登校準備
学園長室を後にして、俺たち二人はリリスの部屋に戻ってきた。俺は何も準備する物がないにしてもリリスには新学期の授業の準備があったのだ。
「なぁ、リリス。俺はお前についていけばいいのか?」
「多分、そうね。先生にも話は通しているだろうし。」
鞄にあわただしく物を詰め込みながら、そう返してくる。
「ふーん、ちなみに魔道の授業って何を習うんだ?」
俺はふと疑問に思ったことを聞いてみる。さっき俺がやったことなど魔力を込めるだけしかしていないから、魔道とはどういうものかという事がまだピンときてないのだ。
「えーとね。魔道にも色々な分野があるのよ。午前は基礎魔法理論とかの必修科目なんだけどね。午後からは、それぞれの専門分野に分かれての選択授業になるの。」
「へー、選択科目ってたとえばどんなのがあるんだ?」
「異世界人のユージにはピンとこないかもしれないけど。ある物質から、異なる物質に作り変える錬金術。特殊な文字を使って爆発を起こしたりバリアをはることの出来る聖文字魔術、水晶玉などを使って未来を視ることの出来る占星術とかかしら。あ、ちなみに炎出したり水出したりみたいなのは基礎魔法の授業になってくるわ。」
「ふむふむ、なるほどな。基本的にゲームの中と変わらないわけか。」
「ゲーム?なにそれ?」
こっちの世界では聞きなれない単語だったらしく、リリスが問いかけてくる。
「んー、なんというか、仮想世界の中で現実にないことを体験できるものことだ。」
「よく、わからないわ・・・。まぁ、いいわ。」
「うん、なんかすまん・・・。」
自分で言うのも何だが酷い説明だった・・・。
俺がへこんでいるとリリスの準備が終わったようで、
「じゃあ、ユージ、そろそろいくわよ!ついてきて!」
「ん、わかった。」
そして、リリスと俺は授業に向かった。