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過去のやり直し 高校生活は女難の日々です  作者: 加糖のぶ
1年生 二学期編 スキャンダルは日常的に
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役割分担①

ブックマーク・評価・読んで頂きありがとうございます。゜(゜´ω`゜)゜。



「前回のあらすじ」


【一年「F」クラスの文化祭の出し物が決まった、次いて決めるのは役割分担………」




 あの後は特に文化祭の出し物を決める時間がなかった。


 昼休みに少し話し合っただけで、放課後に時間を取り決める事にした。


 剛田先生に出し物は決まった事を伝えたら「放課後までに決めれば良い」と言われたので、まだ時間は大丈夫だろう。


 後は何を商品として出すのか、役割は誰が何をやるのかを決めるだけなので放課後になった今、慎二と美波が教壇の近くに立ちクラスメイト達と話し合いで決めていた。


「じゃあ、今から喫茶店でお客に出すメニューを考えるわ、ただし!高校生だからといっても適当な物を出す訳にはいかないからそこは徹底するわよ!」

 

 今、美波が言った通り慎二達はまだ学生だ、でも自分達が適当に出した食べ物を食べて、お客が食あたりを起こしたりしたら嫌なのでそこは徹底する事にしている。


(うんうん、僕も吉野さんに同意するよ、学生の出す物だからと言って手を抜いて言いわけにはならないからね、相手も自分も嫌な気持ちになるのは嫌だもんね)


 そんな事を内心で思っている慎二だが、口に出しては言わない。


 そのまま口に出して言えば良いのにと、思うかもしれないが慎二はいつも通りの板書役であり、皆がどんな案を出すのか見ていたいから今は静観していた。


「まずは何をメニューにするかね、簡単に出てくる物だったらケーキだったり、飲食類、後はちょっとした軽食の食べ物よね……皆は何か「これが良い!」みたいなものがあるんだったら話し合ってでも良いから決めてくれる?何かあれば挙手をしてくれれば良いから」


 話を聞いていたクラスメイト達は近くの人や友人同士で集まって話し合っていた。


『どうする?メニューを何にするか………』

『そうだなぁ、喫茶店て言ったらサンドウィッチとかコーヒーのイメージがあるから……無難にそれ系統で良いんじゃないか?』

『あぁ、後はケーキだと思うが』

『………そもそも、誰か料理出来るのか?』

『『『………‥』』』


 クラスメイトの一人が「料理を出来るのか?」と聞いた瞬間周りはただ目を逸らすだけで誰も何も言わなくなってしまった。


 それを見ていた慎二は………


(あちゃぁー、そうか料理が出来ない子が結構いるのか……でもそれはそうだよね、一人暮らしとかしていたり女子だったらまだしも……それをなきにしてもこのクラスは男子が多いんだから、さて、どうするか………)


 内心で「どうするか?」と慎二が思っていると美波も同じ思いなのか静かになってしまった皆に声をかけた。


「ごめん、私の盲点だったわ、そうよね、料理が出来ない人の方が多いか……ならメニューよりも先に役割を決めましょう。料理を作る厨房班と接待をするホール班に分かれてもらうけど……この中で料理を出来る人、手を挙げて」


 何人かのクラスメイトが手を挙げたが、数えても両手で数えられる範囲だった、その事に美波は苦い顔になってしまった。


(これは……考えていなかったわね、あと私と慎二が料理を出来ると言っても流石に少な過ぎるわねよね、50人中役10人しか料理が出来ないのは不味いわ……どうするか………)


 美波もどうするか考えていた。


 それを見ていた慎二は………


(もっと見ていたかったけどこの状況じゃただ時間が過ぎて行くだけだよね……僕も話し合いに加わるか)


 時間が勿体無いと思った慎二は美波に話しかけることにした。


「吉野さん、ちょっと良いかな?」

「………何よ慎二?何か案があるの?」


 丁度考えているところに話しかけられたからか、美波の機嫌は少し悪いようだったが、そんな事で引き下がる様な慎二ではない。


「うん、あるよ?でもそれを伝える前に今は決める物を決めてしまおうよ……今優先なのは悩むことより決めることだよね?だからさ、役割を決めよう」

「でも、それで決まらなかったら………」


 美波はそれでもまだ渋っているようだったのでここは勢いで納得してもらう事にした。


「大丈夫だって!吉野さん、僕を信じてよ、決して失敗したり文化祭でも恥をかくような事にならないからさ!!」


 慎二は勢いに任せて美波の手を握ると捲し立てるように伝えた。


「あっ、やっ、手を…慎二…顔近……っ!」

「ん?どうしたの?吉野さん?」


 美波は顔を赤くしてしまい何か小声でぶつぶつ言っていて、様子が少しおかしかったから何も分からない慎二は聞いてみたが。


「あぁーー……もう!分かったわよ!アンタの話を聞くから!手を話して……少し離れなさい!……いきなりは心臓に悪いわよ……」


 怒られてしまった。


 ただ、それが功を成したのか……慎二の話を聞く体勢になってくれた。


 いや、完全にこれは慎二に美波が照れているだけだ、まぁ、それに気付かない慎二はほっとすると共にやっと話せる事に少し安堵していた。


(わぁ!勢いに任せすぎた……最後に何を言っていたか分からなかったけど………)


 最後に何を言われたかは分からなかったが今は離れて謝る事にした。


「ご、ごめん!少し強引すぎたね………」

「ふ…ふん!良いわよ別に……慎二が何かを伝えたいってのは伝わったから、何かあるんでしょ?」


 慎二が謝ると美波は少し怒っている雰囲気を出しながらも、先程慎二に掴まれた手を摩っていたが。


(………なんで手なんて摩って……まさか!?強く握りすぎて怪我をさせたとか!?)


 慎二は慎二でまったく違う解釈をしているが。でも、美波は全然痛がっていなかったのでそこは触れない事にした。


 その代わり、自分に後は任せてくれと言う事を伝える事にした。


「勿論……後は僕に任せてくれ」

「えぇ、任せたわ」


 そう言った慎二は美波と変わり、クラスメイト達に向き直った。


「ここからは僕が司会を担当させてもらうよ……まず、皆でさっき吉野さんが言った通りに役割を決めたいと思う。今は料理が出来ないとかは考えないで決めよう……それに焦るなよ、大丈夫僕達なら出来るからさ?」


 そんな言葉を不適な笑みを浮かべながら皆に言うのだった。


次回 154話「役割分担②」次話も話の構想が出来次第更新します。゜(゜´ω`゜)゜。

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