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とある人形

 私は操り人形。ご主人様に使われて芸をする。


 ご主人様の意のままに私は動く。ご主人様が意志を込めて指を動かせば私はそれに応える。


 ほら右足、それ左腕、ほーらこんなワルツも綺麗に踊れるよ。


 私を操っているのは仕事仲間でもなければ相棒でもない。ただのご主人様。自分の意志で私を動かせるご主人様だ。


 私が何を思っても身体は動かない。私が何を思ってもどこも動かない。


 何?私が哀れだって?ふふ、あなたは何を言っているの?


 ご主人様がいなければ、私は価値がないの。

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