閑話 表彰と①
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あの後殆どの人が泣いていたが、いつまでも泣いている訳にもいかず時間も夜9時を回っていた為それぞれの家に帰り寝静まった。
入院生活が終わった慎二は2日ぶりに自分の家に帰り、久々にゆっくりと朝食を食べていた。たまにはこのぐらいの日があっても良いはずだ、過去にやり直してからドタバタの連続だった。
ただ、この救出で良いこともあった。笹原家にあった高額の借金だが、あれは殆どが笹原家を貶める為のもので違法に付けられた物だった。借金は減った、が少し残ってしまったのだが鈴木が約束を守ってくれた様で無事に解決したと言う。
「また、今度鈴木さんにお礼言わないとなぁ。それよりもヤバイな明日から高校始まるのにやる気が出無い……そういえば明日持ってく物なんてなんかあったっけ?」
今更になってそんな事を慎二は思い始めた。学生生活なんて久々過ぎたというのもあるが、今までの生活が濃厚過ぎてか全く考えていなかった。神様が用意してくれたものの中に何かあるかもしれない為探ろうとした途端「プルルル」と、一通の電話があった。
「んあ?警察署?え?僕何かやったっけ?一応出てみるかな」
『もしもし、こちら桜田警察署です。あなたが前田慎二さんで良かったでしょうか?』
「え、ええ。僕が前田ですが何かありましたか?」
『ああ、そんなに警戒しなくても大丈夫だよ。そうだな昨日あった「中井孝雄」の件って言ったらわかるかな?』
「?!何かあったんですか?もしかして脱走したとか?」
脱走していたら洒落にならないよ!また同じ事が起こるかもしれないし。
『そういうわけでは無くてね。君達のお陰で捕まえられた「中井孝雄」なんだけどね、今までで本当に色々と犯罪行為を行なっていたらしくて、それが今回の件で芋づる式に見つかってね、その件で前田君に賞状と金一封を送る事になったんだ』
「えぇー!いやでも僕一人で解決したわけじゃ無いですよ?他の人もいたし、他の方には聞いたんですか?」
そうだ、一応自分が「人助」の為に皆にお願いして「中井孝雄」達を捕まえる事が出来たけど、自分1人じゃ……結局何も出来なかった。
そんな事を考えていると意外にも。
『ああ、勿論聞いたよ。そしたらね皆揃ってこう言うんだよ……「前田慎二が全部やった、自分達はそれに賛同して手伝っただけ」だってね!』
「………そう、ですか」
(あの人達に売られたんじゃ無い?いや流石にそれは失礼かな?)
『うん、それで急になってしまうんだけどねこの後時間があればで良いけど桜田警察署まで来れるかな?そこで感謝状と表彰状を渡すね』
「わかりました。この後特に何も無かったので準備したら向かいますね」
『わかったよ。急かしてるわけでは無いからゆっくりで良いからね!』
そう言って通話は終わった。
「良く考えたら警察署なんて行くの初めてなんだけど、どういう格好で行けば良いのかな?高校の制服とか?わからないから制服で良いか」
そう結論を出した慎二は高校の制服を着た、初めて着たがサイズは少し大きめといった感じだった。恐らく神様が3年間着るだろうからと思い大きめなサイズにしてくれたんだと思う。