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3*夢の真実

666年の永い時を経て、


戦いが、また始まる――




「風歌、君が見る夢が、何かわかるかしら?」


「これっぽっちもわかりません」


真剣な顔で答えた風歌に、おもわず笑みが零れる。


「その夢は、私たちの前世の記憶なの」


「前、世……?」


アルンは静かに頷く。


「そう、前世。夢の中で戦っていたでしょ? その戦いは私たち人間か、敵のどちらかが勝つまで、戦いは続くのよ」


戦いの始まりはアルンの記憶でも曖昧だが、敵は堕ちた人間…つまり、一度死んだ人間。

その人間が死に、その時強い恨みや憎しみがあると、地獄ではない“廃獄界ヘル・ルイン”という所に堕ち、“獄界の王”と契約する。


「“獄界の王”契約した人間を合わせて“生屍(ゴープス)”と呼ぶわ」


「ヘル…?ゴー…?」


単語を覚えようと必死にアルンの言葉を復唱するが、


ボヒュンッ!


「あうぅ………」


爆発した。アルンはため息をつき、紙に丁寧に書いていく。


「見ながら聞きなさい」


「へい…」


さっき説明したことを、もう1回軽くおさらいする。


「……で、この“生屍”が“廃獄界”から這い上がって、この世界に再び戻る」


「なんで?」


「死んだときに負の感情を抱いてしまったからね…そりゃ、戻りたくなるわよ」


風歌は生唾を飲む。


「“生屍”が生きていくためには、生きた人間の精気ルネが必要なの」


精気。

生命の源泉たる元気、精力。生物が生きていくためにも必要不可欠なものだ。“生屍”も元は人間。精気がなければそう長く生きていけない。


なかでも、人間の精気はどんな生物のなかでも極めて大きい。


「だからこっちに戻り、人間を襲う」


“生屍”は、恨みや憎しみを晴らすために地上に戻る。 地上に戻った“生屍”は、人間の精気を食う。


「もし、食われたら……?」


「その内死ぬわね」


「っ!?」


「精気を食われた人間は、存在していなかったことになる」


風歌の額に、汗が流れる。頷いたアルンは、静かに言う。


心を食われた人間と関わっていた全ての記憶や物事が、世界から無くなる。


「じゃあ…もしかしたら、うちの友達とか、も……」


「それはないわ。私たちだったら気がつくはずよ」


風歌はよかった、と呟く。風歌を見つめること数秒、アルンはまた話し始める。


「…で、“生屍”に対抗すべく、ある人物が現れ始めたの」


ある人物。それは “生屍ゴープス”と全く逆な存在。“天極界リスト・ヘブン”へ昇った人間の中から、“天界の王”と契約し、力を与えられ対等に戦えられるようになること。契約した人間は、“ぬえ”と呼ばれる。


人間と契約した“天界の王”はこの世に戻ってくると、人の形を成す。そして、2人で1人となった“天界の王”と“鵺”は合わせて“討伐者クエスター”という。


「戦いが激しくなってね…私たち“討伐者”が不利になった時期があったわ」


「負けたの?」


「まさか。負けてたら、今ごろ世界は“生屍”だらけよ」


「……そうなの?」


分からない、といったふうに首を傾げる。


「“討伐者”か“生屍”のどちらかが全滅するまで続くのよ」


「じゃあ、あの時は引き分け?」


「そうね。“討伐者”もなんとか持ちこたえたわ」


ふうん、と相槌をうつ。


「そういえば…アルン、黒い石拾ってなかった?」


「ああ、あれ。あの石は“精気の石”って言って、“生屍”今までにどれくらいの精気を食ったのかが色で分かるのよ」


“精気の石”の色が白だったならば、精気は食ってない。色が黒に近いほど、たくさんの精気を食っていることになる。また、“生屍”が強ければ強いほど“精気の石”の大きさや形が大きくて、いびつになる。


“天界の王”の力によって“精気の石”を清浄化させると、自分たちに取り込むことができ、強くなれたりする。


「じゃあ、さっきのは白かったしちっちゃかったから雑魚?」


「そ、雑魚」


風歌はまた相槌をうち、ポッキーを口に咥える。


「うちって“鵺”のほうだよね? えっと…“生屍”だっけ?が言ってた。『銀の魔女』の“鵺”かって」


「そうよ。『銀の魔女』……ね。私が“天極界”にいたときの呼称よ」


「なるほど……。うちとアルンって2人で1人なんだよね?」


「うん。私たちは、同じ。誕生日もそうよ」


「うちの誕生日は、11月10日」


「私の誕生日も、11月10日。それで――」


アルンの説明はまだ続く。


“討伐者”と“生屍”の戦いは“永遠の戦(エス・ウォー)”と呼ばれる。


太古の昔から続いていた“永遠の戦”は、あまりに長かったため、666年前に“生屍”側の提案で休戦された。そして、あれから666年経った今、“永遠の戦”は再び再戦された。


「なんで666年なの?」


「知らないわ。向こうが決めたことだから」


「ふぅん」


風歌は、ポッキーを摘んで食べる。そんな風歌に対してため息をつき、手に持っているポッキーを奪い口に運ぶ。


「他人事のように言ってるけど……風歌、君も“無限の戦”に参戦して“生屍”を完全討滅させるのよ?」


風歌はポロリ、ポッキーを手から離した。


「えぇええええぇぇえ!!??」


今までで、一番大きい絶叫をした。




2人の絡み……

できてなくね!?


あー駄文すぎて笑っちまうよ←



ちなみに……

風歌ちゃんたちの誕生日は

友加の誕生日です(殴



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