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二十七 回想

「さて、お味はどうでしょう」


 夢中でかき氷をほおばる少女に、マイクに見立てたスプーンを向ける。彼女はこめかみをおさえて少し顔をしかめながら、


「暑い日には、やはりかき氷ですね。このお店の氷はおいしいです。氷の粒が細やかで、口にふくむと優しく溶けて……。シロップが全体に広がっているにもかかわらず、ちっともべちゃべちゃしていない。最高です」

「確かにおいしそうですね。でも、頭が痛くはないですか?」


 彼女はそう問われると、はにかんでほんのり頬を紅潮させた。


「痛くないと言えば嘘になるけど、この痛みこそがかき氷の真骨頂だと……もうやめようよ、なんか恥ずかしい」


 彼女は笑って、差し出されたスプーンを押し戻した。もう片方の手は休みなしに動き続け、みるみるうちに氷の山が口の中に消えて行った。


「おかわりってあるかな?」

「まだ食べる気なの⁉」


 呆れ気味に言うと、少女は口を尖らせて未練がましく空の皿をなでた。


「だって、おいしかったから、ね?」


 甘いな。まだまだ。

 懇願にめっぽう弱いことを自覚しながらも、姪のためにまた氷を削ってやる。子どもが大好きなのに、自分には子がいない。だから余計にこの子を溺愛していたのだろう。姪っ子をとてもかわいがっていたのだ、あの時は。

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