第29話 むかーし むかしの そのむかし
むかーし むかしの そのむかし
おとうさんやおかあさんの おじいさんやおばあさんの
そのまた おじいさんやおばあさんが うまれるよりも
もっと もっと もっと もっと ずーっとむかし
ひとはまいにち けものにおびえて
くらいあなのなかでくらし
さくもつのたねをまいてもそだたず
まいにち まいにち こまっていました
あるひ ひとはいのりました
「ああ かみよ ひかりをください」
すると どこからか おひさまがあらわれ ひかりがわきだし
たちまち あたりはあかるくなりました
また ひとはいのりました
「ああ かみよ たねをまいても さくもつがそだたないのです
どうか おたすけください」
すると めのまえのだいちが たちまち はたけになり
どこからか わきだした みずと おひさまによって
さくもつが いっぱい しゅうかくできるようになりました
ひとは まだ いのります
「ああ かみよ こわい けものがいるのです
どうか わたしに ちからづよい からだをください」
ひとのからだは みるみるうちに たくましくなり
こわいけものと たたかいましたが まけて
おおけがを おってしまいました
ひとは また いのりました
「ああ かみさま どうか このきずを なおしてください
そして こわい けものと いっしょにたたかう
なかまを おつかわしください」
すると たちまち おおけががなおり
どこからか ひとがあつまってきました
こんどは みんなでたすけあって こわい けものと たたかいました
こわい こわい けものは みんなでがんばって たおすことができました
そして ひとは みんなでまちをつくり しんでんをつくって
いっしょにくらすことにしました
だけども もんだいがおこりました
「ああ かみよ わたしたちに やみをください
あかるすぎて ねむれないのです」
ひとがいのると 1にちのはんぶんよりも すこしみじかいじかん
おひさまが かくれんぼして くらくなり
かわりに おつきさまと おほしまが あらわれて
ひとを やさしく てらしました
そうして ひる と よる ができました
よるは とてもくらいのですが
ひとは あんしんして ねることができました
なぜなら みんなといっしょにいるからです
そうして ひとは かみさまにいのりながら
みんなで たくさん まちとしんでんをつくって
すえながく くらしました
めでたし めでたし
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