第41話
ゆーのは…寝たか
「ふぅ」
やっと一息付けるなこれは
影はつい数日前に作った自作のヘッドフォンを手に思案した。
「なんでこうもわがままっていうかなんというか…必死ってやつなのかなぁ」
俺には一生理解できないものだな。この世が滅んでもきっと俺は生き続けるだろうし俺がここにいる理由はこの世界とこの世界の創造主のせいだしな。それに俺は今はこんなにフレンドリーになっているがそれはゆーのが無意識的に臨んだ姿だからだろうな。あの少し前の騒動…世界を壊せっていう願いはただの暴走でいつもなら俺は何もせず静観して見守ることができるはずなんだけど…やっぱり表面的感情が暴走し俺でも制御不可能の大きさにまでなってしまったから強制的に力を使われた感じなのか?
「とにかくこいつが寝てくれてよかったよ…最悪食っちまうっていうのもありだったんだよな。食っちまえばこいつの暴走は終わるし…まぁ仮死状態になるから死ぬことはないはずだ。」
自信をもって影は言ってるが実は違う。というよりかは38話を思い出してもらったらわかる。
ゆーのの精神はそもそもが脆弱だ。そして今は親もいず友達もいず、そしてその両方の安全すらわからない、そんな心配しかできない中の生活で精神は周りもそして自分自身のあずかり知らぬところで徐々にすり減る…脆弱な精神ではとてもじゃないが耐え切れない。影がいてもその不安定な精神状態であることに変わりはない。
ぶっちゃけ、ゆーのは力を持っていても結局はその自分の精神の弱さでその力に飲まれ、死ぬどころか魂すらなくなりこの世からの完全消滅もあり得てしまう。
先刻、作者なる精神生命体?が焦っていたのはそれが原因の一つだ。
作者はゆーのの明るい未来を望んでいる。しかし、創造主や世界の絶対なる法則がそれを許さない。
主人公には苦しんでもらわなくてはならない。
それが、物語を壊すことになっても。
「こいつの夢をかなえるにはどうするのが最善策なんだろうな…」
一人で考えるほどむなしいことはないな
ゴロンと我が物顔でふかふかのソファに寝転んだ
「だーれか話し相手とかいねぇかなぁ…」
あーーこっちから話しかけれるかな
机の上に置いたヘッドフォンを装着し、マイクモードに設定してから影はつぶやいた。寝ているゆーのを起こさないように、しかし力強く。
「アマテラス」
何も起きなかった。ただただかっこが悪かっただけになった
「ッち…」
突然、影の前に光が溢れた。思わずのけぞってしまう影
「遅れて登場するのって主人公とか、重要キャラっぽくて好きなんだよね」
「はぁ…来るんなら早く来てほしかった」
すねたようにそっぽを向く影
アマテラスはとても神々しかった。
それはこの世界の神として当然だろう
「別にいいじゃん。君の呼びかけに応じただけで感謝してほしいんだけどね」
「黙れ…」
「君の疲れた顔を見るだけで笑いそうになるよ…作者の世界でお笑いでもやったらどうだい?いや、アイドルやったら売れそうだよね。君は演技もできるし」
「・・・」
お前の言ってることは理解できないというような眼でアマテラスを見る影。
「あ、でも音痴だったよね(笑)」
「…はぁ。ゆーのが望む世界はどう作ればいいと思う?」
「えーーわっかんない。ボクはただの管理者だからね。色は何色だったっけ僕ら」
きっと覚えているのにおどけたように影に聞く。影は呆れることしかできない
「金だ。」
「はぁ…白様たちにこのざまが見つかったらどうなることやら」
…
影にゾクっと悪寒が走った。そして冷や汗が背中を伝った。
「怖いからやめてくれないか?」
「僕ら二人は一応優秀だと判断された側なのに」
「作者って神なのか?」
「それもわからないなぁ…でも、もしそうなら管理者で白じゃない?」
「嘘だろ。まぁ…三人も金がいるほうが違和感あるけどなぁ」
「あーあ。もう絶望じゃん、この醜態は作者に知られてるわけだし。本当に白だったら終わるんだけど」
「そこはもう考えても仕方ないだろ。」
「そうだね。それでゆーのが望む世界を作る方法ね。一つだけある。」
「結局あるのかよ」
「120%ほぼ不可能だけど。それでいいなら」
「教えてくれ」
「望みの邪魔になるものを全部消しちゃうんだよ」
「中央タワーの存在を消す…?」
「違う。もっと、もーっと根本的な場所から。」
「はぁ?」
「もう僕行くね。」
「お、おい!!」
アマテラスは気にせず、すうっと虚空に消えていった
「俺はどうすればいいんだ…?」
一人残された影はここから丸々2日間、ゆーのが起きるまで思考を続けましたとさ
結果:結局分からなかった
やほー!読んでくれてありがとうございました。連載していく予定なので心待ちにしてくれると嬉しいです。高評価、感想、誤字脱字などたくさん送ってくれると嬉しいです。
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