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転生のおと  作者: 津多 時ロウ
第1章 紙月
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第2話 ボク②

「この国の名前はアシハラ王国です。

 昔は小さな国が沢山あって長い戦争が続いていましたが、100年ほど前にこの辺り一帯の貴族が停戦して協力し始めたのがこの国の土台になっています。

 戦争をやめて協力すれば大きな国に対抗できるかも知れないと考えたんですね。

 でも、ただ仲良くするだけの関係では危なくなったときに、またバラバラに戻ってしまうんじゃないかということで、有力貴族の中からまとめ役として、王様を選び一つの国を作ることにしました。

 そのまとめ役として選ばれたのが、現在まで続くアシハラ王家ですね。

 当時、最も強い勢力だったオダ家、つまり宰相閣下とあなたのご先祖様がまとめ役に選ばれるものだろうと思われていましたが、アシハラ家を推薦して辞退なさいました。

 アシハラ家以外の有力貴族は、王のもとで定期的に会議を行ない国の重要な事を決めていくことになりました。

 それでは次の時代に移りましょう」


 9歳になったボクは最近、家庭教師の先生から初歩的な教養を教えてもらっている。

 というのも、貴族の子弟は10歳になると一部の例外を除いて1ヶ所に集められ、貴族に相応しい教養と立ち居振舞い、武芸の鍛錬、軍隊の指揮、そして貴族の精神を叩き込まれるインターナートという制度が、ここ、アシハラ王国にはあるからだ。


 下級貴族であれば物心つく頃から親に連れ回され、書類仕事も手伝わされ、必然、実践的な知識が身についていくらしいのだが、何不自由なく暮らしているボクのような大貴族の子弟ともなれば使用人も多く、極端な話、何もしなくても大人になれてしまうのである。それでは教練で躓いてしまうということで、裕福な貴族は家庭教師を雇うなどして、10歳前の子供を熱心に教育しているのだ。勿論、広く浅く教養が身についている下級貴族に、身内がバカにされないようにという面もあるのだろうけど。


 ところで先生からの話にもあったように、ボクの伯父は貴族筆頭オダ家の現当主であり、現在の王様からは、特別な信認を受けて宰相という役職も賜っている。

 宰相は王様の相談役の他、王様にもしものことがあった場合には、一時的に王様の代わりを務める重職で、通常は王族から選ばれる役職であるらしい。

 伯父上は、余程、王様から信頼されていて、この国にとって特別な存在であることにボクは誇らしげな気持ちになった。




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