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25 そのころの古巣4

 ※ 第三者視点です


 忘れてしまいそうですが「おっさん」の名前はトミーといいます。


 Sランククラン『鋼の戦線』を構成する4つのパーティ―のうちの1つ。


『チームケイン』のリーダーであるケインは違和感を覚えてトミーの行方を探していた。



(そもそもトミーのやつが俺たちに何の挨拶もなしにいなくなるってことがそもそもおかしいんだよな。ガルムのやつ、トミーは自分から辞めたって言ってるがそれ自体どうなのやら)



 当初は魔道コンピューターをさっぱり使えず、トミーを探して報告書を書いてもらえないかと頼もうと思っていた。

 しかし、いざトミーを探そうとしてふとそんな疑問が湧いたのだ。


 ケインはまずは冒険者ギルドに行ってみることにした。


 ケインは冒険者業界の具体的な事務手続の仕組みを知ってそうしたわけではない。


 単に『情報が集まるのは冒険者ギルド』というイメージで直観でそう思ったに過ぎない。


 ギルドの職員が知らなくてもその場にいる知り合い冒険者にそれとなく聞いてみてもいいかもしれないと思った結果だ。


 ケイン個人の冒険者ランクはAであり、ここまでのし上がってくるのに勘の良さにも定評があった。


 そしてその勘はここでも正解を掴むことになる。





「トミーさんですか? トミーさんでしたら『荒野に咲く華乙女団』に入られましたよ」


 ケインが冒険者ギルドにトミーの現在の所属を尋ねたところ、あっさりと答えが返ってきた。


「えっ、高野に咲く花団子?」


「ち・が・い・ま・す。こうやにさくはなおとめだん、です。この前Cランクになったばかりのパーティーですよ」


「そっ、そうか。で、そのパーティーの拠点を知らねーか? ちょっと話をしたいことがあるんだ」


「ええ、それは構いませんよ」


 個人情報保護がどうとかうるさい世の中になってきてはいるが、冒険者ギルドでは冒険者として登録している者の氏名、個人ランク、所属パーティー及びパーティーの拠点については外部に開示するという決まりになっている。


 これには、冒険者が自身の所属やランクについて嘘をついて不正な行動をすることを防ぐ目的がある。


 その他、どの冒険者がどのパーティーに所属しているのかを公式情報として確認できるようにしておくことで、パーティー同士での所属冒険者のトレードやレンタルの協議を円滑かつ適正にできるようにするという目的もある。


 なお、事務職は冒険者ではないものの、それに準じる者として併せて情報開示の対象として扱われている。


 ケインは受付嬢のカレンから教えられた住所を頼りに『華乙女団』のパーティーハウスを訪れた。


 そして玄関のドアを「ドンドン」と叩いた。

 

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新米錬金術師は辺境の村でスローライフを送りたい
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