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鬼姫様が征く異世界道中記~地獄の沙汰も金次第だが、私にも慈悲はあるぞ。  作者: あまのやぎ
第1章~鬼姫様、異世界に!
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あの2人を買うわ!

今の所、レギュラーは揃いました。

 さて、私達が向かっているのは、王都の筆頭奴隷館よ。

 理由は、リンの背中を守る為ね。

 周りに私達だけなら、別に問題無いわ。

 前鬼や後鬼達を召喚すれば事は足りるけど、第3者が居れば話は変わるわ。

 何か有った後では遅いのよ。

 そういう訳で私達は奴隷館に向かっている。

 それなら何故、「奴隷」なのかと言うと、私の秘密が漏れない為よ。

 その辺りをクリアする仲間を、普通に冒険者達から見つけるのは難しいわ。

 そんなに都合良く居るとは思えないし、リンは奴隷の立場だから差別を受ける可能性が有るわ。

 そういう訳で、余程の理由が無い限りは、私達の仲間は奴隷から見つけるつもりだし、書物の異世界系の主人公達が仲間に奴隷を選ぶ理由が分かるわ。


 例えば、日本人が政情不安定な国に行き、その国できちんとした立場の人間と正式に契約書を交わしてから雇うのと、現地の適当な人物を雇うのとではどちらが「信用」出来るかしら?


 さて、王都の筆頭奴隷館に到着したわ。

 とりあえず、私は案内係に白金貨数枚見せながら応接室に案内されて待っていると、言ったら悪いけど、職業のイメージに合わないイケオジが現れたわ。


「私、当奴隷館の館主の『ガレブ』と申します。」

「私は冒険者のキサラよ。それと私の奴隷のリンよ。」

「貴女が、あの『鬼姫』ですか。」

「そうよ。」


 どんな職業であれ、一流なら情報収集の重要性は知っている筈だから、私の事を知っていたとしても驚かないわ。


「それで、本日、キサラ様は当奴隷館にどの様なご用件でしょうか?」

「リンと同じ14歳前後の同性の奴隷を買いに来たわ。」

「畏まりました。それで、此方の方で私が選んだ奴隷をお待ちになりますか? それとも、ご不快な点が有るかもしれませんが、直接ご覧になりますか?」

「……そうね。見逃しは避けたいから直接見るわ。」

「畏まりました。それではご案内いたします。」


 私達は、ガレブの勧めで一応、順に奴隷を見て行ったわ。

 大人の奴隷から、少年少女の奴隷と。

 でも、人族は範囲外だわ。

 人族では、獣人族の動きに付いて行けそうに無いから。


 次に、獣人族の奴隷を、最初は大人から始まり、リンと同じ位の年齢の奴隷を見たけど、何も引っ掛かりが無かったわ。

 勿論、良い()は居たのよ、観賞用なら。


 ……まさか、テンプレかしら?


 ガレブも案内した以上は、損だけは防ぎたいみたいで渋々、廃棄予定の欠損奴隷の部屋に案内したわ。


 ……テンプレでした。


 出逢った時のリンに負けず劣らずな状態の、とある奴隷2人の「魂」を見た私は言った。


「あの2人を買うわ!」

「……宜しいのですか? キサラ様が選んだ奴隷2人は怪我の影響で、両目の視力を失い、首の怪我の所為(せい)で話す事も出来ず、両方共に尻尾も無く、片方は左腕と右足を欠損して、もう片方は両腕を欠損しているのですよ?」

「問題無いわ。」

「……畏まりました。」

「それと、2人共、奴隷環から奴隷紋に、それから身体の洗浄と、清潔な服をお願いするわ。」

「畏まりました。」


 私は、2人に奴隷契約を交わして、色々合わせて金貨14枚だったけど、馬車の手配もお願いしたから、大金貨2枚とチップ代わりに金貨2枚を支払ったわ。


「キサラ様、奴隷のお買い上げありがとうございます。

 またのお越しをお待ちしております。」


 馬車の御者に行き先を告げると、私は買った奴隷に話し掛けたわ。


「安心して。私は貴女達2人の誇りを傷付ける様な事はしないわ。」


 そんな風に2人が少しでも安心出来る様に話し続けているとソーマの屋敷に到着したわ。


 私とリンでそれぞれを抱えて私達の部屋に入ったわ。

 途中でリズ達と会ったけど、私が「また後で」と言うと下がってくれたわ。


「さて、先ずは身体を治しましょう。」


 私はそう言うと2人の身体を完全回復(パーフェクトヒール)で治した。

 そして、2人はお互いの完全回復した自身の身体を確かめ合い涙を流しながら喜んでいたわ。


 2人は落ち着くとお互いの自己紹介を始めた。

 序でに、私の事を「お姉さん」呼びをお願いしたわ。


「キサラ(ねえ)、廃棄予定だったのを買ってくれた上に身体を治してくれてありがとう。」

「キサラ姉さん、廃棄予定だったのに買って貰って更に身体を治してくれてありがとうございます。」

「やっぱり、2人共、名前が無いのよね?」

「「はい。」」

「う~ん。狼人族と狐人族か……。両親からは、どう呼ばれていたの?」

「あたいは、サリーナって呼ばれていた。」

「私は、レナマーナと呼ばれていました。」

「それなら、貴女は『サラ』で、貴女は『レナ』よ。」

「キサラ姉、ありがとう。」

「キサラ姉さん、ありがとうございます。」


 ……良いわー!

 これで、可愛い義妹が3人になったわ。

 いっそうの事、2万人と3人作ろうかしら。

 単価18万かぁ……。

 この世界なら、1年有れば全額揃うわね。


 ……ちょっと妄想に走ったけど、あれから3ヶ月が過ぎて、ソーマはシャンプーとリンスとボディソープと平民向けの石鹸の開発に成功して販売を始めたわ。

 材料やレシピを提供した私には、純利益から1割が入る事になったわ。


 次に、サラとレナも冒険者に登録して遂にDランクになって、これで一緒にCランク昇級審査を受けれるわね。

 サラは、風魔法と身体強化魔法と格闘術が得意で、レナは、火魔法と槍術が得意だわ。

 試しに、レナに薙刀を渡してみたら、気に入ったみたいで、レナの主武器は薙刀になった。

 それに合わせて、サラにはチャイナドレス風の装束を、レナには巫女風の装束を用意したわ。

 武器も、サラにはガントレット系を、レナは勿論、薙刀を用意したわ。


 ……仲間も増えたのだけど、重大な問題も発生したのよね。


暖かい応援メッセージと星の加点をお願いします。

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