表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

29/32

第28層 牛人との死闘

 俺たちが臨戦態勢で進む長い通路の先に「そいつ」はいた。

大型の牛人ミノタウロスタイプ。本来中型のはずだ1.5倍ほどでかい。通路をほぼ埋めるほどの大きさであった。

 ただの牛人ミノタウロスタイプではなく人馬ケンタウロスタイプとの融合のような下半身は4足、かなり特殊な稀魔物レアモンスターであった。

まっすぐな通路であるためこちらに気づく。


「グモオオォォォォォォォォォッ!!」


 大きく吼えて立ち上がって天上に頭をめり込みそうにぶつけてからこっちに向かってら猛進してくる。


「くるぞっ!!!」


 俺は叫び


「特殊システム、起動!シズク!!」



『相棒と踊れ』(バディリンクシステム)

モード『長期持続型』(ヴィニーズワルツ)起動中

相棒バディ

▶シズク・セキグチ

 メーリィ・カドマエ


 俺の視界の表示が切り替わる。

それより先にシズクは飛び出していた。

あいつ、ここが8階層だって忘れてるだろ・・・。


 自分の倍以上ある魔物に盾を構えて突っ込んでいくシズク。

俺はそのシズクの後方から追いかけるように突っ込み、魔物と俺たちの距離が残り6mになった所で、シズクは盾を頭上に掲げ少し姿勢を低くする。

俺は素早くその盾を足場にすると、シズクが俺を上へ全力で押し上げる。

それを利用して高く跳躍する。目の前の牛人ミノタウロスは意表を突かれて対応でききていない。無理やり頭を突き出し、俺に咬みつき攻撃に来た牛人ミノタウロスの顎を躱して、右目に剣を突き立て、そのまま顔を足蹴にして後方へ飛ぶ。


「ぐぉぉぉぉぉ!!!」


 右目が潰れた牛人ミノタウロスは、目を抑え、身体を振り回し暴れたため、速度が落ちる。その足元で盾で前足を掬うようにぶつかるシズク。

 ガッチリと盾を大地に打ち付け、右目をやられて勢いが落ちたとはいえ結構なスピードで牛人ミノタウロスの足にぶつかるシズク。

シズクは押し負けず、牛人ミノタウロスは石につまずいたように前倒れになる。

先制としては十分だった。

 シズクはそのまま相手の足元から後方へ走り抜け牛人ミノタウロスの後ろに出る。

牛人ミノタウロスは右目の痛みと前にこけた痛みでさらに獰猛に暴れる。

俺は事故を防ぐため相手が落ち着くのを待つ。

同じように武器を構えたまま動かないマロール。


「うぉぉぉぉぉぉぉぉおお!!」


シズクが吼えながら、容赦なく後方から破砕槌メイスを振り上げ後ろ脚に一撃を入れる。


「ごうぅぉぉぉぉぉぉ!!」


 強烈な一撃に驚き、後方へ振り返ろうとした牛人ミノタウロスだったが、その巨体が迷宮ダンジョン内の通路いっぱいいっぱいであったため回れずにひっかかり暴れる。

その隙をついて俺とマロールが飛び出す。

 後方でシズクはもう一撃を加えようと、牛人ミノタウロスの後ろ脚へ突撃したが、今度は蹴りを食らって吹っ飛ばされる。

盾で防いだが盛大に後方へすっ飛ばされた。

 シズクが牛人ミノタウロスの気を引いたおかげで、俺とマロールは一気に間合いを詰めて崩れた前足を斬りつける。

マロールはそのまま牛人ミノタウロスを足場に駆け上がり、さらに斬りつける。


 だが、それは深追いであった。

そのまま首を狙ったマロールを残った左目で捉える。


「しまっ!!!」


 マロールは左目と目が合い、危機を感じて呟いた時には、すでに遅かった。

空中で牛人ミノタウロスの手が襲い掛かり、避けることができずに平手で地面に叩きつけられる。

辛うじて身体をひねり直撃は避けたが、下手にかすって立て直すことができずにそのまま壁に叩きつけられた。


「マロールさん!!」


俺は牛人ミノタウロスとの距離を空けた場所に着地し、壁に叩きつけられたマロールを救出に行く。


「ぐぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」


 マロールに一撃を入れた牛人ミノタウロスが雄叫びを上げた。

俺はその隙をついてマロールを担いで距離を空ける。


「メーリィ、マロールさんを頼む」


「はいっ!!」


 メーリィに彼を預けて俺はもう一度、牛人ミノタウロスへ飛び込んでいく。

牛人ミノタウロスも左目で俺を捉え威嚇するように咆哮をあげる。

後方へ吹っ飛ばされたシズクは立ち上がって隙を窺っている。

シズク側からでは牛人に致命傷を与えれない。

 俺はもうひとつ試しておかねばならないことを試すことにする。


「メーリィ!!いけるか?」


 俺はマロールさんに【治癒ヒール】を施していた彼女に声をかける。

彼女は顔を上げて


「もう少し、まってください」


 マロールが治癒に力を注いでいたメーリィの手を取り


「俺はもういい。すぐ動けるようになる。行ってくれ」


 マロールは苦痛の表情であったがメーリィは大きく頷き、振り返り腰の小剣を抜こうとしたが


「こっちを使え。それでは致命傷は与えられん。軽いし業物だ」


 マロールは自分の剣をメーリィに投げてよこす。

彼女はそれを受け取り、俺の横に並ぶ。


「おまたせしました。せんぱい。行きましょう!!」


 そう言った彼女を目線だけで確認して


「相棒変更。メーリィ!!」


 そう呟いてから俺は駆け出す。


『相棒と踊れ』(バディリンクシステム)

モード『短期集中型』(フォックストロット)起動中

相棒バディ

▶メーリィ・カドマエ

 シズク・セキグチ


 視界の隅の文字が切り替わり、俺の身体も急に軽くなる。

メーリィと組んだ時の感覚だ。

やはりシズクの時の状態より格段に身体が動く。

 俺は先ほどより速い速度で牛人ミノタウロスの眼前に迫る。

だが牛人ミノタウロスは気にした様子もなく、怒りに任せて俺に容赦なく拳を振り下ろす。

先ほどよりスローに見える拳の小指をを狙ってカウンター気味に剣を滑らせる。

角度も狙いもドンピシャで牛人ミノタウロスの拳の小指から手の甲に向けて斬り落とす。ギリギリをすり抜ける拳の風圧に任せて横へと吹き飛ばされ、壁に叩きつけられる前に受け身を取る。


「グモモモォォォォォォォ!!!」


 小指を斬り落とされ大きくうめき声を上げる牛人ミノタウロス。手を抑え身体を大きく天に逸らして激痛を訴えていた。

だがその隙を逃すメーリィではなかった。

低い姿勢から牛人ミノタウロスの足元に入り込み大きく跳び、借りた剣で下から腹部を引き裂く。

俺たちは激痛に悶える牛人ミノタウロスを翻弄しながら切り刻んでいく。


 すでに勝ちムードとなった俺とメーリィは苛烈に攻め立てる。牛人ミノタウロスは俺たちを辛うじて追うが、攻撃しては反撃を食らうという状況で、なす術もなく切り刻まれていく。

すでに体中から黒い塵が舞い、動きも鈍くなっている。


 後少しだな。俺は一旦離れて息をつく。

メーリィは自分の力で決めたかったのか少し攻めすぎな感があり


「メーリィ、一旦下がれ!!仕切り直そう!!」


そう叫んだ時、

壁を蹴って牛人ミノタウロスの左目を狙いにいった彼女に、狙いをすましたかのように大きく口を開き、咬みつきにかかる牛人ミノタウロス

完全に油断をしていたメーリィは、この攻撃を回避する術を持っていなかった。


「メーリィ!!」


俺は焦って飛び出すがどうあがいても間に合わない。

さすがにあの顎で咬みつかれたら助からないっ!!


「メーリィィィ!!」


俺は焦って叫ぶ!!

彼女に迫る牛人ミノタウロスの牙。

間に合わないっ!!


 その時、メーリィに噛み砕かんとする牛人ミノタウロスの頭に、大きな火球がヒットする!!それにより咬みつこうとしていた牛人ミノタウロスの頭が吹っ飛んだ。

炎の魔法【火球《ファイアボール】だった。


 俺は火球の飛んできた方を振り返る。

そこには片足を付き、手を前に突き出して荒い息を吐いていたマロールがいた。


「マロールさん、魔法も使えたんですね…助かりました」


 俺は力が抜けて膝をつく。

頭が吹っ飛び、ゆっくりと壁に寄りかかり動かなくなる牛人ミノタウロス

そして徐々に吹っ飛んだ頭部から塵となって消えていく。

 間一髪だったメーリィは地面に着地して、しばらく呆然としていたがこちらを振り返り俺を見た後、ぺたんと座り込む。

俺は立ち上がり、彼女に近づき肩をたたく。


「せんぱい、わたし・・・」


 彼女は申し訳なさそうな顔をする。


「命があってよかった。マロールさんに感謝しよう」


 そう言った後


「特殊システム終了」


 俺はそう呟く。


戦い終わってみれば、思ったよりピンチであった。

すいません。ちょっと気が抜けすぎて筆が進んでません。

もうちっと気合いを入れ直したいと思います。

vtuber? 幽焼け氏の企画「なろう系ラノベにこんなラノベ俺でも書けるわwwwwと言った人を100人集めてラノベを書かせるデスゲーム 」

参加作品でした。

辛うじて生存者として動画でも紹介させていただけました。

よければ面白いので動画の方も見てもらえるとよいかと。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ