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鬼姫様が征く異世界道中記~地獄の沙汰も金次第だが、私にも慈悲はあるぞ。  作者: あまのやぎ
第1章~鬼姫様、異世界に!
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プロローグ~鬼姫様、異世界に立つ!

新作です!

「地獄の沙汰も金次第」から、生まれました!

よろしくお願いいたします。

 ……あたい、いや、私は頭痛を(こら)えながら、隠れていた地下の倉庫から出て周りを見渡す。


「……うん。思っていた以上に、『私』になった事で心の傷みは無いけど、恩や人情は感じるわね。」


 15歳の誕生日に、私はこの世界に於いての両親が、既に命を断たれた姿を見ても私の心は悲しみに沈まなかったわ。

 私は、2人の亡骸を渡り賃と一緒に丁重に埋葬(まいそう)して、旅支度を始めたけど、必要な物資は地下に私と一緒に放り込まれたから無事だった。

 そして、私達3人の家は、私が使える最高の結界術で保存して封印したから、「あたい」の両親は安息の眠りにつけれるわ。


 ……そして、(あたい)は墓前に手を合わせる。


「これで、此処が(あば)かれる事は無いわね。」


 さて、とりあえずは、色々と確認しましょうか。

 五感は……問題無いわね。

 膂力(りょりょく)は……うん。石がきちんと砂になる、と。

 脚力は……周りの木々よりは高く跳べているわ。

 身体の頑強は……うん。大地に少々めり込んだけど問題無いわね。

 異空間収納とやらは……問題無く使えるみたいで、愛刀も取り出せる、と。

 (めん)も……出せるわね。

 先程の結界術で分かっていたけど、私が以前、使用していた「術」は、(すべ)からず十全に使えるみたいね。


 この世界の猛者(もさ)が、どれ程か楽しみだし、この世界から生み出された知識に、食事やお酒も楽しみだわ。

 いえ、今生の両親が作ってくれた料理は美味しかったけど、調味料が「塩」と周辺の森から採取した「香草」だけだったから。 


「さて。この世界の女神の依頼を受諾した以上は成し遂げないといけないし、とりあえずは、この世界の住民を探すとしますか。」


 ……こうして、私の異世界道中記が始まった。


「ええと。こういった場合は、テンプレが発生すると書物では書かれていたけど……」

「きゃあああーーー!」


 ……本当に起こった!?

 とりあえず、悲鳴の出処に向かわないと。

 私は、この世界に於いての覚えている知識等は範囲が狭いから、助ける事で恩を売り、この世界への足掛かりにする為に悲鳴の方向に向かったわ。


 私は、悲鳴のする方向に駆け付けると、そこは既に血を流れる戦場と化していて、只1人、孤軍奮闘している少年が居るけど、暴漢の数が多くて制圧するのは、今少し時間が必要みたいね。

 それに、(かたき)かもしれない連中なら慈悲は必要ないわ。


「助太刀します。」

「助かる。」


 私は1人孤軍奮闘している少年に手を貸す事にしたわ。


「アイスニードル!」


 うわぁ!

 攻撃魔法だわ!

 ……初めて見たわ。

 私にも、使えるのかな?

 ……まあ、似たような事なら、私もそれなりに出来るのだけど、隣の芝生で、やはり攻撃魔法は憧れるわね。


「……終わったわね。」

「……ああ。」

「どうしたの?」

「助太刀には、感謝しているが容赦無いな。」

「別に問題無い筈よ? 転がっているこの者達は盗賊なのでしょう?」

「確かにそうだが……」


 ……そんなに変かしら?


「悪人に掛ける慈悲など必要無いわ。むしろ、私にしては手心を加えた方よ。全て、一刀両断の首斬りで、終わらしてあげたのだから。」

「……そ、そうか。」


 本来なら、悪人には罪を認めさせて、罪を償わせる為に拷問に掛けるのが常識よ。

 それに、罪状を調べる為の生き証人なら、少年が確保していたみたいだしね。


「怪我は無いか?」

「無いわ。貴方は?」

「俺も無い。……そういえば自己紹介をしていないな。」

「私の名前は、鬼……キサラよ。」

「俺の名前は、ソーマだ。」


 お互いの名前を伝えた所で、向こうの代表と思われる人物が近付いて来たわ。


「救援に感謝する。我が主がお礼をしたいと言っている。来てくれないか?」

「「分かった。」」

「あれ?」

「あ、ああ。俺も悲鳴で駆け付けたんだ。」

「そうなの?」

「とりあえず、来てくれないか?」


 こうして私とソーマは、この集団の主とやらの所に向かったのだけど、馬車から出て来たのは成熟した女性だったわ。


 ……貴族とかの令嬢じゃないの!?


「危ない所を助けて頂いてありがとうございます。」

「お気に為さらずに。」

「そうだな。」

「そういう訳にはまいりません。是非、屋敷に招待して、お礼をさせてください。」

「ソーマ、どうしたら良いのかしら?」


 私は、「あたい」としての記憶からは、最適解が浮かばない為に、ソーマの対応を参考にする事にしたので、ちょっと場から離れた。


「受けるしかないな。商人なら、お礼に安く買い物が出来るだろうしな。もし貴族なら、断ると後で後悔する様なお礼をしてくるからな。」

「否定はしません。」


 いつの間にか、女性が後ろに居たわ。


「自己紹介をさせて頂きますね。」


 そう言って、両手でスカートを摘み少し上げ拡げて会釈をした後、私達を真っ直ぐに見据えて言ったわ。


「私は、この領地を国王陛下から賜り治めている『カーレル=ダナン=ヴィレイム』辺境伯が正室『レイチェル=ダナン=ヴィレイム』です。」

「やっぱりか~。」

「ソーマ、どういう事?」

「ちょっと考えれば簡単だよ。森の中層手前で、紋章付きの馬車に、訓練を受けていると思われる動きをする、言葉使いが綺麗な護衛が就いているからな。」

「……なるほどね。」

「それで、2人の返答は?」




暖かい応援メッセージと星の加点をお願いします。


キサラ……

気付けば、お気に入りの「名前」になっていました。

結果、この名前を主人公にした作品を出す事になりました。

勿論、同じなのは、基本的には「名前」だけです。

当然、彼女が振るう刀が、彼女の本体という「オチ」はありません。


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