33 おっさん冷や汗をかく
本作投稿開始から2週間になります。
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皆様からいただきました反応のおかげで前向きに書くことができています
俺はユリアのふくらはぎに両手を這わせると軽く揉み始めた。
「んっ、んっ、んっ、あっ、あっ、ああ~。きっく~。おっさん、うまいじゃん、昔何かやってたことあんの?」
「いや……そうだな。俺の家は田舎の村にあって、親父とお袋はそこで主に農業をして生活してるんだ。子どものころ作業が終わった後に親父やお袋にマッサージを頼まれてしたことがあったな」
そのとき、みんなから筋がいいと褒められたが親の欲目か、褒めてこれからも俺にマッサージをさせようという魂胆があってのものと思ったから本気にはしていなかった。
しかし、こうして冒険者パーティーを裏で支えるならこういう技能も役に立つよな。
しかもうちのパーティーは美少女揃いだ。
あんなところやこんなところをモミモミさせてもらえるなら、いったいどっちのご褒美かわからないな。
俺はそんなこんなを考えながらも目の前のことをしっかりとこなしていく。
ユリアのふくらはぎは確かに張ってガチガチにはなっているが、表面の肌は柔らかくしっとりとしていてみずみずしい。
さすがは10代の肌だ。
俺の手に吸い付くようだ。
――もみもみもみもみ
俺はゆっくりとユリアのふくらはぎを揉みほぐしていく。
あまり強い力ですると後で揉み返しが起こるからその匙加減が重要だ。
「ああ、いいぞおっさん。あと他のところも頼むよ」
他のところか……。
歩きどおしだったんなら足裏マッサージとかよさそうだな。
――ぐりぐりぐり
「んあっ! いたっ、ちょっ、おっさん、いたいっ、いたいからっ!」
「まあ、足裏マッサージは痛いのが相場だからな。なにより効いてる証拠だろ」
「だからって、いたたたっ、ギブっ、ギブだから!」
かなり凝っているようだ。
まあ、あまり痛みを感じると身体がこわばってかえって悪いからな。
足裏はこのくらいにしておこう。
「じゃあ、今度はこっちだな」
俺はユリアの太ももの裏に手を添えた。
しっとりとした手触りでここは女の子特有の柔らかさを感じることができる。
太ももを膝側から臀部に向かった徐々に揉みほぐしていく。
そうしてマッサージを続けていくとユリアのきゅっと引き締まったヒップが目に入った。
(ここも揉んだ方がいいだろうか。実際お尻も凝るからな。まあ、間違って他のところを触ってしまうかもしれないが。うん、それは仕方ないな。ユリアだし少しくらいは大丈夫だろう)
俺は甘かった。
あまちゃんだった。
世間知らずのチェリーおやじだった。
俺はユリアという女の子のことをまだ何もわかっていなかった。
「……おっさん、変なとこ触るなよ」
「……いったい何のことかな?」
ユリアのお尻に手を伸ばそうとしたところ、そう声を掛けられ、俺は思わず、すっとぼけた。
「隠さなくていいぜ。おっさん今ちょっと邪なこと考えたろ?」
「いったい何のことでしょうか。拙僧は修行中の身。煩悩を排除しいただいたお勤めを……「おっさん、あたしの『ギフト』、何か言ってみ?」
ユリアの『ギフト』?
そりゃ『悪意察知』……あっ!
まさか!
マジ!
ほんまでっか?
ユリアのギフトはそんなこともわかるのか!?
俺が驚いた表情を浮かべているとユリアがさらに続ける。
「おっさんさ、ここに来た最初の朝にあたしの胸を揉んだろ? アレはおっさんに悪意がなかったことがあたしのスキルではっきりわかったから一応不問にしてやったんだぜ?」
「…………」
やべー。
あのとき、調子にのってさらに2、3度追加で揉んでたら『ギルティ』だったわけか。
追放されて拾われたのにその直後に再追放の可能性もあったってことか。
しかも痴漢容疑で冒険者タイムズの記事になるかもしれなかったわけだ。
『元Sランククラン事務職のT氏、10代女性冒険者の胸を揉みしだき痴漢容疑で拘束』とかか!
そうなるともうこの街周辺にはいられないところだったな……。
さっき風呂に入ったというのに俺の背中は汗でびっしょりだ。
危なかったな。
神様ありがとうございます!
また追加でお布施をしておきます!
俺の頭に満面の笑みを浮かべるシスターアンナの顔が浮かんだ。
結局この後、ユリアが「もういいぜ」と言うのでのマッサージを終えると、俺は自分の部屋へと戻った。
――今日の教訓
ユリアはビッチに非ず。
タッチするときは事前に許可をもらおう。