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66 おっさんまたまたまたレベルアップする、が……

 昨夜はBランク昇格祝と称して酒場で夜遅くまで飲み明かした。


 そうして帰ってきて俺は直ぐにベッドに潜り眠りについた。



 ―-明け方



 俺は明るい光で目を覚ました。


 いつものカーテン越しの太陽の光ではない。


「……なんだ?」


 光源を確認すると布団の中から光が溢れている。


 驚き布団をめくれば俺の手の傍には俺のマジックペンがあった。


 俺が顕現させた記憶はないのだが、なぜか顕現していて強い光を放っていた。


 それを見て俺の眠気は一瞬で吹き飛んだ。


 またレベルアップか!


 この前の轍を踏まないよう、まずは神に感謝の祈りを捧げ、レベルアップの瞬間を待った。




 ――マジックペン(レベル5・修正ペン(プラス)


生物いきものの怪我を回復させることができる。それに見合った魔力を消費する。キャップは白色』




 うおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉーーーーーーーーーーー!!!!!


 これはっ!


 ついにっ!!!


 ついにこれがきたーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!



 ってことは!


 ってことはだよ!!


 俺って『ヒーラー』ってことでしょ?


 ああ。


 嗚呼……。


 嗚呼あぁぁ。


 このアーティファクトを授かって20年。


 子どもの頃は俺も凄いスキルをもらって『冒険者になる!』って憧れを抱いていたのだ。


 それがもらったのはよくわからない『マジックペン』なるアーティファクト。


 いつかすごいことができるのかもと思いながら早20年。


 まさかかつて憧れていた冒険者になるという芽が出てくるとは……。


 いや、しかし待てよ。


 俺みたいなおっさんが急に冒険者になっても大丈夫か?


 そもそも体力が持つだろうか?


 まあ、まずはみんなに相談だな。


 話はそれからだ。






「……おじさん、ちょっとそれって凄すぎない?」


 朝食の席でまたまたレベルが上がった俺のマジックペンのことを話すとアンジェがそう返してきた。


「そうですわね。おじさまはただでさえ、修復魔法、付与魔法が使えるわけですし、それに加えて回復魔法とくれば、もう、1人3役でしょう? うらやまし過ぎですわ!」


 ああっ、みんなの羨望のまなざしが心地いい!


 まさか俺にこんな日が訪れるとは思いもしなかった。


「じゃあさ、じゃあさ! おっさんと一緒にクエストに行けるってこと? 超楽しみなんですけど?」


 まあ、結局そうなるよな。


 どうなんだろ。


 今、登録したら俺はEランク冒険者なんだよな。


 30過ぎたおっさんがピッカピカのEランク冒険者ってのはすごいシュールだな。


「う~ん、ボクとしてはおじさんに危険なことはして欲しくないかな~。この件はちょっと保留にしよう。おじさんも一応ケインさんには内緒にしておいて」


 ケインとの仲は良好とはいえ、ケインはあくまでも別のパーティーの人間だ。


 やはりどこかで一線は引く必要があるだろう。


 俺はパーティーのリーダーであるアンジェに従うことにし、この話は一旦置くことになった。

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新米錬金術師は辺境の村でスローライフを送りたい
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