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星空事件簿②

(どうしたらいいんだろう……)



ティアの異変に気付いたアスカが駆け寄る。

泣き出したい気持ちを押さえて今までの事を説明した。


精霊として幼いアスカには受け止めきれず、レムとアテナを連れて来てくれる。


それを見て面白そうだとプルートーとイフリート。その二人を止めようとポセイドンが付いて来た。


ジンは早々にお休みタイムなのだそう。




「基本、ユグ様はまだ子供なのです。」

レムが言い放つ。


「我らに手柄を取られた気にでもなったのだろう。」

それに同意してプルートーも言う。


「きっと二人でいる時に他の者を思ったのが、面白くなかったのではないでしょうか?」

オスとはそう云う生き物なのですよ。とアテナ。


まだポセイドンも恋愛経験が無いのだろう。

オスとは……と考えていた。


イフリートはおやつブレイク中。


そもそも参加する気もなさそうだ。



「何か嫌な事がある度、職務を投げられる我も大変なのだ。もう少し大人になって欲しいものだな。そもそも……」

途中からプルートーは愚痴になっている。


それを「大変ですよね。」とポセイドンが慰めながら聞いていた。


そんなプルートーとポセイドンに

「まぁまぁこれでも食べて。」

とイフリートが自身も食べながら、お酒を勧めるかの様に食べかけのパンケーキを勧めている。


何か……カオス。


プルートーは呑んでいらっしゃる?

精霊界にも上司と部下ってあるのかな?


ティアは生前見た居酒屋のサラリーマンを思い出していた。




「何で機嫌悪くなったのか探ればいいんじゃないかしら?」


アテナのその一言に皆ハッとする。




さて、その探るのは誰か。


一斉に皆の目線がレムに集まる。


「……私……ですか?」


アテナも上手そうだが、マイペースさが心配。

真面目だがポセイドンは恋愛事には向いてなさそうだし、プルートーもイフリートも論外だ。


精霊王達の良心。

上手く聞き出せそうなのはレムだけだ。


不本意そうなレムだが、皆が頷く。


謝るにしても、何で機嫌を損ねたのか解らなけば話にならない。


満場一致のレムがリサーチしに行く事に。






待つ事、小一時間。


戻って来たレムが言うには

『自分以外を気にしたのが面白くなかった。けれど言う程の事でもない。』結果、言えず拗ねたのだ。


言われてみれば『皆』を連呼した上、『アレク』の名前を出してしまった気がする。


アテナ、大正解。


これからは先生と呼ばせて頂こう。


それから、そんな態度を取ってしまって、今猛烈に反省中なのだそうだ。

部屋に入ったレムに泣き付いたらしい。


姿を思い浮かべてティアは笑ってしまった。


そして謝らなけば、と思う。


集まってくれた皆にお礼を言いユグの部屋へ向かう事にする。

自身の意図しない事でも配慮のなさが招いた結果。自分が行動するべきだと思ったのだ。


皆に見送られユグの部屋へ。



扉をノックすると『どうぞ』と返って来た。


いざ前にすると緊張する。



恐る恐る扉を開ける。

と、微妙な顔のユグと目が合う。


「「ごめん。」ね。」声が被る。


ハッとして顔が合う。


「先に謝らせて。楽しい時間を壊してごめん。」

楽しかったから自分だけを思って欲しかったんだとユグは言った。


「私こそ、余計な事言っちゃってごめんね。」

感動したから関わってくれた皆にお礼が言いたかっただけなの、とティアも謝る。

アレクの名前は敢えて出さなかった。


「俺様こそ。」「私こそ。」と言い合いに。


「じゃあ仲直りの印に、もう一度星を見に行かない?」

ティアがユグを誘う。


頷いてティアを横抱きにする。


「星空デートをやり直させて欲しい。」

優しい笑顔のユグ。



(デートのつもりだったのに、他を気にされたら…そりゃあ面白くないよね……)


自分の浅慮さ、至らなさを反省した。

男心についてアテナ先生に教えを請おう。


機嫌の直ったユグを横目に、美しく煌めく星々を見ながらティアはそう思った。





ふとユグはティアが自身の上着を掛けたままなのに気付く。


一旦部屋に戻ったハズなのに。着替えもせず。

それほど自分に気を取られていたのか、それとも着替えたくなかったのか。


どちらにしてもユグは嬉しかった。


そんな心の中は解らないが、ユグの笑顔にティアも笑顔になる。




ひと悶着あったものの最高な夜になった。

ユグとも精霊王達とも近くなれた気がする。


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