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第1層 足掻くFランク冒険者

ちょっとお試し作品が続きます。

今度はわかりやすいダンジョン冒険物。

とにかくわかりやすいストーリーを目指したいと思います。


「くそっ!!走れ!!足を止めたら終わりだぞ。頑張れ!メーリィ」


 俺は後ろから迫る魔物モンスターとの距離を確認しつつ、前を走るメーリィ・カドマエを叱咤する。

追いつかれたら死は確定だろう。先ほど横から襲ってきた巨大なカマのような両腕を持った昆虫型の魔物モンスターの一撃を無理して受け流しただけで、手に持った魔法大楯ラージシールドを使っても捌き切れず、俺の右腕は骨折し、皮膚は裂け、筋肉は断裂して紫色になっている。次は確実に捌き切れない。


 前を走るメーリィはもう限界だろう。頭の位置がふらふらして定まってい居ない。

俺たちは目の前のT字路を気にせず、全力でまっすぐ走り抜ける。傍目に右折ルートを確認して

俺は最後の切り札を使うことにする。


「メーリィ、作戦Cだ!!いくぞっ!!」


俺は前を走るメーリィに大声で声をかける。

彼女が手でサインを返したのを確認してから、敵との距離をしっかり計り

いまだっ!!

俺は持っていた玉を地面に落とす.


1.2.ビカッ!!ドォォォォォォォぉン!!


 俺たちの後ろで激しい閃光と音が鳴り響く。

閃光玉はうまく魔物モンスターの視界を遮った。魔物モンスターの追撃が止ったのを確認して


「いまだっ!!」


 俺の合図でメーリィと俺は素早く反転、目の見えない魔物モンスター群の横をすり抜け、きた道を少し戻って脇道に逸れる.

モンスターの脇を抜ける際に、きつい匂いのする煙玉に火をつけて置いてくるのを忘れない。

これでもうしばらく撹乱できる。


 この奥がさらに右折してるのはさっきちらりと見た。その先に道か『脱出扉』(ゲート)があればっ!!

最後の力を振り絞り、全力で道を右折して希望を求めて走り続けたそこには


「ハッ、ハッ、ハッ。そ、そんな……」


 メーリィが呆然と立ち止まる。

そこは行き止まりだった。

完全な袋小路だった。


 グゥニャリと視界と足元が歪むような浮遊感に襲われる。

ゆっくりと振り返ったメーリィの顔は引きつり、視点が定まっていない。

その顔を見て俺は現実逃避をしそうな思考をなんとか振り払い、まだだ。

まだなにか、策はある筈だ。

俺はメーリィに近づき彼女の顔を両手で挟み


「まだ折れるなっ!何かあるっ!!考えろっ!!」


彼女を叱咤しているようで実は自分に言っていた。


「でもぉ…せんぱぁい…‥」


彼女の目からボロボロと大粒の涙が零れ落ちる。

思考を巡らせる。

閃光弾も煙玉ももうない。

武器はあるが攻撃がヒットしたところでダメージは与えられない。

だが何か起死回生はある筈だっ!!

背後でモンスターたちの呻き声が聞こえ始める。

近づいてくる。あの角を曲がって俺たちを視認したら、ものすごい勢いで押し寄せるだろう。


考えろっ


考えろっ


その時、

視界の片隅にメッセージが流れ始めた。



:解放条件

・魔物暴走状態      クリア

・Fランク2名       クリア

・ダンジョン熟練期間10年 クリア

・階層40階層到達     クリア


特殊システム解放

『相棒と踊れ』(バディリンクシステム)起動?

▶YES  NO


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