3話 魔法
魔法についての説明が複雑すぎて読むのがだるいと思いますので、流し読みでふーん程度に思ってください。
部屋に着き、満腹になった私は寝るのには時間が早いと思い、魔法を試す事にする。
とりあえず、ステータスを確認してスキルなどに変化が無いかを確かめる為に表示する。
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【スキル】
剣術 Lv.9
槍術 Lv.8
体術 Lv.8
炎魔法 Lv.10
聖魔法 Lv.8
無魔法 Lv.2
魔力制御 Lv.1
異界言語 Lv.--
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無魔法のレベルが上がっていたので、良しと思い分霊さんのチャットで魔法の試す方法を聞く。
『魔法についてだけど、必要になるのは魔力とイメージの二つで、魔力は魔法と言う事象を発動する為の燃料で、そこにイメージでどんな事象にするかを決めて、それを具現化するが魔法になる』
それを読んだ私はある種の絵画の様な物に思えた。
絵画に使われている絵の具が魔力で、それを使って描くのがイメージとなって出来た作品が魔法となる感じに思えた。
『例えば水を生成だけの魔法の【ウォーター】のイメージは地球で言うところの蛇口から水が出るようにイメージすると成功して、この世界では他人の【ウォーター】を見てそれをイメージすると成功する感じになっている』
それを読んで、この世界のイメージの仕方が地球での職人が弟子に対して"見て技術を覚えろ"見たいな感じなのかなと思う。
『ミカエルさんは魔法を絵画の様に例えたけれどそれも間違いでは無く、人によってイメージの仕方が変わるからそれでもいいと思うよ』
(?!?!?)
唐突に思った事を読んで来たので、やはり何かこの体に細工でもしてあるのかと思えた。
『ただそうなるとミカエルさんの使う聖魔法と無魔法は少しイメージがしずらいと思うから、少し違う考えも持つと楽だよ。例えば聖魔法やそれが元となった光魔法は回復魔法が有名な魔法だけど人体の怪我などをどう回復させるかは地球にある人体解剖図を考えて魔法を行使すると成功しやすくなるよ』
その説明に頭の中で"?"が浮かび、そう思っていると説明が追加される。
『簡単に言えば絵画に人体の解剖図があるとして、怪我をしている箇所がある場合は欠損しているなら、その欠損箇所を元の人体図に戻す様に内臓や骨などの中に人体の中にある箇所を描き直していき、それが描き終わったら次に筋肉などを描いて後は表面の皮膚などを書けばそれで怪我は元通りに治る。つまり絵画を例にした回復魔法は要するに書き足しや修繕と言った方法になる』
成程と思い、書き足しや修繕が絵画を修復するのと同じ様になる事がわかる。
『まあ、毒や病などは人によって異なるが、絵画のイメージなら対象となる箇所が色が変色している感じだからその色を元の色に治すと丁度いいかもね』
そんな感じに説明を読んでいたので、チャットに次に無魔法を使うイメージを教えてと分霊さんに聞いた。
『無魔法ね……まぁ無魔法は殆どがイメージする事が無いからどちらかと言うと身体強化の魔法は強化する箇所を魔力を集中させる感じになって、そこから強化箇所の魔力の浸透度合いに応じて威力も変わると言う感じかな』
回復魔法のイメージを聞いている時に、何故身体強化の魔法である【フィジカルブースト】が使えたのか少し疑問に思ったが、イメージより意識と言う形だった事から身体強化の魔法としては中途半端な物であったと思った。
『そして防御魔法はガラスの壁を意識して、そこに魔力を流し込み、そこから強化魔法と同じ様に魔力の浸透度合いによって強度が変化する感じになっているよ』
そう考えると魔力がそれなり有れば強化としては最上なのではと思っていると『少し違うな』と返答される。
『確かに魔力が多ければ魔力の浸透した密度も優れているが、それには回数の限度がある。だから防御魔法の得意な人と魔力が馬鹿多い人が同じ強度の防御魔法を使用しようとすると、人によっては10倍近い魔力の消費差になるから、防御魔法は魔力を上手く浸透を出来るよう厚さは薄く魔力の浸透度は濃くが防御魔法の秘訣さ』
それを読んで慣れるまで少しかかりそうだなと思った。
それを考えて寝るまでの間に練習しようと思う魔法はやはり無魔法になる。
そう思った私は空中にガラスをイメージしてそこに魔力を流して防御魔法を試してみる。
すると薄らとガラスをイメージしていた場所が青白く光り、イメージを崩さない様に防御魔法を軽く叩くと確かにそこに当たる何かが生成されていた。
その防御魔法を生成しながら私は次の魔法に入る。
次の魔法は身体強化の魔法で魔力を対象に集中させる為に始めはわかり易い右手から始める。
右手に魔力を集中させて次に右足、左足、左手、右手と集中する箇所を変えて強化していく。
これは戦闘の際に攻撃を一手で終わる事は不意打ちや想定外の事がないと殆ど成功しないので、二手三手と次の攻撃の際にも強化した攻撃が出来る様にする為である。
しかし、慣れていない私は始めから戦闘と同じ様な強化の切り替えは難易度が高いので、確実に強化して次と言う形で強化していく。
♦︎ ♢ ♦︎ ♢ ♦︎ ♢ ♦
それから三時間程やると流石にこの体でも魔力の消費がキツくなったのか体が少しダル重い感じになる。
そして現在の時刻は22時を過ぎたくらいになったので寝るにはちょうど良いなと思った。
しかし、今日一日森の中を進んだりしていたので汗をそれなりにかいていた事から少し体を綺麗にしてからの方が良い。
なので聖魔法の基本魔法である光魔法を使用して体を綺麗にする。
絵画に自分を投影して、その投影した体に汗や砂埃といった汚れを薄い茶色のシミの様な物で再現して現す。
後はその汚れを消す様に色を塗ってシミの様な物を消して、汚れの無い自身の体する。
「【清浄】」
そう唱えると体が薄く光り絵画の通りに自身の体の汚れが消えてスッキリとした感じになる。
「ついでに【清浄】」
続けて洗濯も兼ねて来ていた服などにも清浄をかけて綺麗にする。
「ふぅ、ヨシ!今日は疲れたし寝よう」
洗濯も終えた私は疲れに身を任せてベッドに寝転び、そのまま睡眠するのであった。
︎♦︎ ♢ ♦︎ ♢ ♦︎ ♢ ♦
朝、時報を知らせる鐘がタルタスの都市内に響き、その鐘の音で私は目を覚ます。
起きてからは普通に着替えて、清浄の魔法を使い身を整えて下の酒場兼食事場に向かう。
酒場は昨日の酒盛りでや盛り上がっていた男達が数人伸びていて、宿屋の受付には筋肉質の男がいた。
「早い起床だな、お嬢ちゃん」
「はい、昨日森の中などを進んでいたので疲れていたので、早めに寝て鐘の音で起きた感じです」
「成程、お嬢ちゃんの年齢なら健全な生活リズムだな」
「それで朝食を食べようと思ったのですが、今の時間有りますかね?」
「そうだな……無い訳では無いが選べないぞ?」
「大丈夫です」
「そうか、なら銅貨1枚だ」
料金を支払うと「席に座って待ってな」と言って男は厨房の方に向かった。
私はその言葉の通り空いている席に座って待つ事にして数分後。
「ほい、野菜スープのセットだ」
男が厨房から食事を持ってきてくれる。
朝食となる野菜のスープは見た目葉野菜が多い感じで、量もそれなりに入っていて腹持ちも良さそうだった。
「それではいただきます」
野菜スープを口に入れると多少香辛料の効いているが、香辛料は強過ぎずむしろ優しい感じで、朝食にあっている感じだ。
その後は昨日のシチュー同様パンを浸して食べて、数分が経ち完食した。
「ふぅ、ごちそうさまでした」
「おう、良い食いっぷりだなお嬢ちゃん」
「それは料理が美味しいからですよ」
「それはそうだ、妻の作る料理はここらではトップだからな」
どうやらこの料理は男の奥さんが作っている様だ。
「それでお嬢ちゃんは今日はどうするんだ?」
「そうですね、ギルドが開いているなら書庫で情報収集して午後から依頼をしようかと」
「そうか、頑張って行けよ」
「はい」
男が食器を片付けた事を見た私はそのまま冒険者ギルドに向かうのであった。
♦︎ ♢ ♦︎ ♢ ♦︎ ♢ ♦
冒険者ギルドに着くと朝の8時だからか人の数は少ないが、いない訳ではなく冒険者は数人いる感じであった。
私はそれに気にする事なく受付に向かい書庫の使用申請をする。
「書庫を使用したいのですが、良いですか?」
「ええ、大丈夫ですよ。少しお待ちください」
対応してくれたのは昨日の登録の際に対応してくれた受付嬢で棚から札を取り出す。
「こちらが書庫の使用札になります。退出した際にこの札を返却してもらえるようお願いします」
「わかりました、それでは使用料を渡しますね」
そう言って私は使用料となる銅貨3枚と担保として銀貨1枚を渡す。
「ちょうどお預かりしました。お帰りの際使用札の返却した際に銀貨は返却されます」
「わかりました、それでは」
そう言って私は受付を後にする。
書庫があるのは冒険者ギルドの二階に上がり、幾つかある部屋の一室で書庫と立て札がされている部屋を見つけて中に入る。
中は本が多く蔵書された横10メートル、高さがギルドの天井と同じくらいの5メートルの本棚が幾つも並んでいた。
「さて、調べ事をしますか」
そして私は蔵書の海に集中していくのであった。
♦︎ ♢ ♦︎ ♢ ♦︎ ♢ ♦
「ふぅ……」
あれから4時間近くぶっ通しで本を読み色々な事を知れた。
調べた物は、周辺地形についての地図、魔物や薬草などの群生地についての本、冒険者の心得本の三つである。
この中で始めに読んだのが冒険者の心得本はその名の通り冒険者としての心得が書かれている本で、冒険者ギルド創設者の1人が書いた本で、冒険者内ではかなり有名な本だと言う。
ただ読んだ感じ冒険者としてのルールや人との常識などを守る事などが書かれていて、普通に十分程度で読み終わってしまった。
次に周辺地形は私がタルタスに入場した門は東門で主に森が広がり、奥に行くほど出現する魔物が強くなる為、未だその奥地は謎で満ちている魔境である。
次に西門は大きな川が流れており、このタルタスの側が辺境である他にその川の上流の付近にと言うのもありそれなり川の流れが早い為注意が必要な地帯。
次に北門は道が整備されていて、その先にダンジョンが存在しており、そのダンジョンに挑戦する為にかなりの数の冒険者が集まっているらしい。
次に南門はタルタスが所属している国であるオリンス王国の首都オリンスへの道になっており、人の行き来が多い場所でもある。
そんな感じで調べが出来たのである程度覚えておき、次に魔物や薬草の群生地については、調べたのは北、東、西の三箇所で、北の方はダンジョンへの道中にも魔物が現れる事があるそうで、東の森から流れ出た魔物の殆が森の浅い部分からの魔物である為、基本的にスライムやゴブリンが主になっていて、偶にスカイバードやフォレストウルフといった魔物が道に出現する事があるらしく、新人としては危険だと言う。
次に東の森は魔物がかなり居る魔境らしく、浅い部分だとスライム、ゴブリン、フォレストウルフ、スカイバードと言った魔物で討伐推奨ランクはE〜Dが主である。
そこから奥に行くとコボルトやオークと言ったランクD〜Cランク相当の魔物が出現する様になり、更に奥へ行くとオーガが闊歩する様になる。
そして深部は未だに謎であるが、ドラゴンなどの竜種が居てもおかしく無いと言う。
次に川の方であるが、ここは比較的平和な部類で、年に数回くらいで釣り人がキラーフィッシュという肉食魚に怪我人が出るくらいで、それ以外は基本的には事故でも無ければ怪我人もいない感じである。
そして薬草などについては、やはり東の森の方に貴重な薬草などが集中していて、常時依頼にある薬草なんかは東の森での浅い部分にもあり、なんなら北門からダンジョンへの道中にもあるので、初心者が入手しずらいと言うことはないらしい。
とりあえず調べた事はこのくらいで、私は調べごとをやめた。
それから読んだ本を片付けて書庫を後にし、受付に向かう。
「あら、調べ事は終わったかしら?」
「そうですね、今日のところはこの辺にして、午後から始めれそうな依頼受けることにしますけど、何かあります?」
受付に向かって受付に同じ受付嬢が居たので、受付嬢に書庫の使用札を返却して、短時間で終わる依頼が無いかを聞く。
「そうね、12歳って事は討伐系の依頼は不可能となると、都市内で受けれる雑用依頼ならあるよ」
「わかりました、何か良い雑用依頼って有りますか?」
「わかったわ、調べるから少し待ってね」
そう言うと受付嬢は奥に向かい雑用依頼を探した。
そして体感数分ほどで受付嬢は戻って来て、依頼書を提示した。
「これはどうですか?」
「これは……わかりました受けます」
「了解しました」
出された依頼書は見覚えのある場所であった為に受ける事にして、冒険者ギルドを後にして依頼のある場所に向かうのであった。
流し読みした人は魔法についてこう思ってくれれば大丈夫です。
魔法=魔法イメージ+魔力=絵を描く(イメージ)+魔力
まあ、ぶっちゃけ殆ど使うことはないと思います(いちいち説明するのもだるいし)