少女達の戦い
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長らくお待たせ致しました。゜(゜´ω`゜)゜。
「前回のあらすじ」
【村上の策でやる気を出したクラスメイト達。この調子で文化祭の役割分担は決まるのか?………】
◆
慎二含む、1年「F」クラスの男子達がバカな事をしている時、美波と優奈の2人は女性だけで教室の後ろに集まると話をしていた。
ただ、それはただの話し合いではなかった。
何故なら……優奈に詰め寄られている美波の姿があったからだ。
「美波ちゃん?さっきの慎二君との触れ合いは楽しかった?ん?ん?」
そんな事を少し目にハイライトを灯しながら美波に聞いていた。だが、詰め寄られている美波も負けてはいない。
「………はっ!そんな事を優奈は言うけどさ?さっき慎二が教壇まで来る時さりげなく手を振っていたでしょ?そんなアンタに何かを言える資格があるのかしら?」
「はぁ?それは美波ちゃんが先に慎二君を副実行委員なんていう自分の近くに来れるポジションにしたからでしょ?」
美波の言葉に負けじと優奈も果敢に攻める。
「それは慎二が村上と変な事をやっていた罰であって………」
「ヘェ〜?そうやって言い訳を作るんだぁ?……本当は慎二君と一緒に文化祭実行委員をやりたかっただけなんでしょ〜??」
「何よ!アンタだってなーにが「慎二君頑張って〜」よ!ブリッコぶってんじゃないわよ!!」
優奈の真似なのかバカにした様に美波は煽る。
売り言葉に買い言葉の言葉がふさわしい様に言い合いはヒートアップしていった。
「は、はぁ!?別にブリッコぶってないし!それにそんな美波ちゃんこそ慎二君に手を握られた時乙女みたいな表情を作ってたじゃん!」
「私だって乙女だわ!それにどうせ優奈はそのご自慢の胸で慎二を誘惑するつもりなんでしょ?」
もう、この辺りからは慎二は関係なく何故か口喧嘩の様になって来ていた。
「する訳無いでしょ!?美波ちゃんが「無い側」だからって適当な事言わないでよね!」
「はぁーー!?「無い側」ですってぇー!?」
美波が優奈の言葉にキレると、優奈も美波の言葉には感に触ったらしく2人共睨み合ってしまった。
「何よ?やるっていうの?」
「美波ちゃんこそ………」
2人はそういうと顔を近付けてメンチを切り合っていた。恐らくこの状況をヤンキーが通りかかって見たら「姐さん!」と呼ぶのは間違いなしだろう。
それぐらい今の2人は迫力があった。しまいには2人の間に火花すら散っている様な錯覚すら見えてくる。
そんな風に声を高らかに喧嘩している2人に周りの皆は、特に何も反応をしていなかった。
普段だったら怯えたりしているが、今は村上の話に夢中になったり、一部の人間がツボに入ったりして皆の耳にすら通っていなかった。
それは2人にしたら好都合だったが……長い時間こんな無駄な時間を消費するのはバカらしいと思ったのか一旦メンチの切り合いを辞め、落ち着く事にした。
「………ふぅ……優奈。今は罵り合いは辞めましょう」
「そう……だね、ちょっと私もムキになってたよ」
2人はそう話した。
どうせ自分達が争っている理由は1人の男の取り合いなのだから。こんな所で潰しあっていても他の女性達の思う壺だと思ったからだ。
それに………
「………私達がこんなにも話し合っているのにアイツと来たら………」
「本当だよね……何も知りもしないであんなに笑って……私達をバカにしているの?」
2人はある人物の方に顔を向けると恐ろしい表情で睨み付けていた。
美波達の目線の先にいるのは……村上達の話を聞き腹を抱え爆笑している慎二がいた。
これは完全にとばっちりだろうと思うかもしれないが、慎二だからしょうがないだろう。
「こうなったら慎二に償いをさせるしか無いわね」
「そうだね。こんなにも私達の心を揺さぶった慎二君が悪いんだから、言うことの一つや二つ聞いてもらわないとねぇ」
「そうね、割に合わないわ」
そう言うと、さっきの険悪さは何だったのかと言う様に2人は笑顔で慎二について話し合っていた。
「そうねぇ……優奈は慎二にやって欲しい事とか逆に何かあるの?」
「んんー?私か〜色々とあるはあるけど……文化祭とか2人で回れたら良いなぁとは思うね、美波ちゃんはどうなの?」
優奈に質問された美波はやって欲しい事は最初から決まっていたのか、直ぐに答えた。
「私は今度桜田町近くでやる「アイドルプロジェクト」のライブを慎二と行きたいわねぇ〜」
「ヘェ〜、だけどあれってチケットが無いと入れないんじゃないの?美波ちゃんは「アイドルプロジェクト」のチケット取れたの?」
「えぇ!ネットでの抽選だったけど取れたわ!慎二があのアイドル達を好きなのは知ってるからね!」
美波は自身満々に話した。
以前、慎二と村上が「アイドルプロジェクト」の話題で盛り上がっていたので、美波達は慎二が「アイドルプロジェクト」を好きなのは承知だった。
なのでもしかしたらと思って美波は応募していたのだ。
そしたら運が良い事にペアチケットが当たったので慎二を誘おうと思っていたのだ。
それも丁度今度の9月13、文化祭が始まる前の日にここ桜田町にある武道館でやるとの事なのでラッキーだった。
今回のライブは夜間ライブとの事なので時間もバッチリだ、前回結菜が言っていた「アイドルプロジェクト」のライブが今美波がチケットを取った物だったのだ。
「分かった。じゃあ私が文化祭で慎二君と回って」
「私が今言った様にライブに誘うわ!だから………」
「「告白はNGだけど絶対に振り向かせる!!」」
2人は声をハモらせると握手をした。
その後も村上達が話し合っている間に色々と2人で話し合っていた。
そこで少し話題に上がった話が………
「まぁ、流石に慎二君がアイドルを好きだと言っても……アイドルまでもが慎二君の事を好きになる訳ないよねぇ〜」
「そうね、そこは安心しても良いんじゃ無い?アイドルまでも慎二を好きになる訳ないでしょ?」
「そうだよねぇ〜相手は雲の上の存在だし……会う事も無いだろうからねぇ」
2人はそんな事を話して、そんなことある訳ないかと笑っていた。
それが何かのフラグとも知らずに………
その頃の慎二は………
(ば、バカだっ!バカ達がいる!皆がやる気を出したのは良いけど……もこみちって……くくっ………くはっ!)
と、女性陣が変な計画を企てているとも知らず、バカ笑いをしていた。
次回 157話「雲域の怪しさは日常的に」を更新する予定です。
皆様、投稿が遅くなりすみません。
他の作品とも同時進行に進めてますので、次話も少々お待ち下さい!