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3 おっさん再就職する


「おじさん、冒険者パーティーの事務できるの?」



 カウンターに突っ伏して意識を失いかけていたところ俺の耳に女の子の声が聞えた。


 俺の愚痴が聞こえたのだろう。


 そりゃそうだ。


 あれだけ大きな声を出していたんだから周りには筒抜けだろう。


 俺が顔を上げると近くのテーブル席に女の子のグループが座っている。


 恐らくそのうちの一人が俺に声を掛けてきたのだろう。


 俺は酒が回っていて女の子の顔も年齢もほとんど認識できていなかったが聞かれたことには答えることにした。


「ああ、これでも冒険者パーティーからクランの事務まで10年以上やってるからな。ギルドへの報告から役所への税務申告、アイテムや素材の保管や売却、資産の管理まで何でもできるぞ。ただ、書類は手書きでしか作れないけどな」


 俺は自嘲気味にではあるが一気にそうまくし立てた。


 俺の言葉にテーブル席の女の子たちが何やらコソコソと話をしていたが俺は酒が回っていたためまったく気付かなかったし気にもならなかった。


 そして、数分たって俺が半分寝落ちしかけていると、さっきの女の子から再び声を掛けられた。


「だったらさ、うちで働かない? 給料は安いけどうちのパーティーハウスに住んでいいから家賃はかからないよ?」



 俺は酒のせいで働かない頭をフル稼働させた。


 ――働けて給料もらえて住むところがある


 ――結果:何の問題もない


 以上、検討終了。



 俺はこうしてどこともわからない冒険者パーティーの事務職として再就職をすることになった。


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新米錬金術師は辺境の村でスローライフを送りたい
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