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出会い(2)


迷いに迷った櫻子だったが思いきって受話器を取った。



バイト先はラウンジだと聞いていたので、早い時間の方が手が空いているかと思い、夕方、早い時間に電話をした。




「すみませんが、速水と申しますがアルバイトの土屋さんを‥」




「櫻子ちゃん?!」




「はい!」




電話に出た相手が土屋さんだったようで良かった!と、思ったのも束の間、土屋は、櫻子と分かった瞬間に怒鳴り出した。





「なんだよ〜直ぐに電話しろと聞いてなかったのか!!」





「えっ!ごめんなさい!」




「ご免なさいじゃないよ!俺の気持ちも考えろ!!毎日、待って待ってしてたんだぞ!!」




櫻子は土屋の勢いに泣きそうになった。

父親にさえ怒鳴られた記憶のない櫻子にとって初めて電話で話しただけの人に怒鳴られ心の中に衝撃が走った。



「ごっ、ご、ご免なさい」



すると、土屋の声が一変して優しい口調になって




「ごめんごめん、嘘だよ。怒ってないよ。待っていたのは確かだけどね。いつ、会えるかな〜櫻子ちゃんと?」




そして、櫻子は、また 土屋のこの変貌ぶりに驚いたのだった。




「えっ、あ〜そうですね!土屋さんの都合は、どうですか?」





「じゃ、明日はどう?」





「はい、明日は一時限授業後なら大丈夫です」





「じゃ、昼一時に梅田の阪急ファイブの前‥いやっ、ちょっと待てよ、あそこは問題ありだな!少々、危なっかしいな。阪急三番街の喫茶青山にしょうか?分かる?」





「えぇ、解りました」





「では、明日ね!楽しみにしておくよ。電話、ありがとね」





なんだか心地好い電話だった。


櫻子は、穏やかな気持ちで電話を切ったことが不思議でならなかった。











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