プロローグ
わかってるわ、あなたのせいじゃないの。あなたは何もしてないんだもの。
ただね、あなたがそう思っていても、そうじゃないと思う人の方が多いのよ。
私だってあなたのことを守ってあげたいと思っているけど、どうしてあげることもできないの。
実際に……起こりすぎてるでしょ? 偶然だって言い切れないくらい。
あなたにそのつもりがなかったとしても、あなたが原因かもしれないじゃない?
ううん、きっとあなたが原因なんだわ。だってそうでしょ? あまりにも重なりすぎるんだもの。
幽霊の仕業だなんて言い出すのは頭がおかしくなった証拠よ。
だけど……多分、普通じゃないんだわ。あなた。
自分でもそう思うでしょ? 自覚してるんでしょ? こんなの普通じゃないって。
それでもね、あなたが近寄らなかったらいいんだと思うの。
あなたが原因なんだから、あなたさえどこかに行ってしまえばみんな安心して暮らしていくことができる。
自分の力でどうすることもできないなら、そうするしかないでしょう?
あなたの意思じゃないっていうなら、それが本当なら、言うことを聞いてくれるわよね?
ねえお願い、どこかに消えてちょうだい。
そうすれば私は、あなたを恨まずに生きていけるから。
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