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過去のやり直し 高校生活は女難の日々です  作者: 加糖のぶ
1年生 二学期編 スキャンダルは日常的に
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雲域の怪しさは日常的に

いつも読んで下さる方々、ブックマーク・評価もありがとうございます!






 村上のおかげかまったく決まらなかった役割の担当役はあの後直ぐに決まった。


 慎二も元の状態に戻り、女性陣も話に加わり、皆で話し合い決めた。


 厨房班は元々8人決まっていたので、村上の話を聞いた皆なら何人か手を挙げてくれるだろうと思い、慎二が再度皆に聞くと、驚いた事にさっきまで嫌がっていたのに大半の男子生徒達が挙手をした。


 その事に最初は驚いた慎二だったがそんなに人は入らない為、その中から7人をジャンケンで決めてもらう事にした。


 その戦い(ただのジャンケン)でも少し死闘はあったが今は割愛。 

 

 そんな事もあったが無事厨房班も決まり、他の役割も簡単に決まっていった。


「………今決まった様にまず役割は料理を作る厨房班が僕と吉野さんを含める15人。接待をするホール班が15人。買い出し・材料調達・衣装・フォロー班が20人……これで全員役割は決まったね!」


 慎二の説明に美波含める他のクラスメイトも頷いていた。


 そんな皆の様子を確認すると慎二は再度口を開いた。


「役割のメンバーだけど、厨房班は吉野さんをリーダーとした9人。後は……村上君をリーダーとした……その、ザ・もこみちが5人で……僕も厨房班だけどわりかし何でも出来るから店長とは言わないけど、チーフ的ポジションにいるね?何か困ったことがあれば言ってくれれば良いから」


 村上がリーダーを務めるチーム名を慎二が伝える時に少し笑いそうになっていたが、なんとか堪え厨房班のメンバー紹介をした。


 そんな慎二の説明に厨房班のメンバーは全員頷いていた。


「えぇ、そのメンバーで良いわ。人が足りなさそうだったらその都度慎二に伝えるわ」

「分かった。そうして貰えると助かるよ」


 厨房班のリーダーである美波が慎二に承諾の言葉をすると、もう一つの厨房班のリーダーである村上も慎二に承諾の言葉を伝えてきた。


「おう、前田こっちもそれで構わないぜ?ただ、こっちのメンバーは5人で仕上がっているみたいなもんだからメンバーの補充はいらないと思うわ」

「う、うん。まぁ?程々に頑張ってね?」


 村上達の考えている事が分かるからこそ少し引き気味で答えると、村上達はキラキラした笑顔を慎二に返すと口々に話し出した。


「任せとけって!何せ……僕達はもこみちだからな!!」

『そうさ、僕がもこみちだ!!』


 貴公子ぽく言っているつもりなのか皆一人称を僕なんて言って歯を少し出しながら爽やかな笑顔を作っているつもりなのか皆一様に笑顔になると返事を返してきた。


(君達はもこみちではない事は確かだけど……まぁ、やる気が出ている様だしここでやる気を落とす事を言う意味はないでしょうから任せるかぁ………)


 慎二は内心でそう思うと、ただ苦笑いを向けて村上達に対応するのだった。


「次は接待をするホール班だね……これは御両親がタピオカ屋を経営している宮ノ内君にリーダーを任せても……良いんだよね?」


 慎二は少し不安になりながらも自分から先程やりたいと立候補してきた宮ノ内に目線を向けると、視線を向けられた事に気付いたのか頷くと席から立ち上がった。


「あぁ、それは問題はない。俺が他の14人を一流なレセプションにしてやろう」

「いや、別に一流までとは言わないけど普通に接待を出来るだけで「生温い!!」………えぇ………」


 接待は一流とまでは言わないが、普通程度に出来る様にお願いしようと思っていたが宮ノ内に「生温い!」と一括されてしまった慎二はそれ以上何も言えず口を噤んでしまった。


 慎二が何も言えない中、宮ノ内が皆に伝える様に話し出した。


「まず、ただの接待だからと言って侮ってはいけない。相手はお客……とてお客だ。皆は聞いた事があるだろう?お客様は神様だと?………だからどんなお客様であっても誠意を払い紳士に振る舞わなくてはならない」


 そんな宮ノ内のいつにも増した真面目な物言いに皆は何も言わず聞いていた。


 それは慎二自身もだった。


 なので何も言わず宮ノ内の話を聞いてみる事にした。


「接待でも心得というものがある。それが………」


 宮ノ内が教える接待とはこうだった。



---------------------------------------------------------------


  接待の心得



・身嗜み・挨拶は当然

 ※身嗜みは人のエチケットでもある・正しい言葉遣いをする事


・お客様は神様だと思う事

 ※ただし迷惑なお客は別


・自分の担当する仕事の優先順位をつける事

 ※アレもこれもやっていたら一人で回せるはずがない、なので役割担当を予め決めとく


・ホールの導線・業務の流れを確認しておく

 ※どの様に動けば良いのか作業導線を確認しておく・何でも臨機応変に対応する事


・仕事を覚える事

 最大にして最難だが、これを覚えなくては意味がない



---------------------------------------------------------------


「………と、こんな感じか。どうだ?お前達は今の俺の説明でわかったか?」


 そんな宮ノ内飲む問い掛けに慎二を合わせた皆は………


『『うん、何となくは分かった』』


 と、そう答えるか事しか出来なかった。


 何故なら……宮ノ内がふざけるばかりか真面な事しか言わないから普通に耳を傾けてしまったからだ。


(いや……宮ノ内君を侮ってたわ。ここまで接待の事を熟知しているとは………流

石タピオカ屋の息子と言うべきか……と言うかこれタピオカ関係なくね?)


 そんな事を考えてしまう慎二だが、真面目な事を言ってたのは確かなので何も言わずにいた。


 そしたら宮ノ内からまだ何か言い足りない事があるのか話し出した。


「………ふっ、懐かしいなぁ。今は親のやっているタピオカ屋を手伝っているがその前は色々な飲食店でアルバイトをしたものだ。その中では色々と学んだが……辛い思い出も沢山あった………」


 過去を思い出しているのか宮ノ内は遠い視線を宙に向けると一人話し出した。


(えっ?ちょっ?何か過去の話みたいな流れになってるんだけど?誰も止めないの?)


 そう思い慎二は周りを見渡したが誰もが真剣な面持ちで宮ノ内の話を聞いていたので、自分も一応聞いてみる事にした。


「あれは、半年前の出来事だった………」


(いや、結構最近!!)


 ツッコミを入れたい慎二だが、皆も何も言わない為今はサイレントツッコミだけに済ませて話を聞く事にした。


次回 158話「過去の回想①」を更新する予定です。


大変、長らくお待たせしてしまい申し訳ありませんでした。

他の作品との差が出ていて、筆を折りそうになっていましたが、なんとか次話を書けました。


次も投稿が遅くなると思いますが、すみません。


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