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その1

(ZOLL MAGAZINE 20XX年X月号「JAP’S HEAD LINE」より)

ズギューン!インタビュー

「お前ら全員、撃ち抜いてやる!」

昨年から突如高円寺に登場した話題のハードコアバンド・“ズギューン!”

ファストで切り込むようなハードコア・パンクサウンドにロックンロール・フレーバーが存分にテイスト!要は紅一点・アイヴィーの轟くようなヴォーカル。ここ最近で間違いなくNO,1の女性ヴォーカリスト!勢いまかせで発表した1stアルバム「FxTxC」を引っ提げ、パンク界を無差別射撃だ!

(高円寺SPICY CURRY BAR「TRIP」にて)

Text:ダイちゃん


▶結成はいつ?

アイヴィー(Vo、以下ア)「去年だっけ?もうそんなに経つんだ。」

ゴン(Gt、以下ゴ)「最初に俺とアイヴィーが出会って。俺も前のバンドが解散して、新しいバンドを模索してる時にダチがアイヴィーを紹介してくれて。」

ア「グラスゴー・キスのミッチね。」

ゴ「とりあえずスタジオ入ってジャムって、アイヴィーの歌を聴いてぶっ飛んだわけよ。分かるだろ?」

▶確かに(笑)。アイヴィーは初めてのバンドだっけ?

ア「そう。バンドやりたくて田舎から上京して、ライヴハウスを徘徊しながら理想のメンバー探しをしてたという(笑)。」

▶気合入ってんね。ジャッキーは?

ジャッキー(Ba、以下J)「…。」

▶喋れよ(笑)!

ゴ「人見知りの上にインタビューだってんで緊張しまくりで(笑)。」

▶人見知りってお前、俺のこと知ってるだろ(笑)!

J「すいません…。」

ア「まあ、アタシがユニオンでナンパしたの(笑)。ベース担いで音源漁っててさ、それが良いセンスしてたから。フィーリングだね。」

▶ショージは?

ゴ「いや、気づいたらその辺に生えてた。」

ショージ(Ds、以下シ)「カビか俺は!」

▶ショージはそれでいいや。

シ「おいっ!」

▶好きなバンドとかはそれぞれどんな感じ?

ア「アタシはやっぱりガイアだね~。」

▶それ、よく分かるわ。

ア「でも女性ヴォーカルにこだわってはいないよ。ガーゼもチフスもギズムも好きだし、海外なら初期のハードコア…ディスチャージとかGBHとか、まあ語り出したらキリがない(笑)。」

ゴン「俺もディスチャージ…あとトラジディー。それからめんたい系。ルースターズ、ロッカーズ、山善…。」

ア「あと永ちゃんでしょ?」

ゴ「永ちゃんとキャロルは外せないね。」

▶その辺がロックンロールっぽさの源かな?

シ「俺は昔のもだけど最近の地方のパンクが熱いね。ネイキッド・イェグス、スティンク・ガスパーズ、シャドウ、ノッカーズ…。」

ア「ノッカーズ最高!ノッカーズはみんな好きだよね?」

J「…俺も同じ…。」

▶ごめんジャッキー、聞こえない(笑)。

シ「すいませーん、焼酎の濃い目、彼に下さい(爆笑)!」

▶去年の初ライヴ、俺も観たんだけど平日のガラガラなハコでお喋りしてた客が一斉にステージに押し寄せてきたね!

ゴ「見たか!って感じだったね。全ての落とし前をつけた気分。」

ア「アタシたちの音がちゃんと通用するんだ!って、あの時は嬉しかったな~。」

▶ハードコアにロックンロールが絶妙に絡む感じは誤解を恐れず言えば初期の日本脳炎みたいだけど、更にファストでしかも女性ヴォーカルっていう。

ア「うーん、よく言われるんだけどね。でもそこを狙った訳じゃなくて自然にそうなったっていう感じ。日本脳炎は大好きだけどね。」

▶あと「アイヴィー」って名前、何から取ったの?

ア「ナ・イ・ショ(笑)。」

シ「俺らも知らねーんだ。絶対教えてくれないんだよ。」

▶ひょっとしてポイズン・アイヴィーから取ったのかと思ったんだけど。

ア「ふふ。ま、クランプスも大好きだよ~ということにしておこう(笑)。」

▶で、デモを経て待望のファースト・アルバム「FxTxC」。タイトルの意味は?

ゴ「ファック・ザ・シティ。ワールド(FxTxW)って結構みんな使うだろ?もっと狭いところから始めようと(笑)。」

ア「高円寺シティーからね。パンクの街から全てをひっくり返すために出てきたよ!って。」

▶貰って聴いて、そのまま1週間ヘビロテしたよ。何しろ内容が濃いよね。7曲20分だけど1時間くらい聴いてる気分になる。

シ「おありがとうございます。」

ア「ライヴでのドライブ感をなるだけアルバムにも込めたかったんだよね。初めてにしちゃ上出来かな。」

▶1曲目「やっちまえ」。ライヴの1発目は毎回これだけど、疾走感満載のナンバーだよね。

ア「初めて作った曲がこれなんだ。アタシの生まれてきてから溜めに溜めた圧力を全部解放した曲。」

▶3曲目「ノー・ウェイ」。他に道は無い思いが溢れるね。モーターヘッドを感じる曲調。

ゴ「それは最高の褒め言葉だ。」

シ「ビートの躍動感だよ。」

▶5曲目は「TOKYOピンプス」はミドルだけど跳ねる感じが半端ないね。

ア「これはちょっと苦労したよね。」

ゴ「何回も録り直したな。リズムが安定しなくて。」

シ「でも俺、出来る子だから。」

▶(無視して)ラスト「ズギューン!」はあっという間に終わっちゃう正真正銘のファストナンバー。

ア「バンド名を付けたってことはアタシらの所信表明だよ。撃ち抜くぞ!ってね。」

▶作詞は全部アイヴィーだよね。主に何を歌ってんの?

ア「恋心以外の女心(笑)。怒りとか哀しみとか情念とか。」

▶恋心は歌わない?

ア「人のプライベートに鼻を突っ込むな(笑)。」

▶大変失礼いたしました(笑)。作曲もアイヴィー?

ア「アタシとゴン。でも段々曲調が似てくるよね。以心伝心。」

ゴ「ジャッキーがアレンジを頑張ってくるから、そこでかなりバラエティに富むというか独自性が強まるんだ。」

J「…。」

シ「何か言えよ(笑)!」

▶これからどうしていきたい?

ア「一人でも多くの人にアタシたちの曲を聴いて欲しい。それは変わらない願い。」

シ「彼女が欲しい!」

ゴ「俺も!」

J「…。」

▶ついにゴンちゃんも壊れた(笑)。

ア「欲求不満も原動力だから(笑)。」

▶最後にZOLL読者にひと言お願いします。

ア「全員、皆殺しだよ!」



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