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☀ まつぼっくりを求めて…「 冬童話2021 」  作者: 雪*苺
トレジャーハンター記
9/23

✒ バズゥとジータ 5


 ザショウハリド国,チドリポシャ国,コフィカデ国の領空を無事に越える事の出来たバズゥの空飛ぶ船は、順調に樹海を目指して空を飛行していました。


 そして、とうとう、目的地である “ 混沌の樹海 ” へ到着したのです。


 樹海の上を飛行しながら、一際大きなをジータが見付けました。


 ジータが双眼鏡を覗いて見付けた大きなこそ、 “ 黄金のまつぼっくり ” がみのる “ 黄金のまつぼっくりの ” でした。


 バズゥは空飛ぶ船を “ 黄金のまつぼっくりの ” の上に着地させました。


 空飛ぶ船がから落ちないように切れない丈夫なロープを使い、空飛ぶ船をに確りと固定させます。


 身体からだに命綱を巻き付けて、 “ 黄金のまつぼっくり ” を取りに向かうのは身軽なジータです。


 バズゥは空飛ぶ船を操縦しなければいけないので、お留守番です。


 バズゥは自身の身体からだを丈夫なロープで空飛ぶ船に確りと固定すると、ジータの命綱を腰に巻き、確りと握ります。


 お猿のようにの枝を器用に掴みながらりるジータが、 “ 黄金のまつぼっくり ” を手に入れる瞬間が刻々と迫ります。


 とうとうピカピカと光る “ 黄金のまつぼっくり ” がジータの視野に入りました。


 ジータが “ 黄金のまつぼっくり ” に手を伸ばそうとしたその時、 “ なにか ” が聞こえました。


 子供の声です。


 子供がなにかを言っています。


 ジータは耳を澄ませました。


 子供の声は「 “ 黄金のまつぼっくり ” にれてはいけない 」と囁いていました。


 「 “ 黄金のまつぼっくり ” は〈 コウ 〉のだかられてはいけない 」と声は囁いています。


 ♪ もとめる のは いい ♪

 ♪ ほっしては いけない ♪

 ♪ ふれても いけない ♪

 ♪ とっても いけない ♪

 ♪ コウ の まつぼっくり に ふれては いけない ♪


 どうやら “ 黄金のまつぼっくりの ” が囁いているようです。


 〈 コウ 〉がなんなのかジータはかりません。


  “ 黄金のまつぼっくりの ” が「 れてはいけない 」「 取ってはいけない 」 と囁いていても、取って帰らない訳にはいきません。


  “ 黄金のまつぼっくり ” はジータの目と鼻の先にみのっているのです。


 苦労して此処まで来たのに、お宝を前にして取らずに帰るような馬鹿が何処に居るでしょうか?


 ジータは “ 黄金のまつぼっくりの ” から聞こえる囁きを無視すると、 “ 黄金のまつぼっくり ” へ手を伸ばし、掴みました!!


  “ 黄金のまつぼっくり ” を掴んだ途端、ジータの手の平でジュッ──と短い音が鳴りました。


 熱くないのにジータの手の平がみるみる内に溶け始めました。


 肌がドロドロに溶け出すと、数秒で骨だけになってしまいました。


 ジータの右手は骨と化し、灰となり、風に吹かれて飛んでいきました。


 ジータは叫び声を上げました。


 ジータのけたたましい叫び声を聞いたバズゥは、力一杯ロープを引っ張りました。


 ジータは “ 黄金のまつぼっくり ” を取れないまま、上へ引っ張り上げられて行きます。


 ジータを空飛ぶ船の船内へ入れたバズゥは、ジータの右手を見てギョッとしました。


 ジータの右手が消えていたからです。


 右手を失った事情をジータに聞こうにも正気を失い気の狂っているジータには、なにがあったのか聞く事が出来ません。


 バズゥは動けないようにジータをロープでグルグル巻きにして、空飛ぶ船に確りとくくり付けると、 “ 黄金のまつぼっくり ” を取る為に枝を掴んで慎重に下りて行きました。


 バズゥは見付けた “ 黄金のまつぼっくり ” を取ろうと手を伸ばしました。


 すると、バズゥの耳元で子供の声が聞こえました。


 “ なにか ” を言っているみたいなので、バズゥは耳を澄ませてみました。


 子供の声は「 “ 黄金のまつぼっくり ” にれてはいけない 」と囁いていました。


 「 “ 黄金のまつぼっくり ” は〈 コウ 〉のだかられてはいけない 」と声は囁いています。


 ♪ もとめる のは いい ♪

 ♪ ほっしては いけない ♪

 ♪ ふれても いけない ♪

 ♪ とっても いけない ♪

 ♪ コウ の まつぼっくり に ふれては いけない ♪


 どうやら “ 黄金のまつぼっくりの ” が囁いているようです。


 〈 コウ 〉がなんなのかバズゥにもかりません。


  “ 黄金のまつぼっくりの ” が「 れてはいけない 」「 取ってはいけない 」 と囁いていても、取って帰らない訳にはいきません。


  “ 黄金のまつぼっくり ” はバズゥの目と鼻の先にみのっているのです。


 バズゥは “ 黄金のまつぼっくり ” に手を伸ばしましたが、欲しい気持ちをグッと堪えて、掴むのをめました。


 ジータの右手は “ 黄金のまつぼっくり ” を掴んだ事で無くなったのではないか──と考えたのです。


 此処まで来て “ 黄金のまつぼっくり ” を諦める事はしたくなかったバズゥですが、片手になっては空飛ぶ船を操縦する事は出来ません。


 “ 黄金のまつぼっくりの ” が実在している事, “ 黄金のまつぼっくり ” もみのっている事も分かりました。


 何処に “ 黄金のまつぼっくりの ” があるのか場所も把握出来ました。


 デジペリゥム国から混沌の樹海までの最短航空経路の地図も完成しています。


 バズゥは報酬と引き換えに、デジペリゥム王へ時空石と地図を献上する事を決めました。


 右手を失い気の狂ったジータを放ってトレジャーハンターを続ける訳にも行きません。


 バズゥはトレジャーハンターをめて、ジータの介護を優先して生きる事を決めました。


 バズゥは空飛ぶ船を操縦し、デジペリゥム国へ向かって帰って行きました。

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