始まり
本当にすいません。
出す出す詐欺しといて新シリーズ出すとか本当にすいません。
許してください。でも衝動で書きたくなったんです。
これからもゆっくりですが順々に出していこうと思うので、お待ちください
「………」
「なるほど。それでよろしいのですね?」
…ここはどこだ?
周りを軽く見ると、手術室みたいなところに寝ているようだ。
「………」
…何やら声が聞こえる。
「はい。分かりました」
…俺は誰だ?なぜこんなところにいる?
「…おや?気がついたか」
横から男の声が聞こえてくる。
俺は、声がした方向を見ようとしたのだが…固定されてるのか、顔を動かすことが出来なかった。
「ああ、顔動かせないよね。ちょっと待って」
少しの足音とともに俺の視界に現れたのはスーツ姿の男。
年齢は二十あるかないかという若い青年だ。
俺は男にここはどこなのか。とか、なぜここにいるんだ。とか訊こうとしたのだが言葉を出すことが出来なかった。
そして…その直後に、自分の口が何かで塞がれていることに気づいた。
「ああ、そうだね。君の訊きたいことはわかるよ。君の目が覚めたら説明するつもりだったさ」
言葉にすることが出来ずただ「うー。うー」という声だけを出すことになったのだが、男はそれだけで十分だったようだ。
「さて、それではちゃちゃっと説明しようかね。君がなぜここに来たのか、その始まりから…ね?」
………いやお前誰だよ
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「……むにゃ。もう朝か?」
カーテンの隙間から差し込む太陽の光で目が覚めた。
僕の名前は三秋 瑠久。
ただの高校一年生だ。みんなからはなぜかみると呼ばれている。
理由はわからない。気づいたらこうなっていた。
まあ、別に困ってないから全然いいんだけどね。
「はあ、今日も学校か………」
高校生ということで、今日みたいな平日は高校に行く。
当たり前なんだが、めんどくさいよな。
これ嫌がらない人相当優等生ではないか?………偏見かな。
とまあ、渋々といった感じだったが支度を済ませる。
「ふあ、眠いな」
あくびをしつつ、僕はタッチパネル式の携帯端末の電源をつけ、時刻を確認する。
「ってやっば。もうこんな時間かよ」
今の時刻は午前七時半。もうそろそろ出ないと間に合わない時間帯だ。
僕は机の上のパンを取り、家を出る。
「行ってきます」
と、鍵を閉めた後。誰も居ない家に向かって呟き急いで学校へ向かう。
ああ。今日はダッシュか。しんどいな。
「学校だるいな」
なぜこの世には学校というものが存在しているのだろうか。
暇だしつまらないし勉強とかやりたくないし。
「はあ。なんかの奇跡で隕石が学校に降ってきてなくならないかな」
と、そんなあるわけもないことを切に願う僕であった…
あれから、遅刻することもなく隕石が落ちてくることもなく無事に学校にたどり着き、そのまま自分の席に着いた。
僕の席は、窓側の一番後ろで、隣が居ないという最高の席だ。
所謂主人公席というやつだね。
僕が席に着いて少しすると、とある人物が声をかけてきた。
「おっすみるってるやつ」
「ぶちのめすぞ」
開口早々変なことを言ってきたこいつは、魚先輩と呼ばれている。
なぜ魚先輩なのか、過去に少しだけクラスの奴に訊いたことがあったのだが、なんでもこいつが少し生臭いかららしい。知らんけど
「お前今失礼なこと考えただろ」
「いや考えてないわ。後お前は心読むな」
口を開いたと思えば急に心を読んできて少し驚いた。
なんでこいつ心読めるんだよ…
「直感ってやつだな」
「いやだから心読むなって」
こいつ怖すぎだろ。気をつけよっと。
「あ、そういえばみる」
魚先輩はふと何かを思い出したような仕草をする。
「急にどっかの漫画のヒロインがやりそうな『なにか思いついた時のような仕草』をしてどうした?気持ち悪いぞ?」
とても見ていられないものだったため、感情を殺して訊く。
「お前辛辣だな。なんとなくってやつだよ」
いやだって。あれはしんどいって。
「まあいいや。今日転校生が来るらしいぞ」
「え?まじで?」
僕は初耳情報を聞いて少し驚く。
「その様子じゃ知らないようだな」
魚先輩は少しドヤ顔になった。いやなんでお前が得意げになるんだよ。
「んで?どんな奴が来るんだ?」
転校生の話題になったらまずは訊くであろう質問をこの話題を持ち掛けた当人に投げかける。
「いや。それが分かったら苦労しないさ」
と、華麗に避けられる。まあ、そりゃあそうだよね
「というより。みるはどんな奴が来てほしい?」
「いや女だろ」
「当たり前だよなあ」
僕は魚先輩の質問に即答をする。これには魚先輩も同意のようだ。
というより。そりゃあそうだろ。僕だって年頃の男の子だし?
どっかの漫画じゃあ美少女転校生が隣に来てなんか発展してライバルとかも現れてハーレムになるやつだぞ。女一択に決まっている。
…まあ、それは主人公に限るんですけどね。
「でもまあ。来るとしたらお前の隣だよな」
ふと魚先輩が口にしたことに疑問を抱く。
「え。なんで?」
そう言いつつ。隣の席を確認しようとする。
その瞬間。先ほどの自分言葉が脳裏をよぎった。
『僕の席は、窓側の一番後ろで、隣が居ないという最高の席だ』
「隣が居ない…あ」
先ほど自分で説明したことを思い出し、隣を見ると…
そこには、誰も使っていない机があった。
「ああ。まじじゃんか」
「いいなあ。羨ましいなあ」
羨ましがっている魚先輩を尻目に、
「はあ。めんどくさいなあ」
と、ため息をついた。
その瞬間。クラスティーチャーが扉を開け入ってきた。
「おいお前ら席に着けー」
という教師のありきたりな言葉を合図に、魚先輩を含めた立っている生徒が全員席に着く。
それから、教師が今日の連絡事項を言い終わると、
「あー。お前らもう知っているだろうが、今日転校生がうちのクラスに来る」
教師のこの発言により、教室がざわつく。
僕はというと、まあ、確かに気になりはするけど…いうてどうでもいいからなあ。
「はあ。ましな奴が来るといいんだが」
これからのことを不安に思いつつ、窓の外を眺め小さくため息をついた。
そして、先生の合図がクラスに響き渡ると同時に、扉の開閉音が聞こえる。
ふと。音につられ前を見ると…
「え…」
一瞬。転校生を見たその瞬間。僕の思考は完全に停止した。
なぜなら…そいつは…その転校生は………
「皆さん初めまして。紅魔 怜美です」
−俺の幼馴染だったのだから…−