表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/13

11*昨日ぶり



<今から、そっちに向かうわ>


<うん>


<最後に確認。なにも、されてないのよね?>


<なにも。姿を見てもないよ>


<それだけで、十分>


<うん。十分だね>


<じゃあ、また後で会いましょう>


そう言って、“テレパシー”を切る。時間は、12時の、1分前。


(もし、私の考えが当たっているなら)


アルジェントは自分の拳を見つめる。


(絶対、勝てるわ。時間はかかるかもしれないけど)


ベランダに出て、青空を見上げる。呼吸を整え、跳んで屋根に上る。


(勝算は、ある)


膝を曲げて屋根を蹴り、銀の線をひきながら風歌のいる有升デパートへと飛んでいく。


有升デパートには、1分もしないうちに着いた。


ギリギリまで、待つ。





(あ、)


寝転がっていた風歌は、なにかの気配に気がついて起き上がった。


(この感じ…アルンが近くまで来てるんだ)


2人で1人となっている風歌とアルジェントは、お互いの気配等感知がしやすい。


そういえば、そろそろマティルドが昼食を持ってくる時間だ。来る気配がない…ということは、向こうもアルジェントの気配を感じ取ったのか。


(でも、うちらが勝つ)


拳に力を入れる。大丈夫。


〈いくわよ!〉


アルジェントの声が脳に響いたと思った瞬間、“フィールド”が展開され、あかに染まった。


その一拍後には、ドゴォォンという音とともにコンクリートの壁が粉砕、土煙が視界を奪った。


「げほっ! 目が…目がアアァァァッ!!」


両手で目を押さえる。ム〇カみたいになっちゃったよ、と言いながら。


その次はいきなり強い風が吹き、土煙は消えた。


「……あら、人攫い野郎。昨日ぶりね」


「語弊を招くような言い方はやめてほしいね」


「まったくですわ」


晴れた視界には、アルジェントとグリアラ、マティルドが睨みをきかせあっていた。


(なんじゃこりゃ)


「僕たちはたしか…あの時、3日後と約束をしなかったかな?」


こめかみを押さえながら言う。


「そうね。したわ」


「まあっ! 覚えておいて約束を破るだなんて…なんて無礼なのかしら」


「敵との約束なんて、守るわけないじゃない」


そっちだって、破ると分かっていていたでしょう? とアルジェントは言う。


「ククク…! たしかにね。今日あたり来るだろうと思っていたよ。まあ、時間は外れたけどね」


先に動きだしたのは、グリアラだった。武器もなにも使わず、素手でアルジェントに殴りかかる。


「アルン!」


つい反射的に叫んだ。アルジェントは流れるようにかわした。


「直接突っ込んでくるなんて…変ね」


「……不本意ながら、僕はアレが嫌いでね」


アレ、とは“ルーダ”のことだろう。


〈ビンゴ?〉


〈おそらくは――まだ断言はできないわね〉


風歌は数秒間じっとし、グリアラとアルジェントを交互見た。


(うちも、そろそろ動こうかな……)


よっこいしょ、と言いながら立ち上がり、とろとろ歩いてアルジェントに近づく。


「「………」」


2人は無言のまま向かい合う。


(あ、ちょっと気まずい)


とりあえず、挨拶をしてみる。


「よう? 昨日ぶりだね?」


「…なんで疑問系なのよ」


「えっとぉ、なんとなく?」


アルジェントは風歌をジロっと見た後、ため息をつく。


「はぁ…。そうね久しぶりねご無沙汰ね」


なにもない空中から、スラッと曇りのない長身の太刀を取り出す。


「えっ…えぇ!? ちょ、アルン落ち着いて……」


「再開を喜んでる暇なんてないわよ。目の前の敵を始末しないと」


「…うん、そうだね」


自分でも驚くくらいの冷静さで答えた。つい最近までどこにでもいる普通の女子高生だったのに、と思う。


「最後のお話しは終わりかな?」


「最後、とは心外ね」


「そうだコノヤロー! アンタをぶっ飛ばした後にゆっくり話すもんね!」


「あっちで、かな?」


「めでたい話しですこと…!」


マティルドの言葉を最後に、それぞれが動き出した。





風歌は、この前(というより昨日)自分で出した弓のことを、ウェンディと名づけた。本人曰く、「名前があったほうがかっこいい」だそうだ。


「ウェンディ!」


と言いながら手をを上に突き上げると、銀に光りながら風歌の武器――ウェンディが現れた。



よっしゃグリアラに射ってやろうと構えた瞬間、目の前には5体のマネキン。


「ぎゃああぁあっ!!! ホラーだあぁぁ!!!!」


マネキンに驚き、反射的に叫ぶ。


「ちょっと! 馬鹿やってないでぶっ壊しなさいよっ」


「だだだだってぇ~…」


半べそかいてる風歌の目前にいるマネキンに向かい、大きな炎弾を食らわせる。


マネキンはメラメラと燃え、黒焦げになって崩れ倒れる。


「あ、ある意味ホラー…!」


なんて言ってる風歌に、また新たなマネキンが襲い掛かる。


「風歌っ!」


アルジェントに怒られた。あの声音は絶対怒ってる。


「はいぃぃ!」


咄嗟にウェンディを構え、1本の矢に力を込める。


「馬鹿ヤロー死んじゃえぇ!」


マネキンは生きてない。


矢は1体のマネキンの胸部に刺さり、瞬間銀の光りを放ちながら爆発をし、左右にいたマネキンを粉砕した。


「南無っ」


マネキンに命はない。


その後も、襲ってくるマネキンをことごとく粉砕、粉砕、粉砕……の繰り返し。


「キリがぬぇええぇぇ!!」


ここで風歌が、あることに気がつく。


(マネキンに糸がついてない!?)


今日のマネキンには、たしかについてなかった。だとしたら、誰がマネキンを……?


(! マティルドは!? さっきまでグリアラの肩に座ってたのに…)


辺りをキョロキョロと見回す。アルジェントとグリアラが戦っている姿以外は、確認できず。


「まさか、このマネキンはマティルドが…?」


「あら、よく気がついたわね。褒めてさしあげますわ」


不意に、マティルドの声が聞こえてきた。もう一度見回すが、やはりどこにもいない。


「マティルド~? どこにいんの~?」


「そう言われて場所を教える馬鹿がどこにいらっしゃいますの?」


「う~ん…じゃあ、自分で探すから!」


「どうぞご勝手に」


よし、と言ってマティルドを探すため、走り出した。







半端なとこで終わらせちまいやした←

でも続きを書いたらトンデモナイことになってしまうんです多分←



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ