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五十四

「思った……音と平山さんは、そっくりだって思ったよ!」


 啓介は何度も頭を上下させると、くいいるように姉を見つめた。


「……姉ちゃんは、何か知ってるのか……?」


 今までの、姉の思わせぶりな態度が思い出される。そもそも、平山夏音と啓介を引き合わせたのだって姉だった。何を知っているのか、どこまで情報を握っているのか。

 薄ら笑いを浮かべる姉を少し気味悪く思いながら、啓介はそれでも彼女の顔を凝視しつづけた。


「もちろん、私が全部知ってるわけないでしょ」


 姉は普段通りの軽い口調のまま、あははと笑い声をあげた。二人きりの病室に、その乾いた笑いがやけに大きく響く。


「私が知ってるのは、夏音ちゃんのお母さんからうかがったごく一部だけ。つまりね」


 姉は啓介に一歩歩み寄ると、顔を上からのぞきこんだ。


「夏音ちゃんと、カラオケの子……音ちゃんは、同一人物だってこと」

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