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鬼姫様が征く異世界道中記~地獄の沙汰も金次第だが、私にも慈悲はあるぞ。  作者: あまのやぎ
第1章~鬼姫様、異世界に!
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そして、真面目な話が始まった。

キサラは、普段は若干男性的な話し方をします。

彼女の前世の職場には野郎が多かったので。

「お母様、元気出して。」

「ごめんなさい、マリナ。」


 結果だけ言えば、私達はヴィレイム辺境伯が暮らしている領主館に向かっている。

 それで、先程の会話は、レイチェルと次女のマリナだ。

 何故、レイチェルが泣いているかと言うと……



 ~回想~


「ご招待を受けさせて頂きます。」

「招待を受けるよ。」

「良かった。でも、ちょっと行きたい所があるから、それが済んでからで良いかしら?」

「問題ありません。」

「構わないよ。」

「場所も、此処からそれほど離れていないけど、17年振りに人と会う約束をしているから、悪いけど少し待ってて欲しいのよ。」


 ……まさか!?


「レイチェルが、その会う約束をした人物と言うのは、『カリス』と『メルナ』ですか?」

「そうだけど……貴女は()?」

「改めて自己紹介をさせて頂きます。カリスとメルナの子『キサラ』で、年は15歳です。」

「……嘘! あの2人の子供なの?」

「はい。」

「17年前にいきなり居なくなって、そして、1週間前にいきなり手紙を寄越したから文句を言う為に来たら、こんな娘が居たなんて!」

「両親とは、どういった関係で?」

「学園時代の友人よ。」

「……そうですか。きっと両親も喜ぶかと思います。」

「お母様、お話はまだ続きますか?」


 レイチェルの背後から来た少女は、台詞から娘だと思う。


「レイチェル夫人、こちらの令嬢は?」

「ご挨拶を。」

「はい、お母様。初めまして。私はヴィレイム辺境伯が次女の『マリナ=ダナン=ヴィレイム』です。」


 マリナの自己紹介の後、私達は、「あたい」の家に向かった。

 そして……


「……嘘、よね?」

「……生前は両親が御世話になり、故人に代わり篤くお礼申し上げます。きっと、天に昇った両親も喜んでいる事でしょう。」

「……カリス、……メルナ……」


 レイチェルを残して私達3人は墓前から離れた。



 ……1時間後に、私達は馬車に乗った。


 勿論、私は「あたい」の想いから再び封印した。

 ソーマやレイチェル達は、驚いていたが両親から習ったと言ったら納得した様だ。

 後、私は、愛読していた書物に(なら)って、盗賊から現金と金目の物から渡し賃の銅貨6枚を残して全て剥ぎ取ったら3人共に引いていたわ。

 更に、異空間収納にも驚いていた。

 私が「あたい」の時も両親の反応が普通だったから、この世界では当たり前かと思っていたのだけど……


 ……あれ!?


 そして、ソーマが生け捕りにした盗賊共に尋問した所、やはり両親の「(かたき)」だったのだけど、「あたい」の両親は「(つい)で」だったみたいで、どうやら、本命の狙いはレイチェル達だと判明した。



 ~回想終了~


 馬車の中では、我慢出来なかったのかレイチェルは再び泣き出してマリナに慰められている。

 だから、私は疑問に思った事をソーマに聞いた。


「私は暮らしていた、で良いとして。何故、ソーマは、あの森に居たの?」

「ん、ああ。信じてくれないだろうけど、全くの偶然で、俺の気紛れだ。」

「分かったわ。」

「信じたのか?」

「返答が、気紛れならどうしようもないわ。」

「そうだよなぁ……」

「けど……」

「けど?」

「けど、あの状況で、人命救助の為に単身で戦いに身を投じたソーマの『勇』と『仁』は、私は認めてあげるわ。」

「……ありがとう。」


 ……どうやら、領主館が有るという都市に到着した様ね。


 門番は、私達を確認しただけで終わり、引き連れた盗賊共を門番に渡して、私達一行は領主館に到着したわ。

 そして、レイチェル達がお風呂に入るという事で、私達も来客用の部屋を宛がわれ、その部屋のお風呂を使わせて貰った。


 ……しかし、「あたい」の人生だと15年振りで、「私」としては、数時間振りのお風呂だわ。

 私は、こう見えても兄弟姉妹(きょうだい)の中で、一番の綺麗好きで通っている。

 そして、私は異空間収納から、私専用の「シャンプー」や「コンディション」に「リンス」や「ボディソープ」で、綺麗に洗ったわ。

 ……そういえば、前世の私には出来なかったけど、今の私なら出来るのではないだろうか。

 ちょっと試しに……

 身体の中の魔力は……有った!?

 循環は……出来た!

 イメージは……書物から充分に有る。

 異空間収納から、筆と墨を出して右手に「X」を書いて……


洗浄(クリーン)


 私は、閉ざしていた目を開けて、右手の「X」を見ると、見事に消えていた!


「成功したわ!」


 これで、今後はお風呂に入れない時の最低限の身嗜みが出来るわ!


 ……あまり待たせるのは、先方に失礼かと思った私はお風呂から出て、「あたい」の一張羅を出して着た。


 部屋から出ると、メイドが待っていて案内された部屋に入ってみると、既にソーマが居てソーマの隣に座り2人で待っていると、初対面の男性とレイチェルと執事らしき男性が入って来た。


「待たせて済まない。私が、この都市の領主の『カーレル=ダナン=ヴィレイム』辺境伯だ。」

「執事のナイザです。」

「初めまして。私は、キサラです。」

「初めまして。俺は、ソーマです。」


 そして、レイチェルは少し紅潮した顔をしていた。


「……メリナのバカ。まだ持っていたなんて。」

「どういう事でしょうか?」

「キサラ。貴女が着ている服は、私が学園時代の時にメリナに買って上げた服なのよ。」


 私は、周りの許可を頂き、一旦退室し、隣の部屋を借りて着替えた。

 この一張羅が形見ではある事には変わりないけど、そういう思い出の品でもあるのなら、話は別だわ。


 着替えた私は、(みな)が待っている部屋に戻った。

 レイチェル、そんな残念そうな顔をしても、もう普段使いはしないから着ないわよ。


 そして、真面目な話が始まった。

 内容は、レイチェルと次女マリナが、盗賊共に襲われた事に関してなのだから。




暖かい応援メッセージと星の加点をお願いします。


イメージ声優「葛城ミ○ト」

「喜べ男子。女主人公だから『叡知』は無いが、サービスカットは、多めの予定らしいぞ!」



貨幣について


 銅貨10枚=大銅貨1枚

 大銅貨10枚=銀貨1枚

 銀貨10枚=大銀貨1枚

 大銀貨10枚=金貨1枚

 金貨10枚=大金貨1枚

 大金貨10枚=白金貨1枚

 白金貨10枚=黒金貨1枚

 黒金貨10枚=虹金貨1枚

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