探偵というよりお母様のように。

「まさか君が倉崎姉さんを疑ってる?あの姉さんは一週間で君と一緒に行ってたよね」、高橋ちゃんが言って私を長く考えさせた。

「疑ってるかないかも迷ってるけれど、倉崎さんは本当に曖昧な感じがしてくれた。派手な浴衣を着て一人っきりで夏祭りの一夜目に登場して、物凄いお金持ちから出身だと見せたけど、遠くで誰かが監視されてた姿を持ったかなと勘があったよ」

「あの赤き浴衣は銀座でしか買えへんさかい。電気の灯りに反映すると見える仕方は藤の柄をきらきらさしてほんまもんみたいにしたわ。ひょっとしてあの姉はんも婚期をそろそろ迎えるかどうか」

 松山ちゃんが言った。「私達に年上な女性なら婚期を迎えるのが合理的でしょう。卒業後の女性の一番人気な指向だから」

 降恆ちゃんがもっと言った。「ただ『白濱の民衆』は自分の指向を拡大した方が良いと教わったじゃん。僕達も来年の3月までにしか学生時代を生き続けてないものの、なんか婚約を覚悟してない心を持ってる方が凄く多い」

「あらっ、恋人が出来たこの女子から聞こえちまったな。ナギ君が一緒にいたくせに結婚にまだ決心をしてないなんて勿体無い」

「何だよ、この揶揄いばっかの口め。まだ十六歳でしょう」

「へへー・・・倉崎さんは婚期を迎えたか既に婚約に巻き込まれたか本当だったら、少なくとも自分のご主人に連れて行って貰うべきだったのに、一人で私と松澤先生と一緒に特別なお客さんとして楽しんでた。それに、彼女が牛若丸の下駄を履いて笠人君の屋台に歩いてきたし、笑顔をしても大変なものの一生懸命それぞれの体験をやってみて倒れるほどだったし、何かを私と先生に曖昧に伝えようとしたがった気がしたの」

「祭が終わった際に、あの姉さんが貴方に思いっきりと最後の抱き締めをして人力車に乗ったと私が見たんだね」と言った日向ちゃん。「あの時祭が本当に終わってしまったと気付いたから残念と感じた顔をちゃんと隠したまま強制的に出てったかも。貴方もあの時何かを気付けたが、彼女と最後のお客様として別れるしかなかった」

「多分だね。倉崎さんはご主人がいた女性らしく振る舞うと本当に見せなかったから、敵の間者と助けを求める者の確率域で彷徨ってたとは違いないと思ってる。私達は、レベル上の知識満々の敵達に対面することに」

「決まってるよ。少年祭が終わって以来、彼奴らとの戦いが芽生えてしまった。僕達田舎人だし偉いことをやってみたい田舎人だし、大きな盾を手に入れなければ一番簡単に潰される。大学が傍にいなかったら公土地に侵入したばかりに一瞬逮捕されて人生を終わらされてしまった」

「祭が出来たものの私達に相応しく高いレベルの試練をも与えてくれたのさ。ただ出し方は仕込みに精巧でも真夜中の過激な行為に短気。あの短気は私達の家に突入した時にそっくり。但し、今度は以前の短気の全部を集めて最大の飛躍を掻き起こす可能だ。戦争を終了させる条約の日を切っ掛けに始動してくのだ」

 降恆ちゃんが自分の心に当たったように絶賛な顔をした。「良い推定だわ。明日から日本では本当の荒波が立ち始めるそうだと僕の勘が知らせてくれたの。小田原も早かれ遅かれ都市と同じ巻き込まれてしまう」

 綾瀬ちゃんが何かが面白く可笑しいのを見付けた。「何だよ、この息が合うお話し合い?山口ちゃんがこんなに興奮に声を掛けるの滅多に見ない。特に昔の敵と一緒。まさか倉崎さんのことは渡邊ちゃんと同じあんたをも掻き立てさせたんだって」

「昔僕の命令をずっと守って部下のようについてきてた綾瀬ちゃんがいつか僕を揶揄ったと信じられない。命は無常だわ」

「ひひ、命の無常さによって君はお父さんに勝てたのだ。そして私達の為に正道に帰ってこられたよ。それで、外に逆にのんびり生きてる邪道の方々に私達と同じ気持ち悪さを抱えてる訳さ」

「うん。本当にたった僕の敵は僕のことが大変分かる。敵から親友へとって僕をあの頃大変救ってくれたよ」

「結局、山口ちゃんとの話し合いによって、渡邊ちゃんのお弁当もようやく空になったよ。第二学期の一日目の屋上のこの面白い雑談を終わらせた方が良い。そろそろ午後の授業の始まりだ」

「分かったよ、高橋委員長。放課後、私もスミヒコ君と一緒に神社に詣でる予定だ。数学大会の信仰的な活動なので」

 高橋ちゃんが言い続けた。「第二段に進出した時もう小田原だけでなく神奈川県の代表となったじゃん。凄い圧力が迫ってくるよ」

「夏祭りが終わったとはあの圧力が倍増えてきた。もう二ヶ月は大会に戻るけど、今度は全国の注目は少し偏りそうなの」

「まだ二ヶ月の練習の空白だから、楽観の心を持ち続けてちゃんと頭脳を上達させたら良いよ。将来どんな仕事を働きたいのもずっと前から決めてるでしょ。卒業しても悩むことないね」

「うん。君達もちゃんと仕事を探しなよ。未だに見付けない人がいるなら特に急がなきゃ、婚約の渦巻きに巻き込まれないよう」

「そうなら君達自ら会社を営んだら?私達は就職に苦戦せず貴方達の御社に雇って貰って素敵でしょう。ほら、夏祭りの頃と同じ」、長谷川ちゃんが結構良い思い付きを伝えてきた。「貴方達は『花火團』で今まで二つの祭で飛躍してるんで、これからの元手が大きな営業を開くのが余裕だ。夏祭りの精神を受け継いだら早かれ遅かれあの草原で貴方達の会社が芽生えて見せるよ」

 智埼ちゃんが言った。「あれー、格好良さそな長谷川ちゃんなんてもうあの大量の報酬に圧倒されてもうたことか。長谷川ちゃんの思い付きはあたし達のにほぼ似てる。どうせあの草原を無に出来ひんさかい、大学に支えて頂き続ければ研究所やら実験場があそこで建てられる可能や。うちの学校も男達の学校も所有権を分け合うやろね」

「そうだったら君達に最も難しい募集で挑戦させて貰う、他の応募者が平等に感じられるように」と私が言って皆がちょっと動揺したが、自信を引き返し私達の将来の『仮想の会社』に応募するやる気を持っていた。「だが君達に自分が好きな仕事をやって欲しい。時間が沢山掛かって学術的な課題を研究することとか、詰め込みそうな知識をもとに大変苦労な制作をすることなどが必ずしも好まれるとは限らないから、自分をこんな仕事に抑えたら損をしちまう」

「万が一貴方の御社は新しい研究法とか制作法を持ってたら?」

「そうだったら私達がノーベル賞を受賞して休むでしょう?」

「ノーベル賞は命の目標だと狙ってるのか、この娘?」、長谷川ちゃんがそう言って私の頭を捏ねちまった。ったく、数年後ノーベル賞を受賞したらとんでもなく狂おしいじゃないのかよ。長谷川ちゃんの思い付きは数十圓を再び稼げるようになりたい皆の欲望を掻き集めてやった。私達もその欲望を抱えていたでしょうが、数十圓を稼ぐなんて本当に危機が大きい沢山の挑戦に挑むも同然だ。夏祭りだけで命懸けの挑戦を味わったら、学生を卒業し社会人になった時、数倍のあのような挑戦に遭わないといけないとは大袈裟なんてない。然し、現在の事情に従っては、就職における私達の話し合いはただの雑談に過ぎなかった。祭後手に入れたお金では大学の学費を余裕に支払い学位記を授与するまで勉強し続けられるの。勿論、勉強が大変好きな方々にとって。

 こうして私達は屋上を下り午後の授業を受けていた。第二学期の一日目が終わった上で、私は自転車に乗って帰宅する代わりに、自転車に乗って友達と先に別れ松澤先生と一緒に、純彦君と松山先生が待っていた八田蜜の校門に来た。あの時はもう5時だったが、まだ夏の影響を受けていた天気だからさ、なんと7時半まで空が明るくなり続けていた。これからの私達のお詣りでは前回の割に規則が変わっちまった。神道の神社にしか詣でなかった前回の割に、今回は神道の神社と仏教のお寺に詣でることになった。この規則の変更は神道の信徒といった人の集まりに不快にさせ猛抗議をされたが、果たして何かの勢力の下で実行されちまった。その勢力はどれかも分かったはず。仏教の信徒?そうだが足りない。東京の大学もさ。

 まずは城田神主の栗園神社にお詣りしていった。八田蜜を西北に凡そ3kmの近道で隔てる206年を達したこの神社は若原屋のに二倍ほど大きい紅の鳥居、そしてあれからの四十段の岩の階段を通して迎える。この神社は緑塗れの丘で南方の小田原城が見えるように立っていた。お名前通り、榊以外に栗の木の園に囲まれ、毎週間新たな茶色に塗られた外見によってこの神社は小田原城の天守から見ると緑中の実った栗のちらちらした姿が見られる。私達のお詣りは数学大会の一部分なので、仕組みも数学の要素をなんと残さないといけなかった。第二段に入っては図形の行列に待遇して貰うも同然で、私達は絵馬に芸術的な問題を描き出すとさせて貰った。そう、江戸時代の賢人のように絵馬を作り神々様に奉納しようとすることだった。

 栗園神社の新鮮な色によって私達の絵馬はその調子に風格が頼った。お禰宜さん達が与えたのは熱い色が主な塗料の一合の桶、硯、洗い水の一斗の桶、栗の木から研削された毛筆と、お土産とした乾燥済みの栗の実の二つの巾着。いずれの厳粛な儀式でも必要ないし、幕府時代の試験の雰囲気に合わせるようにただ地味な持ち机、岩の床を敷いた畳上の座布団、そろばんや下書きの手帳がお揃いとなって設置された。私達お二人は神社の後ろ側で正座の姿で『算額づくり』を行った、松澤先生と松山先生の観察の下で。袴の代わりに制服を着たままにしても構わなかった。制限時間である90分以内算額の問題を完成させることになったが、私達が心配するたった一つはこんな時間によって足がどれくらい痺れるかというものだったよ。

『算額づくり』に頭を抱えるぐらい考え込んでいたお陰で、足が痺れないかどうかも気付けずにいた。純彦君は夏祭りの準備に何十件の数学の問題を作り上げたものの、いつも通り顎に手を当てる姿をしながら数十分掛かって完璧に近付く問題を作れるように手帳を落書きで滅茶苦茶にしたりそろばんを弄んだりしていた。私も自分の手帳をその調子に落書きで被っていたが、純彦君の割に手帳で全部をあまり乱さなかったからさ。算額の課題を形に出来るには、まず日常にある物に基づく面白そうな事情を思い浮かべ、そして主とした図形を完成させる為に要図らを重ね合わせず『図形の進化』を記す注釈を書き入れる隙間を残し、図形に出来た上で、自分が思い浮かべた事情を言葉に訳し、周囲・面積・体積をもとに『何を求めよ』を表し、問題を完成させるの。

 7時で夕暮れになった時、私達は制限時間にぎりぎりして『算額づくり』をし終わった。こちらは私の問題。鹿威しの平手・ある家族は不眠症になってしまったお年寄りであるご両親を睡眠が出来るように治す為に、庭内の鹿威しを庭を綺麗にしかしなかったままの代わりに調整することにした。鹿威しは主な竹の大筒と小筒に形にされたものである。大筒と小筒は口が平行投影を通じて底とある角度を作るように削られた円柱という同じ本質であろうが、小筒は大筒の六割ぐらいだということだ。大筒は4尺の高さで、底の4寸の直径で、口が底と30度を作って形となった。調整はまさにご両親を眠りやすくするように水の流量そして大筒の頭を下げる頻度を加減するのである。もし小筒を流れ通る平均の水の流量は1分間に4.2合だとしたら、ご両親を眠くするようにお年寄りの心拍の間隔である1秒の6倍にならなければならない大筒を満杯させる期間を満たす時の水の流量を求めよ。

 そちらは純彦君の問題。羽根突きの試合・お正月にある友達の団体は広い河川敷で羽根突きを遊んでみてた。遊び場は3間×5間の長方形で、長さに従って両方の選手にとって分け合ったということだ。二人の選手は最初に自分の区域の中心で位置に付き、初の打ち手はア点と初の受け手はイ点にしたら良いのではないかということになる。初の打ちはア点からイ点まで直線に。イ点の選手が受けて打ち返したらもう一本の直線、ア点の選手が間に合って受けたら初の位置から移動すると表示する直線が作り上げられ、幻の三角形の域もこれから『走査』される。反則なく羽根を間に合って受けて打ち返す最小と最大の距離は受け手の位置と、受け手の位置と遊び場の端の距離だし、打たれた羽根の最小と最大の速度は時速7里と9里だし、もし仮に両方の選手は連続10柱打ち合ったら、『走査』済みの多角形は遊び場をどれほど掛かるかを求めよ。

 私は鹿威しをはじめとする伝統な道具の仕組みを、純彦君は羽根突きをはじめとする伝統的な遊びを舞台にして出題した。何百年も静的を持つ純粋な図形が至上されている算額の傾向を動的の要素の追加でいきなり変更しちまったかもしれないじゃないかと思ったが、なんか算額に新たな風を持って来てみたら悪くなくてかえって算額の相応しい地位をどうか取り戻すこともある訳だったでしょう。倉崎さんが引いた『無限の球の瓶』の問題も花瓶の中の球の複製の再現に複製中の未完成の球をわざと暈して描く図を持ってもしかして算額の動的を掻き立て始めたようだ。それで、私達もあのような描き方を使い直して今回出来た算額に図を生々しくしたのさ。

 松澤先生と松山先生に提出したのち、開催者側に絡む役を担うとした二人の先生は私達が決めた算額の主題を記録し、お禰宜さんにその二枚の絵馬を奉納に渡した。あの二人のお禰宜さんがそれを二人のお巫女さんに再び譲渡し、お巫女さんの要求に応えて私達が拝殿に近付き、二枚の絵馬を再び受け止め、賽銭箱の口の上に置き、50銭の硬貨を納め、鈴を鳴らし、二回の手叩きで拝んだ。こうしてもう二枚の絵馬に祈願を書くなんて要らなかった、さっき書かれた算額が自身の題材の精神を神々に私達のお願いに化かして奉って下さったから。お巫女さんがあの二枚の絵馬を取り出し、絵馬の紅の紐で栗の幹の周りを囲んだ綱に絵馬を掛け、栗園のお詣りを完了したよ。

 栗の巾着を頂きお別れを言った上で、もう一つの祭祀場に自転車のペダルを漕ぎ直した。6時半になって黄昏もはっきり見えたが、電灯を光らせるほど足りなかったが、私達が来ようとしたのは、どれほど明るい黄昏の下でも御伽噺から出たように自身を大きな背景で隠す場所だったよ。したがるという訳じゃないが、時勢の影響の下でそうするしかない。だが自然も時勢の流れを把握し力を出しあの場所に物凄い盾を贈ったなんて絶妙なの。そう、栗園神社から西北へもう3㎞行ったと、箱根の山脈の下の森に囲まれた荻秀(おぎひで)寺に着けた。

 廃藩置県の前に鮮頓(せんとん)寺と昔の名称とされて人気な仏教のお寺だったが、明治時代の政府の力が田舎まで完全に及んだのちに、和尚さん達が神道らしく改名し、以後の年々に過激派に破壊されない為、お寺の外見を変更した。箱根の霊的に密集な森と繋がる利点を盾に、三年間経って入口への階段の両側で松と楠を森と合わせるように育んでいた。松と楠が成長したところで、和尚さん達が箱根の森からの地下水脈をお寺まで導くのをもう二年間掛かって叶えたって。設立以来ずっと箱根の新鮮な水源で生活しているが、ただ二つ目の支流を掘り上げてお寺の外見を228歳から四倍増加するほど古くしたよ。

 どんな風に水を使ってお寺を古くしたのか?成長したばかりの周りの林のお陰で、日光がいつも通り強く光らず分散され、段々お寺を灰色の影で庇っていたと同時に、僧侶達が毎日水やりをしたり階段とお詣りの空間を綺麗にしたりし、お寺ぐるみの湿度を非常に高めた。それらの条件によって、苔が生えたのが分かるでしょう。あの方法を繰り返した十年後、お寺が殆ど緑に溶けたようで、苔に特に階段と屋根を蒸されたよ。私達が着きお参りを始めた時の荻秀寺がそのままになったが、黄昏によって怪奇そうな場所に違いないだった。

 あるお坊主さんが私達を迎えに出てきた。それと同時に、お寺への階段も両側の灯籠に赤く黄色い灯りをされていたから、階段の実態がはっきり見られてお坊主さんの歓迎の目的を理解した。やはりね、まるで御伽噺に入ったばかりのように、両側の『人工の森』がトンネルのような暗みを階段の空間ぐるみに掛けていた気がした。お坊主さんの注意で、お寺が提供した草鞋を私達が履かせ、苔がさっぱり蒸した岩の階段を安全に登ることが出来た。

 お寺の広場に到着したと、古くしたが栗園神社より涼しくて爽やかな空間が感じられたよ。お寺のご住職様は金堂から登場し、穂柔(ほじゅう)と申し上げる法名をご自己紹介して下さった。50歳代になっただけだが、幕末から明治初期の変動がお目に掛かった少年期の仏教の信徒にとってあの歳が人を老けさせる十分だったそうだ。穂柔住職は二番目の支流を掘り上げ導いてきた団体の一人だし、何十年もお寺を最も大変守っている和尚さんだし、静脈のはっきり青く浮き出て硬そうな両手が彼の見た目の一番目立つところになった。

 小田原の一番大きい阿弥陀仏の像を祀ってから、穂柔住職の弟子達と小僧達が早速私達の所へ駆け込み知り合いと出会ったばかりげに挨拶をしていた。知り合いに決めってるね。このお寺に初めて詣でた時に爽快を取り戻す為に同い年の小僧達と話し掛けていた。大人っぽい少女になった現在の私としたら、彼らはもう成長出来たお弟子さん達となり、彼らの幼い頃と同じ小僧達をお年寄りのお坊主さんの代理できちんと育てる役を担うことになった。荻秀寺の皆さんは私達の夏祭りを知っていたが、単独の神道派の栗園神社に祭の敷地の儀式を行わせ、観察者として遠くで見ていた訳さ。政策の力のせいじゃなく、ただ仏教が雑な人間が集まる社会の催しに参加することを拘らないのが結構分かったよね。

 私達はある時間を過ごして話し掛けたのちに、同い年のお弟子さん達がこの午後の専門に戻り、楠から作った二枚の絵馬そして筆を与え、算額の儀式を継続した。楠ならご念珠の香木の割にまだ劣ってても、良い匂いが結構して完璧な『算額づくり』に期待したよ。それから、荻秀寺の裏側で栗園神社と同じ手続きを行った時、私達二人も算額の問題を出し上げたが、栗園の活気さと違って互いの問題の色が寒色と暗色を主に使って静粛さやお寺の過ごした荒波を映して形にされた。こちらは私の問題。竹に降り立つ雀・京都の密集な竹の森の中では、ある一匹の雀は竹のこちらそちらに飛び込み降り立つことを一日に何度も繰り返して竹の森の涼しさを楽しんでいる。飛行の間にこの雀は無意識に法則を表した。最初にある竹の一番低い枝から出発するとしたら、枝が生えた次の竹に降り立とうとする。こうして真っ直ぐ飛んでいくと、飛び立ち降り立つ毎に6間の距離が出来た。10回ほどその動作を繰り返した時、この雀が出発の竹に戻し、空中で幻の多角形を形にすることになった。もし仮に、一点目にする出発点で此奴が地面に0.8間高く立って、現在の高さをxにしたと、偶数の点でxを3間で増やしたり奇数の点でxを1間で減らしたりするという法則に飛ぶとしたら、此奴が包囲した地面の面積を求めよ。

 そちらは純彦君の問題。満杯し得ぬお風呂・ある戦国時代の兵士は重傷を負ってしまって、戦場を逃げ森の道を必死に這った途中で、神様の救済を頂いたように荒野の温泉を見付け出した。この温泉は2.5間の直径の円形の上面であり底が上面の7割であり2尺高い円錐台のお風呂の本質だ。見つかった時に温泉の水はお風呂の体積の3割しか占めなかった。例外なしで温泉の水も地下水脈より導かれ、別の入口に浸透する前にこの大きい凸凹で溜まってお風呂になった。凸凹に流れる速度が浸透の速度より3倍速いので、温泉の水平が段々上がったが、逃した水により下がったこともあった故に、お風呂が決して満杯される訳ではないのが分かる。あの兵士は重傷を治す為に早速お風呂に体を浸してお風呂の水平を非常に上がってしまった。重傷を治すのが一時間半掛かるとしたら、あの兵士の体重は14貫だとしたら、温泉の水はどれぐらいの水量を逃したのかを求めよ。

 今回は別々の背景の代わりに、『森』という同じ背景を決めて出題しちまったね。雀をはじめとする小さな生き物の住む竹の森、そして戦の苦痛を鎮めてあげる戦時の森。神社のお詣りで、私は安静の空間を収める鹿威しをはじめとする道具、純彦君は騒然の空間を掻き起こす羽根突きをはじめとする遊びをもとに算額を書いた一方で、お寺のお参りで、この二人共は仏教の哲理にさっぱり合わせる主題で思い付きをもしかして限っちまったようでしょう。ただ思い付きを制限に包むなんて派手に効いている。

 幼い頃からの詣で、そして三年間の色々なことにより、私達は仏教のお経の意味を理解出来て、段々仏教における話し合いを様々にし、そういう結論を纏めた。『命は無常だ』とか、『命は苦しさと幸せだ』とか、『人間の最高の要求は満足ではあるまいし、安堵だ』なのさ。だから、鳥居を自ら立てるほど神道を尊敬しているものの、仏教こそ私達の命の道がどれほど導くか教えて下さった。然し、暴乱の時代を過ごしてみたら、この国の仏教の信徒の多数派は残念に起源の道をわざと逆らっちまった。宗派の多様さを利用し、自分の軍隊を作らないことという絶対禁忌を破り、時代の事変に参加し、暴乱を深重にしちまったのが証拠で、起源の道に戻った信徒達に酷いお業を着せることになった。

 二人の先生が二枚の絵馬を提出した時に、受け試読した二人の若い和尚さんは非常に嬉しい顔をして見せたよ。多分私達が脳を尽きたほどの問題の内容じゃなく、今年の大会の良心な決定により嬉しかったようだ。「今更我々が受け取りになってしまったお業は遂に解消するのがあり得るんです」と言われたい顔に相違なかったね。和尚さんは二枚の絵馬をお守りと共に裏庭の中心である楠の大樹に掛けたのち、般若心経(はんにゃしんぎょう)を唱えてきていた。般若心経の与えて下さった影響により、どうか私達『花火團』と友達は頭で、後の苦労な試練を乗り越えられると信じている。それと同時に、私の懐中時計の中のパズルピースも音を鳴らさずにそっと振るっていた。あの謎の博士も私達が成功し続けて欲しくて堪らないでしょう。明日には、アメリカから条約の結果が通報され、新たな試練が出てくるよ。

 挿絵(By みてみん)

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