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【詩】何処かの世界の誰かたち     【シリーズ】

少年兵

作者: FRIDAY


────解体を始める


慣れ親しんだ工程を


無表情に 淡々と


丁寧に 整備する


仄暗いランプの灯りで


ひとつひとつ 丹念に


整備する


己を守るためのもの


誰かを殺めるためのもの


命を生かし


命を奪う


気付いたときには手にしていたもの


なぜ戦うのか


何のために戦うのか


誰のために戦うのか


何一つ解らないままに


彼はいつもそれを構える


視線の先に敵を据えて


引き金を引く


生きるために


生きるために


今日を生き残ったことに


何の感慨を抱くこともなく


昨日の友がもういないことに


何の感想を持つこともなく


明日を生き延びられるかわからないことに


何の感情を染めることもなく


淡々と


淡々と


己の小さく大きな力を


いつものように


いつものように


整備し 手入れし


明日を繋ぐために


自分を守るために


誰かを殺すために


整えて 組み立てて


構える


生きるために


生きるために




ただ、生きるために





 

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― 新着の感想 ―
[良い点] はじめまして、FRYDAYさん! 少年兵。今でもある国には存在しています。 彼らが望んだわけでなく、大人たちによって無理やり兵士にされてしまう。少年兵の写真を見たことがあります。こどもの…
[一言] こんばんは! 読ませて頂きました。 今日を生き残ったことに何の感慨も抱くことなく 生き残るために誰かを殺すー 虚しさと本能的な生の匂いを感じ取りました。 上手く言葉にできませんが、心に深…
2014/03/22 21:17 退会済み
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