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第17層 乱戦を制す

 『天使の羽撃きエンジェリックレイヤー』があっという間に壊滅し、その様を見ていた他の2軍団クランは動くに動けなくなった。


「くそっ、なんなんだあいつら。S級(Sランク)が俺たちいじめてなにが楽しいんだよっ!!くそ!!」


「勝てるわけがねぇ。あんなの絶対S級(Sランク)じゃねぇか。そんなの勝てるわけねーよ」


 一番人数が多いにも関わらず、『堅牢なる天狼(デフティングウルフ)』のメンバーは完全に戦意を喪失している。


「はっ。大の男が泣きごといいやがってさぁ。あんたもそう思うだろう?お嬢ちゃん?」


 『天使の羽撃きエンジェリックレイヤー』の後衛を4名を不意打ちとは言え、一瞬で沈黙させた仮面の女にバニティエが襲い掛かっていた。彼女の女性とは思えない巨漢から繰り出された大剣グレートソードをひらりと躱し、対峙する。

大雑把な戦いをする女性かと思っていたら、思ったより隙のない動きで攻撃を繰り出してくる。


仮面の男が加勢に動こうとした時、後方から鋭い斬撃が襲い掛かる。

不意を突かれ、かなり鋭い斬撃をきちんと弾いて襲ってきた男と対峙する。

斬撃を繰り出した男は先ほど吹っ飛ばされ動けなかった『堅牢なる天狼(デフティングウルフ)』の頭目、テッシであった。


「『堅牢なる天狼(デフティングウルフ)』!!狼狽えるな!!我ら狼の狩猟を行えばよいのだっ!!」


 頭目の復活で『堅牢なる天狼(デフティングウルフ)』たちにもう一度戦意が戻る。

仮面の男を中心にその包囲網を作り始める。


 相棒が気になるのか、仮面の男はテッシを無視して一気に包囲を突破しようと試みて、その一角に一瞬で突進する。

 だが、突進してくるのを邪魔をするように堅牢のメンバーが道を塞ぎ、仮面の男はその相手を剣で攻撃する。しかし割り込んだ男は剣を合わすことなくすぐに後退する。そのタイミングで魔法使いの【氷結槍フリーズランス】が仮面の男に降り注ぐ。

強烈な魔法を男は、剣でいともたやすく叩き落す。

 そこに盾を構えた大きな男と小柄な男が間一髪いれずに、同時に突っ込んでさらに追い打ちをかけてきた。

2枚相手ではさすがに押し負ける、そう感じたのか仮面の男は後方へ少し飛びずさる。だが、またしても着地点を狙いをすましたように、弓と投げナイフによる遠隔攻撃が飛んできた。


 『堅牢なる天狼(デフティングウルフ)』!はその名のごとく深追いせず、確実に小さい傷を与えてじりじりと相手を削っていく、そういうスタイルである。

狼の群れが獲物を追い詰めるのに似ていた。



 矢を剣でナイフを拳で叩き落とし

これはこれで厄介な相手だな。と思いながら俺は少し困っていた。

攻め手に欠く状態となってしまった。

そんなことを考えていると、またしても【氷結槍フリーズランス】が飛んでくる。

まずは面倒な魔法使いを、と先ほど飛来したナイフを手に取り、魔法使いに向けて投げながら氷の槍を叩き落す。

だがナイフは先ほど突撃してきた小柄な盾持ちに防がれる。


「ちっ」


 舌打ちする俺の後方からまた2名が、隙を突こうと斬りかかってきた。

一人は躱し、もう一人の懐に入り込み、剣で殴りつけ昏倒させ、クルリと回して1人目にぶつける。

そこにまた矢とナイフが牽制に入る。

・・・くそっ。キリがないな。

俺がそう思った矢先、


「どけぇぇぇあぁぁぁぁぁぁ」


 凄い怒号を上げながら、巨漢の女が大剣を振り回しながら突っ込んで来て、包囲網が崩される。

堅牢なる天狼(デフティングウルフ)』のメンバーは誰もが驚き、そっちを見た。

 頭に完全に血が昇っているパニティエが身の丈と変わらぬ大きさの大剣グレートソードをいともたやすく振り回しながら仮面の女を追いかけていた。


「このヘンテコ仮面やろうがぁ・・・ぶち殺す!!!」


 なにがあったかは分からないが完全にパニティエは切れていた。

眉間に青筋が浮き上がり、目は血走っている。完全に仮面の女にしか見えていなかった。

彼女たちが対峙していた場所には、『死突遊戯デンジャラスゲーム』のメンバーが明らかにパニティエの剣で、吹っ飛ばされたであろうと思われる倒れ方で全滅していた。

 仮面の女はわざとらしくニッコリ笑い、パニティエを手招きする。

パニティエの顔がさらに真っ赤になる、

ブチッという音を、その顔を見た者たちだれもが聞いた気がした。

この機を逃す仮面の男ではなかった。


「ぐっ・・・・」


「がぁっ・・・」


 気が付いた時には、遠距離から攻撃していた魔法使い、狩人、斥候を素早く落としていく。


 その間も仮面の女を執拗に追い回すパニティエ。その攻撃を躱し、時にはわざと受け流し、密接して挑発する仮面の女。


 またしても完全な乱戦状態となった。

暴れ牛をいなす闘牛士のように、パニティエを翻弄しながら舞う仮面の女。

それに混乱を余儀なくされる『堅牢なる天狼(デフティングウルフ)』のメンバーを一人ずつ落としていく仮面の男。

場は荒れに荒れていた。


最終的に立っていたのは

仮面の2人とパニティエ、そして翻弄され続けたテッシのみであった。


「女ぁぁぁぁ、ころぉぉぉす」


完全に理性すら残ってなさそうなパニティエ。

それを歯ぎしりしながら睨みつけるテッシ。


「あの暴走女のせいで‥‥台無しではないかっ!!」


 その一瞬のスキをついて仮面の男が突っ込んできて、躊躇のない突きを繰り出してくる。

あまりの早さに避けるのがやっとのテッシ。

なんとか交わしたが、態勢の崩れた身体を掴まれ、地面に叩きつけられて意識を失う。

仮面の男はテッシが意識を失ったのを確認して振り返ると、

調度仮面の女を狙ってパニティエが、ものすごい勢いで大剣グレートソードを振り下ろす。だが、それに合わせて仮面の女が反撃カウンター気味にパニティエの顎にピンポイントでアッパーを入れる。頭を激しく上下に揺らされ、壊れた土人形ゴーレムのように崩れ落ちるパニティエ。


天使の羽撃きエンジェリックレイヤー』 15名

堅牢なる天狼(デフティングウルフ)』 24名

死突遊戯デンジャラスゲーム』 13名


ここにすべてのD級(Dランク)が沈黙した。


辺りを見回す仮面の男に、女は小走りで近づいて寄り添う。2人は目を合わせて踵を返し、闘技場を後にした。

・・・・なんかひどいラストとなりました。

というか堅牢が思った以上にいい仕事しすぎて、切り崩せなくなってしまい

無理やり終わらせた感じになりました・・・。

本来書き直しレベルのミスですが・・・ちょっと気力がわかず、このまま突っ走ります。

いつか描き直したい、そんな話になりました。

次回は第一回 ざまぁ大会。

タグ回収回の予定です

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