第5話
「コンコン」
やっぱりじぃの執務室だ…
その事実を道中必死に否定していたが、その扉と周りの装飾物を見た瞬間、ゆーのは久しぶりに諦めた。いつもだと強引な手を使って乗り越えていたことが多かったのだが、じぃがあいてだとなにもできない。それが、ゆーのの弱点かもしれない。
「執事長、お嬢様をお連れしました。」
無慈悲なる声を響かせるメイド。ゆーのからすればそれは、純なる天使、熾天使からの断罪の合図のようなものだった。
どうしよう…言い訳、言い訳、いいのないかな?あぁ…数分前の自分を恨む。やだやだやだー怒られたくなんてないよーーー!!!
駄々っ子か(笑)
本当に誰なんだよー!!私を笑うやつは?
「はい、わかりました。入ってください。」
じぃの落ち着いた声が届く。
額に冷や汗を流すゆーのと涼しい顔をしているメイド
「ガチャリ」
扉が開く。聖なる門のようだった。
さぁ、戦争の開始だ!!!潔く負けてやんないから!逃走してやるっ
逃走を胸に。彼女は決意を示す。(ちっぽけな)
まただーーー誰なんだよ!
「リアーナは出ていってもいいですよ。」
「はい。承知いたしました。」
あぁ~~!一人にしないで!お願い、逃走できないよっ
扉から出ていくメイドを必死に止めようとする。しかし、じぃの声がそんなことを許すはずがなかった。
「さて、お嬢。準備はいいですか?」
「な、なんのでしょう?わ、わたくし、部屋に帰って寝るつもりなのです…が?」
味方がだれ一人おらず、じぃとゆーのの2人だけの空間。いつものような圧迫感を感じてうまく舌が回らなく焦るゆーの
やばい、やばいやばいってこれ。私、人生詰んだかも…?
「そのことについては、ジュウライ様…ではなく、カルア様にも話を通しました。ゆーのめwwと言って苦笑しておりましたよ。」
ジュウライは確か、死んだお父様よね、血筋上の。それにしても
「お仕事…速すぎではありませんか?じい」
「そうでしょうか?昔よりはおとろえましたが。」
これで衰えたって……。じい、最盛期はどれだけだったんだろう?
怖い想像で背中に悪寒が走る。そして、その最盛期が今でなくてよかったと心をなでおろした。
「それで、肝心のお嬢の罰ですが、」
「ちょちょちょちょっと待ってくださいな、じい。今日の毒事件のせいで気が立っていたのですよ。だから、…」
むぅ、頑張って考えた結果がこれですかっっ?…………って、ハイハイ。そうですよ!なんかダメでした?もう死んだも同然じゃん、こんなの。あぁ~世界って広いな~
「それでも、お嬢はなにかの罰を受けなければ…。あぁ〜〜それより、お嬢の好きな事はなんですか?」
ん?突然どうしたんだろ?
「えっと…ゲームてすけど?」
今はね、スプラ32っていうゲームのver3が最新版なんだけど、これがチョー面白いんだよね。RPGゲームがメインなんだけど、対戦もできるんだ。
「では、それを禁止いたします。」
え?
「えぇー!!」
ちょっとちょっと、ひどくない?毎回この手のやり方で罰が決まってるんだけど!・ ・ ・私ってバカなのかな?
「期限は、1週間としましょう。では、お帰りくださっていただきたいのですが。」
「じっ、じい!」
「きみ!」
そういって、扉の外に待機していたメイドを呼び寄せた。
「はっ!」
「お嬢様を部屋へ」
それを聞くと万能メイドさんは、私を引っ張って部屋へ連れて行こうとする。私は、じいに文句をたれなから、連れて行かれた。
「ひどいではないですか!?じい、なんでこのようなことを!」
「お嬢様!」
「うぅっ。メイドさんぅ…」
メイドさんではなく、じぃだったらもっと激しく抵抗できたのにっ。くやしぃ~
「では、お部屋に参りましょう」
「わかりましたわ。メイドさん。」
じい〜!!今度こそ勝つっ!
そう心に誓ったゆーのはしぶしぶメイドと一緒に私室へと戻っていった。
執務室には難しい顔をしたじぃだけが残っていた。
「やれやれ、困ったものです。ゆーの様にはご自分の力を理解してもらわなければ……早急に。」
そう、一言つぶやいた。
しかし、そのを一言は独りの執務室の闇に同化してしまった。
悲しそうな顔をする、とある男の孤独な愛子。それを見ている一つの闇。それは、昔は常識過ぎてだれにも気にされない存在だったのに。
その闇の名前を知るものは、もういない。
読んでくれてありがとうございました。連載していく予定なので心待ちにしてくれると嬉しいです。高評価、感想、誤字脱字などたくさん送ってくれると嬉しいです。
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