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ネックレス

喜怒哀楽の表情が少ないレム。

だが、普段より強ばった表情に見える。


それにユグも気付いた様だ。


「何かあったか?」

「いえ、その、何がある(・・)という、確信がある訳では無いのですが……」


珍しく歯切れが悪い。

割とハッキリと物を言うレムが含みのある言い方に引っ掛かりを覚える。


それが顔に出ていたのか、会議室を後にしようとしていたアレクが足を止めこちらを見ていた。

それに従い護衛騎士も足を止めている。


アレクやその護衛騎士。

数人の人がいるのをレムは横目に見て

「ここでは、ちょっと……」

濁したレムを察し

「では場所を移そう。」

とユグがどこかへと移動しようとした。



瞬間


パッ

ティアの腕を掴むアレク。


周りはギョッとし、ユグは顔をしかめる。


「忙しいのだろう?人の子。早く去れ。」

「いやいや、多分きっとティアに関わる話しだと思うし、王族、そして人間界代表として着いて行かないと。」

「ティアには俺様がいるから必要ない。」


アレクが掴んだ手をティアから剥がそうとするユグ。

しかし、ティアが痛くない様に掴んでる様なのにその手は取れない。


「ユグ様。時間がございません。」


「ぐぬぬ」

「ふふん」


ユグとアレクの顔は対照的だった。




諦めたユグがアレクごと精霊界へと移動する。


「っ!!!」


突然の場所の変化にアレクは驚く。


が、目に少し出ただけで、いつもの王太子然とした姿を崩さなかったのは、さすが王族。教育の賜物だろう。



「ここでなら、大丈夫ですね。」

周りの気配を確認するレム。


「気配を探ったけど他に誰もいないから大丈夫だ。」

納得し合うレムとユグ。


それでは、とユグとティアに向くレム。



「あのフードの男、知ってる者かもしれません。」


レムの言葉に驚くユグとティアとアレク。


「どういう事だ?」

誰より先にユグが聞く。


「まだ確定では無いので誰かは伏せますが、……私の知る者であるなら、厄介な相手です。」


「なぜ伏せる?誰か分かれば対処しやすいだろう。」

「そうです!厄介なら尚更、対策しないと!」


濁すレムに苛立つユグとアレク。



「言葉とは言霊。現実にする力があるのです。私は認めたくない。そして、それが現実であって欲しくない。なので敢えて何者か言わないのです。」


確定するまでは。


きっとレムとその人は深い何か縁がある人なのだろうとティアは思う。


悪い事をしたのがその人だと思いたくない。

そんな気持ちがあるのだと……

レムの知るままのその人だと、信じたいのかもしれない。




少し


分かる気がした。



「その人の事で私に話があるんですね?」


ティアの言葉に皆の目が向く。


「……そうです。」

認めたくないと言いながらも、どこかで予感があるのだろう。最悪は避けたい気持ちもあるのだと思われる。


おず、と出された手の上に乗るネックレス。


「ティア様の力を増幅させる為に、私が光の力を込めたネックレスです。」


身に付けるだけで底上げしてくれるという。

なんて凄いパワーアイテム!


「ただ、万能ではありません。」

使うだけ消費するので大きな力は何回も使えないとの事。


『気を付けて使って下さいね。』と言われたが、意図して力を使えないティア。

思っても言えず、あやふやに頷いた。


それを見たレムは、周りを見渡しゆっくりと話し始める。


「昔は明るく、皆を照らす様な者でした。大きな決断をした彼の者を私もプルートーも快く送り出し……幸せで、いる物とばかり……」


辛そうな悲しそうなレム。


「彼の者を最後に見た時、嫌な気配を発しておりました。あのフードの男と似た気配を……本人だとしたら何があそこまで凶悪に変えたのか……」



凶悪に変える程の何か。


何がレムの知るその人を変えてしまったのか。


知ってる人が悪く変わってしまった姿を見るのは辛いだろうと思う。

レムの心を思うと切なくなった。


「私の知る彼の者ならば、きっとまた何か仕掛けてくる事でしょう。」


何か決意した様に見える。

何か対策を練るべきだと進言した。


「……もし、そのフードの男がレムの知ってる者だとして、言う通り策は練るべきだろう。何を狙ってるのか分からない以上、可能性を考えるべきだな。」


ユグの言葉に同調したアレクが言う。


「僕も考えていました。その男の目的が何なのか。でも考えた所で分からない。何も分からない今、対策は何通りか考えておくべきだと。」


さすが上に立つ者。


考える事が似てる。


そんな事を言ったら2人して嫌な顔をしそうだと思うティア。


対策案をアレコレ話合うユグとアレク。

仲が悪い様でティアの事がなければ、馬が合うのかもしれない。


話を詰めようとユグとレム、人間界側代表でアレクがユグの執務室へと向かう事になった。

アレクだけ返そうとしたが人間界に詳しい者が居た方がいい、とアレクに説得され参加させる事に。



少しの時間だとしても、話しが終わるまでティアを1人には出来ない。

心配だと、護衛が付いた。


ポセイドンとジン。



ポセイドンはユグのご指名なのだが、ジンは自ら立候補した。


却下したアレク。


それを聞き流しテコでも動かないジン。


「いくら精霊界でも時間が無いでしょ?私なら大丈夫だから。」


それでも、心配するアレクとテコでも動かないジンの攻防戦。

押し問答が続き、ポセイドンも居るならと何とか納得させ、執務室へと見送る。


アレクがあそこまで反対するなんて……



ジン本当に何したの?



チラリと横を見るとニコニコ笑顔のジン。

ポセイドンに何を言われても嬉しそうだ。


(何か……企んでる……?)


イタズラをする前の子供の様な笑顔のジンに警戒するティアとポセイドンだった。


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