表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
鬼姫様が征く異世界道中記~地獄の沙汰も金次第だが、私にも慈悲はあるぞ。  作者: あまのやぎ
第1章~鬼姫様、異世界に!
15/26

……事実は小説より奇なりって事なのかしら?

必ずしも、何か有るとは限らないという事です。

「答える必要がある?」

「……無いわ。」

「帰っても良いかしら?」

「いいえ。まだ本題が残っているわ。」

「本題?」

「ええ。貴女達の近接戦闘力は素晴らしいわ。でも、場合や状況に因っては、近接では不可能になる時があるわ。そうなると、貴女達では対処が出来ないわ。だから、私達のパーティーに入らない? 私達のパーティーはどちらかと言えば、遠距離の方が得意なパーティー構成になっているの。どうかしら? それに、私達のパーティーには男性が居ないから、その辺りも安心して良いわ。」

「悪いけど、お断りするわ。」

「何故?」

「私達は、何も近接戦闘だけのパーティーでは無いからよ。私達は『魔法』も使えるわ。勿論、実戦で、ね。」

「!?」

「私達を心配しての勧誘は嬉しかったわ。」

「……分かったわ。話は以上よ。」

「それでは、失礼するわ。」


 こうして、私達は冒険者ギルドを後にするのだけど、パーティーでリン達と過ごすのなら、「パーティー名」が要るわね。

 考えておきましょう。


 とりあえず、私達は冒険者らしく夜営用の道具や衣類を揃えたり保存食を1週間分を買って、私の異空間収納に仕舞ったわ。


 翌日


 言われた時間通りに冒険者ギルドに行き待っていると、商人4人と馬車2台が現れたわ。

 因みに、私達を入れて昨日の合格者は8人よ。


「お待たせしました。此方の方々が今回護衛してくださる冒険者の方々ですか?」

「はい。私達2人がリーダーで、此方の8名とで護衛をいたします。」

「分かりました。よろしくお願いします。」


 ……茶番ね。


 この商人4人は、私達と同じ冒険者ね。

 しかも、最低でも経験を積んだCランク冒険者よ。


 ……なるほどね。

 不測の事態等が起きた時の為や、何も無かったとしても、この4人も審査員という訳ね。


 そして、出発したわ。


 行きは、ソロの冒険者が前の馬車を護衛して、私達は2台目の馬車の護衛をする事になったわ。


 道中に、2回ゴブリンの襲撃を受けたけど、私達も難なく首狩りの一撃で撃退したわ。


 そして、大した問題が起きる事もなく、目的地の町に到着した。

 その後、明日の出発までに関する事の説明を受けると、私達は指定された宿屋に行き、護衛中の問題点等を意見交換して、町に散策したわ。


「流石に、王都から半日の町ね。思っていた以上に賑わっているわね。」

「そうですね、キサラお姉様。」

「キサラ姉、何処に行く? あたい、甘い物が欲しいな。」

「サラ!」

「構わないわよ、リン。そうね。私も欲しいから甘味処に行きましょうか。」

「やったー!」

「キサラ姉さん、それなら、あの中が見えるお店はどうかしら?」

「良いわね、レナ。そうしましょう。」


 そして、私達は天然素材(はちみつ)の素朴なお菓子を食べると、町の散策を再開したわ。


 ……書物のテンプレを期待していたのだけど、ナンパも闇組織も、モンスターの大群とか、全く、何も無く、翌日を迎え、あっさりと王都に到着した。


 ……いや、一応は盗賊が現れたのだけど、見事に私達以外は盗賊に殺されたわ。

 商人(偽装したベテラン冒険者)が止める間も無く突っ込み返り討ちを喰らい死亡したわ。


 ……事実は小説より奇なりって事なのかしら?


 私達的には問題無いから「全く、何も無く」とか「あっさりと王都に到着した。」と思ったわ。


 そして、私達はCランク冒険者になった。

 Cランク冒険者になった私達が最初にしたのは、返り討ちにした盗賊のアジトに向かい、貯めたお宝を回収する事だったわ。

 既にアジトの場所は聞き出している。


 ……随分と貯めていたのね。

 現金だけでも白金貨50枚以上を手に入れたわ!


 アジトに居た盗賊を専用の袋に入れてから異空間収納に仕舞うと私達は、アジトを破壊して、王都に帰り、盗賊の討伐報酬を貰い要らない装備品を売って、屋敷に帰ったわ。


 3日後に、私達はソーマ達に旅立ちを伝え、更に2日後に私達の馬車で出発したわ。

 因みに、馬車の内部とかは、キャンピングカーみたいにしてあるのよね。


 ……ちょっと憧れていたから。


 勿論、偽装を施した上で、チートな馬車に魔改造を施したわ。

 コンセプトは「安全・快適」よ!

 馬車の土台や車軸を「魔鋼鉄」という鋼材を使い、隠しスプリングを取り付け、衝撃に強いゴムの様な皮膚を持つモンスターの皮をタイヤ代わりに使い、箱馬車にしてあるのだけど、外装には、耐火・耐水・耐刃の付与を施している。

 まあ、ファンタジー版装甲車って所ね。

 内装も、ソーマからも素材を買い付け妥協を一切無しでやったわ。

 それと、外見は地味よ。


 そして、馬車を牽く「馬」は、私が召喚した「馬頭鬼(めずき)」を採用しているから楽だわ。

 当然、一般的なちょっと高級な馬に化けている。


 それと、御者は、これまた私が召喚した鬼女に任せているわ。

 折角、兄さんや姉さんから貰ったんだもん。

 使わないとね。


 後、蛇足だけど、第3王子や周りの側近が、病気で療養中らしいわね。


 ……つまり、本人だけじゃなく周りも、という事はそういう事よね。


 一応、ソーマには言ってあるから大丈夫でしょう。


 こうして、私達は、気になるリンの故郷に向けて出発したのよ!



暖かい応援メッセージと星の加点をお願いします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ